【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 32社選出 <成長株特集>
ASB機械 <日足> 「株探」多機能チャートより
下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の7-9月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している32社を選び出し、7-9月期の過去最高益の上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップは化粧品や食品のプラスチック容器成形機大手、日精エー・エス・ビー機械 <6284> 。7-9月期(第4四半期)は付加価値の高い上位機種の販売が拡大し、経常利益は四半期ベースの過去最高益を56.7%も上回る26.7億円で着地。あわせて発表した18年9月期の同利益は前期比3.5%増の72億円と2期連続で最高益を更新する見通しだ。足元の受注拡大を背景に国内とインドに新工場の建設を計画するなど、成長投資にも余念がない。
2位のJCRファーマ <4552> は主力の成長ホルモン製剤の販売拡大や契約金収入の増加で、31四半期ぶりに最高益更新を達成。株価は11月22日に1994年7月以来、約23年4ヵ月ぶりに上場来高値を更新している。3位のアウトソーシング <2427> は技術系派遣や請負が好調だったうえ、1月に買収したドイツ人材大手の業績上積みなどで海外事業の収益も大きく膨らんだ。今期は絶好調な業績を背景に株価は上値追いの展開が続いており、昨年末に729円だった株価は2.7倍の1969円(7日終値)に跳ね上がっている。
選出リストでは、設備投資需要の拡大を背景に業績を伸ばした機械株の活躍が目立つ。4位の日特エンジニアリング <6145> [JQ]は前期に中国の大手電子部品メーカーから受注したコイル製造用自動巻き線機の大型案件の納品が進んだ。同社はコイル巻き線機の旺盛な需要に対応するため、福島と長崎の生産拠点を拡張し、売上高500億円(18年3月期計画は280億円)の生産体制確立を目指している。7位のダイフク <6383> は半導体・液晶関連向け搬送装置や物流センター向け自動化システムの受注が大きく伸び、10年ぶりに四半期最高益を更新した。また、18位の福島工業 <6420> は飲食店向けに冷凍冷蔵庫が好調だったうえ、食品工場向け大型機械のトンネルフリーザーの販売も拡大した。
投資指標面で割安感のある銘柄に目を向けると、まず10位に入ったオープンハウス <3288> がある。7-9月期(第4四半期)は主力の戸建て住宅やマンションの引き渡しが進み、四半期ベースで初の経常利益100億円突破を果たした。18年9月期は前期比20.4%増の435億円と6期連続最高益を見込む。指標面では予想PERが10.2倍と低位にあるほか、資本効率を示す前期実績ROEは33.8%と高水準であり投資魅力が高い。今期は5期連続の増配を計画するなど株主還元にも積極的だ。
17位のANAホールディングス <9202> も予想PER11倍台と東証1部平均(16.4倍)を大きく下回っている。7-9月期(第2四半期)は国際線旅客が大幅に増加したうえ、自動車関連や電子機器を中心とする国際線貨物の需要拡大も追い風になった。上期業績の好調を踏まえ通期予想を上方修正したが、上期実績の修正した通期計画に対する進捗率は75.2%に達しており、さらなる上振れも期待される。そのほか、予想PER10倍前後の兼松 <8020> 、Jパワー <9513> 、伊藤忠商事 <8001> 、住友化学 <4005> なども上値余地の大きい銘柄としてマークしておきたい。
※10日(日)19時30分に、時価総額800億円未満の銘柄と対象とする「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾」の配信を予定しています。併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌─ 通期 経常利益 ─┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6284> ASB機械 56.7 2670 1704 3.5 7200 6954 21.4
<4552> JCRファ 51.3 1841 1217 39.3 3530 2534 55.1
<2427> アウトソシン 50.5 3095 2057 78.4 8900 4988 39.3
<6145> 日特エンジ 44.2 1755 1217 3.8 3900 3758 30.3
<7717> Vテク 40.9 2822 2003 81.3 9800 5406 18.2
<5344> MARUWA 40.9 2327 1652 9.5 5450 4978 26.6
<6383> ダイフク 35.7 10412 7671 59.9 38000 23760 27.5
<6479> ミネベア 33.3 24790 18600 19.7 72000 60140 16.3
<2502> アサヒ 32.9 76831 57800 9.0 163500 150068 23.8
<3288> オープンH 31.3 11887 9050 20.4 43500 36131 10.2
<2317> システナ 27.2 1248 981 29.6 4416 3407 30.1
<7747> 朝日インテク 24.1 4295 3460 11.2 12170 10941 56.5
<8020> 兼松 24.0 7232 5832 2.6 23500 22895 9.6
<1824> 前田建 23.1 12523 10174 9.6 30000 27363 15.7
<7780> メニコン 22.6 1793 1462 14.4 4616 4036 37.1
<6420> 福島工業 21.5 3086 2539 0.4 8768 8730 19.8
<9202> ANAHD 20.8 87960 72812 6.9 150000 140375 11.8
<9706> 日本空港ビル 19.2 4990 4186 6.9 14600 13654 32.9
<1925> 大和ハウス 18.4 106765 90152 7.5 323000 300529 13.1
<5186> ニッタ 15.7 3410 2947 7.8 11350 10532 14.1
<9513> Jパワー 10.0 39074 35519 19.3 81000 67906 9.7
<4506> 大日本住友 9.9 28551 25983 32.5 72000 54341 13.3
<8035> 東エレク 9.8 67917 61857 56.9 271000 172713 17.4
<8001> 伊藤忠 9.3 176956 161831 7.2 536000 499855 7.4
<9025> 鴻池運輸 8.5 3546 3267 5.4 11300 10721 15.2
<8283> PALTAC 8.3 7140 6595 11.3 24000 21573 19.9
<3407> 旭化成 7.3 56969 53080 15.3 192000 166543 14.1
<2124> ジェイエイシ 7.3 1670 1557 6.4 5033 4730 24.5
<6465> ホシザキ 7.1 11919 11130 6.0 36200 34140 30.8
<4005> 住友化 6.8 68793 64393 25.6 215000 171217 10.6
<9928> ミロク情報 6.5 1363 1280 9.7 4400 4010 32.3
<4919> ミルボン 6.2 1518 1430 7.8 5100 4733 36.7
※ 2016年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース