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【特集】再起動する「機械株」大相場とは―“中国爆需”と鉄壁の成長シナリオ <株探トップ特集>

三浦工 <日足> 「株探」多機能チャートより

―師走入り東京株式市場に吹く追い風、株価上昇のメカニズムを追跡せよ―

 2017年もいよいよ大詰め、名実ともに師走相場入りとなった東京株式市場だが、首尾よく年末高で締めくくることができるのか否か、期待と不安の入り混じるなか、投資家も有望株の発掘に最後のひと踏ん張りを利かせたいところだろう。

 日経平均株価は11月9日のザラ場に2万3382円の高値をつけたが、その後は反動から急な調整に見舞われた。しかし、25日移動平均線をサポートラインとして上昇トレンドを堅持、強気優勢のまま最終コーナーを回り、最後の直線勝負に臨むという状況にある。

●設備投資関連セクターへのフォローウインド

 12月早々、前日の米国株市場でのNYダウ急騰が東京市場にも高揚感を与えている。最近はこれまでの物色の波に変化がみられ、株価を先駆させていた半導体をはじめとする電機セクターや設備投資関連として買われた機械セクターへの利益確定売りが顕在化する一方で、出遅れ組の銀行や証券株に買いの矛先が向いた。出遅れ物色の波に乗って金融セクターなど内需株のリターンリバーサルの流れに乗るのも一法だが、ここは好調な世界経済を背景とした設備投資関連の戻り相場を想定して、機械株 を軸とする投資戦略を考えてみたい。足もと国内に目を向けても財務省が1日朝に発表した法人企業統計では、7-9月期の全産業ベースの設備投資額が前年同期比で4.2%増と市場予想を上回った。経済実勢をみれば引き続き関連企業へのフォローの風は強い。

 先駆した機械株は海外ファンドの決算期末を控え、益出しを狙った売り圧力が目先の調整につながった。1日のキーエンス <6861> などの値動きに反映されるように、この圧力は今しばらく残る可能性はある。しかし、成長期待の強い銘柄には結局投資マネーが戻ってくる。全体相場の引き潮局面ですぐに結果は出なくても、少し長い目でみれば拾い場を提供しているというパターンを昨年夏場以降の東京市場では繰り返してきた。

 ここは鉄壁の成長シナリオを持つ機械セクターの有望株に照準を絞ってみたい。

●「中国製造2025」で工作機械に出番

 ポイントとなるのはいわゆる“中国爆需”。まずクローズアップされるのは、“習氏1強体制”のもとで「中国製造2025」を推進する同国の設備投資需要だ。かつて日本が歩んだ道を意識しているのか否か、中国政府は国家百年の計として“モノづくり大国”を目指している。半導体分野の育成や加速的に進む電気自動車(EV)シフトなど、国を挙げて製造技術の高度化に傾注、25年までに「製造大国」から「製造強国」への転換を図る方針にあり税制優遇や金融支援にも積極的だ。

 ハイエンド化の進む工作機械 分野ではマシニングセンターのトップメーカーで商品競争力の高いオークマ <6103> や先端技術に強みを有する牧野フライス製作所 <6135> 、小型自動旋盤など精密工作機械で優位性を持ち、中国子会社が香港に上場しているツガミ <6101> などが注目される。このほか、半導体関連のポリッシュ装置を手掛ける岡本工作機械製作所 <6125> [東証2]にも株価の上値余地が期待される。

 スマートフォン向けやEV向けにプラスチックを加工する射出成形機の需要も高水準だ。同分野では専業メーカーである日精樹脂工業 <6293> や標準量産機を主力とする住友重機械工業 <6302> 、大型鋳鍛鋼だけでなく樹脂機械でも世界屈指の実力を持つ日本製鋼所 <5631> などが注目される。

●中国補助金政策の恩恵享受するソディック

 また、ソディック <6143> は放電加工機で世界シェア3割を誇る大手メーカーだが、中国において補助金政策の恩恵を享受しながら幅広い業種から受注獲得が続いている。EV普及に中国政府は本腰を入れているが、そのなか車載向け電子部品需要の拡大による金型加工で需要を確保しており、今後も期待が大きい。決算期変更となった17年12月期業績は営業利益段階で従来予想の53億円から60億円に上方修正、18年12月期については70億円を上回ってきそうだ。株価はここ調整色をみせているが、13週移動平均線と上方カイ離が解消された時価近辺は狙い目となろう。

 このほか、省人化を背景とした中国のFA投資拡大を受け、NC装置の世界首位メーカーで産業用ロボットにも強いファナック <6954> や精密減速機を手掛けるナブテスコ <6268> 、ACサーボモーターやロボットの受注増勢にあるメカトロ製品大手の安川電機 <6506> などにも収益機会が巡りそうだ。

●「一帯一路」のインフラ投資でヤマシンFに恩恵

 一方、中国では「中国製造2025」のほかに習近平国家主席肝いりの広域経済圏構想「一帯一路」に伴うインフラ投資需要も今後本格化してくる。この国策の意味するものは陸上ルートの「一帯」と海上ルートの「一路」のインフラを推進することにより、中国および同国と隣接する国や地域を中心に物流を活性化させるというものだ。

 公共事業拡大となれば、建設機械メーカーのビジネスチャンスが改めて膨らむことになる。国内トップの建機メーカーで世界でも米キャタピラーに次ぐ位置にあるコマツ <6301> や、中国向け売り上げが4-9月期に倍増した日立建機 <6305> などは見直し買いのタイミングにある。

 さらに、建機向けフィルターの開発販売を手掛けるヤマシンフィルタ <6240> にも恩恵が及ぶ。ここファンド系資金とみられる継続的な買いが観測され、株式分割後に上値追いを加速させている。同社は国内ではコマツ、北米ではキャタピラーを主要顧客としているが、中国や東南アジアで高水準の需要を獲得している。18年3月期営業利益は従来予想を増額し17億5000万円と前期比8割増の急拡大を見込むが、中期的にも建機フィルターの専門メーカーから総合フィルターメーカーへの飛躍を目標に掲げており、成長の伸びしろは大きい。

●PM2.5と固体酸化物燃料電池に注目の三浦工

 また、中国の土壌や大気など環境規制の動きも日本企業にとって商機となる。EVの普及に本腰を入れているのも大気汚染の問題が深刻であるがゆえである。

 石炭の使用がPM2.5 の発生源のひとつとなっているが、これを規制することで、代替エネルギーとして急速に需要を伸ばしているのがガスボイラーだ。そのなか、産業小型ボイラー大手の三浦工業 <6005> の業績が好調に推移しており、機関投資家の視線が熱い。同社は熱供給機器事業をベースに、省エネルギー性が高い分散型電源としての燃料電池の可能性に着目、高効率な固体酸化物燃料電池システムの開発を進捗させている点も注目される。今年8月初旬には米投資ファンドのキャピタル・ガーディアン・トラスト・カンパニーなどが5%超の大株主として浮上したが、株価はその後、25日移動平均線をサポートラインとする強力な下値切り上げ波動を形成中だ。

株探ニュース

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