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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 循環物色で新たに拾う銘柄とは

株式評論家 植木靖男

「循環物色で新たに拾う銘柄とは」

●どんでん返し続きの年末相場

 株価はどんでん返し、そしてさらにどんでん返し、と市場関係者の目には映る。

 確かに11月9日の急騰急落は誰の目にも天井打ちを思わせる変動だった。

 だが、その僅か4日後の11月15日の終値ベース2万2028円で下げ止まった。この間の下げは4%。その後、ジリジリと切り返し、もはや高値更新は必至という水準にまで戻ってきた。

 師走相場に入り、このまま2万3000円に乗せてくれば、まさにどんでん返しの連続である。

 こうした動きは、玄人泣かせの相場である。

 さて、一方の米国株はどうか。11月8日の2万3563ドルでいったん高値をつけたが、5日後には下げ止まり、高値から僅か9日後には高値を更新、その後、あれよあれよという間に2万4000ドル大台に乗せてしまった。

 日米連動型相場が続いているとすれば、日本株も後を追うはずである。

 米国株の上昇は、海外勢をして、一度止めた日本株買いへ再び誘導することになる。

 実際、米国の長期金利は明確に上昇をみせ、為替市場では1ドル=112円台中半まで円安が戻っている。

 では、もはやどんでん返しはないのか。米国と違って、北朝鮮という地政学的リスクはあるものの、市場環境は米国とあまり違いはない。

 であれば、師走の週明けには2万3000円大台となるが、ひとつ気がかりがある。

●迎えた正念場、天井打ちのトラウマ克服なるか

 それは15年6月高値、そして本年1月高値のときは、その後、高値を突破したあと、直ちに天井を打つ、つまり双子山天井になってしまったのだ。その“トラウマ”がまだ記憶にあるのだ。

 そういえば、師走相場の初日には米国株高を受けて高く、サラバで2万3000円まであと6円というところまで上昇したが、その後、一時前日比マイナスまで下げるという波乱。

 その意味で週明けは正念場であろう。今回は、米国株の後を追い2万4000円を年内に目指すのか、やはり15年、17年に倣い、天井となるのか。冷静に判断したい。

 ところで、こうした全体市況のなかで鮮明になってきたのが、物色対象の交代劇である。

 いうまでもなく、米国市場では“ハイテク売りの金融買い”がメインとされている。これを受けて東京市場でも同じような展開をみせている。

 だが正確には、超値がさ株売りの中低位株買いという視点が正しい。この株価水準の縦割りの変化、そして、業績の横の変化の二つが現在、同時的に起きていることだ。

 縦割りからすれば、3000~5000円前後の業績好調銘柄、横への変化といえば、その典型は銀行株である。

 一言でいえば循環物色ということになる。この観点からすれば当面、高値を抜いた三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、建機が中国向けに好調な日立建機 <6305> 。悪目買いは、業績がよくないだけに、タイミングが重視される。三菱重工業 <7011> に注目したい。

2017年12月1日 記

株探ニュース

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