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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「アベノミクスの12月」

株式評論家 富田隆弥

◆11月27日、28日と多少もたついた日経平均株価だが、30日は127円高の2万2724円と続伸、下値ポイントの25日移動平均線(2万2399円)の上で推移している。ただ、直近の日足は2万2750円処を上値とする三角もみ合いになっており、目先はそこからの放れ足がポイントになる。

NYダウ平均が華々しく上昇し最高値を更新している(29日現在2万3959ドル高値)。「年末商戦明けは上昇しやすい」というアノマリー通りの展開でもあり、日経平均もツレ高して上放れる可能性は十分にある。そうなれば11月9日に付けた上ヒゲ高値の2万3382円奪回を目指すことになろう。

◆パウエル次期FRB議長が金融規制緩和に前向きな発言をしたことで、金融株が活気づきNYダウを押し上げている。日本でも金融株は出遅れていただけに素直に刺激を受けており、それも日経平均やTOPIXの上昇に寄与しよう。そして、暦は12月。証券会社は「師走相場だ、クリスマスラリーだ」と一層囃してくるに違いない。

◆ただし、堅調相場でも25日移動平均線を下値ポイントとして注視を続けたい。この12月でアベノミクスが始まって5年になるが、4回あった過去の12月相場を振り返るといずれも高値をつけ、新春の調整につながっていく。個人投資家も含めて投資マインドが盛り上がる師走だが、格言の如く「皆が強気に傾くところ」が目先のピークになりやすいということだ。

◆華々しく上昇するNYダウもスピードの出し過ぎ(過熱)が気になるし、ハイテク関連の下落によりナスダックは調整気味だ。それを受けて日本も半導体関連の調整が目立ってきた。外国人動向(現物+先物)は11月24日の週に4245億円売り越し、売り越しは3週連続。感謝祭を控えてポジション調整に動いたと思われるが、12月もクリスマス休暇を控えて同じように動くことが想定される。

◆上昇相場に乗るのは当然なのだが、過去の推移を踏まえると今年12月の日経平均は高値示現と25日移動平均線割れに「注意しながら」となる。

(11月30日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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