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【市況】新興市場見通し:新興市場でも出遅れ株に視線、IPO人気で初値大幅高に

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、週初こそそれまでの中小型株物色の流れを引き継いで買いが先行したが、その後はマザーズ指数、日経ジャスダック平均とももみ合いで推移した。上値では利益確定売りが出やすく、北朝鮮情勢を巡る地政学リスクの高まりや12月IPOのブックビルディング(BB)に伴う換金売りも重しとなった。ただ、人気株では投資家の押し目買い意欲が根強く、底堅さも窺える展開だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.2%であったのに対して、マザーズ指数は+0.5%、日経ジャスダック平均は+0.9%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で1.7%安、そーせいグループ<4565>が同5.0%安となる一方、サイバーダイン<7779>が同2.9%高となるなどマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。ただ、サンバイオ<4592>などの準主力級銘柄が買われ、指数を押し上げた。売買代金上位では串カツ田中<3547>やアンジェス<4563>の上昇が目立ち、ユナイテッド&コレクティブ<3557>やロコンド<3558>が週間のマザーズ上昇率上位となった。ロコンドはEC事業の好調継続が伝わっている。反面、力の源HD<3561>などは利益確定売りに押され、Aiming<3911>が新作ゲームリリースによる材料出尽くし感などから下落率トップとなった。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同9.1%高、エン・ジャパン<4849>が同7.1%高と堅調だったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>はハイテク株安が波及して同6.9%安となった。売買代金上位ではビーマップ<4316>やアバールデータ<6918>が大きく買われ、フジタコーポレーション<3370>やケアサービス<2425>が週間のジャスダック上昇率上位となった。ケアサービスは中国での合弁会社設立を発表している。一方、信用規制が実施された麻生フオームクリート<1730>や有機ELに絡んだ思惑が後退した大阪油化工業<4124>が下落率上位だった。なお、サインポスト<3996>の人気化をきっかけに足元でIPO銘柄が活況を見せており、今週上場した4社は全て公開価格の2倍以上の初値を付けた。トレードワークス<3997>の初値は公開価格の約6.2倍で、今年最大の上昇率となった。

今週の新興市場では、マザーズ指数や日経ジャスダック平均はもち合い継続となりそうだ。引き続き12月IPOのBBが需給面のネックとなるだろう。また、これまで中小型株相場をけん引した人気株も信用規制の実施等で上げ一服となりつつある。

一方、大型株で内需・ディフェンシブ関連セクターに資金がシフトしてきているように、中小型株でも出遅れ感のある銘柄や日柄調整の一巡した銘柄を中心に物色が向かうと考えられる。なお、今週は12月8日にフルスピード<2159>、アスカネット<2438>、モルフォ<3653>、アイリッジ<3917>、イトクロ<6049>、トランザス<6696>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、12月7日にアトリエはるか<6559>が名証セントレックスへ新規上場する。一般に地方市場への上場案件は参加者が限られるものの、このところのIPO銘柄の活況を受けて買いが向かえば、公開規模が極めて小さいだけに初値を大きく飛ばす可能性がある。なお、先週からのBBでは注目のSG HD<9143>などが需要堅調だったようだ。ただ、月間23社上場のIPOラッシュとなるため、銘柄選別色が強まっている点には注意したい。

《FA》

 提供:フィスコ

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