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【市況】国内株式市場見通し:ハイテクはしばらく見極め、金融や内需系好業績株に関心

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。週末には11月9日以来となる22900円を回復する場面をみせた。24日の米国株高のほか、年末商戦のスタートとなる「ブラックフライデー」における売上好調が伝わる中、日経平均は3ケタの上昇で始まった。しかし、海外勢の動きに変化がみられているなか、その後は狭いレンジでの取引が続いた。円相場が一時1ドル110円台を付けたほか、韓国サムスン株の急落や米国ではアップル、アマゾンなどFANG株が急落、国内では東エレク<8035>など世界の半導体関連等が一斉に利益確定の売りに向かう中、先行き不透明感が強まった。しかし、米税制改革法案の年内可決への期待感が高まるなかで米長期金利が上昇、これが金融セクターへの物色に向かわせており、日経平均の下支えとなった。北朝鮮のミサイル発射による神経質な場面もあったが、NYダウが連日で最高値を更新するなど、地政学リスクに対しても打たれ強くなっていた。

来週は米国の米税制改革法案の行方に左右させられる相場展開になりそうだ。米税制改革法案の年内可決へ向けた動きとしては、11月30日の可決は見送ったが、米共和党のマコネル上院院内総務は1日、税制改革法案の上院通過に必要な票数を確保したとの認識を示した。共和党指導部は12月1日の採決を目指すことを決めた。財政赤字の拡大などに与党・共和党内からも懸念が出ており、楽観視できる状況ではないものの、法案の詰めの作業が続くなか、可決となれば相場の押し上げ要因になりそうだ。一方で、ハイテク株については、上昇トレンドの中での利益確定による調整とみられる。しかし、先週後半にはアップルやアマゾンなどが買い戻させる動きがみられたが、世界的に相場をけん引してきた半導体関連には相当な資金が向かっていただけに、明確な反転を見極める必要があろう。

その他、来週は米経済指標の発表も多く、雇用統計に向けて良好な内容が先高観を強めるなか、翌週に控えているFOMCでの利上げは織り込んでいるものの、来年の利上げペースへの思惑につながる形で上昇基調が強まる可能性がある。流れとしては金融セクター等に資金が向かいやすいだろう。また、中小型株は今後12月のIPOラッシュに向かう中、短期の値幅取り狙いの商いが活発化するとみられる物色対象に広がりは見られていないが、足元では小売や外食など消費関連のほか、人材関連の一角といったセクターへの物色は根強い。師走相場で年間上昇率上位の企業に対する一段高も意識されやすいだろう。

《FA》

 提供:フィスコ

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