【経済】日本初の大型ICO「COMSA」のトークンが12月4日上場【ICOレポート】
日本におけるICO(※)の大型案件第1号であるCOMSAは、トークンの販売によって約109億円の資金調達に成功した。これは2017年のICOによる資金調達額で世界のTOP7にランクインする規模だ(coin scheduleより)。この資金調達で販売された「CMSトークン」が、12月4日より国内の取引所Zaifに上場する。下記に、COMSAプロジェクトの概要と、今年のICO案件によるトークンの価格推移からみる評価をまとめる。
※いま世界で注目されるICOとは、企業や団体がデジタルの「トークン」と呼ばれる電子記録を発行してクラウドセールによってトークンの販売を行い、購入者にその対価としてビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を送金してもらうという仮想通貨の技術を利用したグローバルに展開が可能な購入型クラウドファンディングに近い調達方法の一種である。
■プロジェクト概要
COMSAは、実際にサービスや商品を持って事業を展開する企業が、 ブロックチェーンと 仮想通貨技術を導入する為の様々な障壁を解決し、ICOを実施する為の総合ソリューションでありプラットフォームだ。ICOを実施してからトークンを利用したプロジェクトを始動するまでの一貫したサポートとブロックチェーンのソリューション・サービスを提供する日本発のプロジェクトである、COMSAプロジェクトのローンチに先立ち、COMSAプラットフォームの内部通貨となるCMSトークンのクラウドセールが実施され、日本初の大型ICOとなった。
COMSAプラットフォームはネムのプロトコルとイーサリアムのスマートコントラクトを活用して、ビットコイン、イーサリアム、XEM(ゼム)など異なる技術の上に発行された仮想通貨同士をペッグし、それらの価値を第三者は介さず交換するエンジンを提供する。COMSAプロジェクトによって企業がICOトークンを発行すると、プラットフォーム上で取引が可能となる他、仮想通貨取引所Zaifが介在することによって、企業のICOトークンをビットコイン、イーサリアム、ゼムの複数の暗号通貨の価値とペッグさせ交換することも可能となる。
■ICO期間
プレセール(2017/9/9~9/21)とトークンセール(2017/10/2~11/6)の二回に分かれて、早い時期に申し込むほど高いボーナスが付与される形で実施された。
■トークンセール価格
1USD相当の購入に対して、1CMSトークンが配布された。CMSトークンの購入に当たっては、ビットコイン、イーサリアム、XEM(ゼム)のいずれかの仮想通貨建てか、もしくはZaifトークン(仮想通貨取引所Zaifの発行するトークン)建てのどれかの方法で支払う形で行われた。
■トークン総発行数
トークンセール終了時点まで上限を決めずにトークンが発行され、トークンセール終了時に、トークンセール参加者に発行されるトークン数と同数のトークンが追加発行されて総発行数としてロックされる。
■資金調達額
COMSAのCMSトークン販売による売り上げは約9540万ドル(約109億円)に到達。これは11月30日時点で2017年の数多くのICO案件による資金調達額の中でも世界7番目という大規模な結果となった(coin scheduleより)。
■評価
COMSAプロジェクトは日本における大型のICO案件第1号として注目度が高い。例えば、同じくアジア発で今年ICOを行い注目度も高かったOmiseGo(調達額は2500万ドル)のトークンは上場後1か月後でトークンセール価格の約8倍の価格をつけ、11月30日時点ではトークンセール価格から約15倍の8米ドル前後で取引されていることを考えると期待感は強い。
2017年には200超のICO案件が存在したが9000万ドル超の資金調達に成功しているICOはCOMSAの他には7件しかない。COMSAプロジェクトへの期待感の強さがうかがえるといえる。さらには2017年のICO案件で資金調達額が上位10位に入る案件について、トークンセール価格と上場後1週間の価格を比較したところ、平均して30%価格が上昇していることが確認できる。
COMSAのプラットフォームを利用したICO案件としてすでに企業の具体的な名前が挙がっており、今後COMSAを利用したプロジェクトが継続して誕生して活況となれば、これに付随してCMSトークンの価値が上昇するという期待もある。
《SI》
提供:フィスコ