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【特集】冬のイナズマ! 中小型株シフトで狙う特選「電撃上昇候補」10銘柄 <株探トップ特集>

木村化 <日足> 「株探」多機能チャートより

―日経平均上昇一段落で再びの“中小型株上昇ステージ”、年末大回転目指す厳選材料株リストアップ―

 東京株式市場は引き続き値動きの荒いハイボラティリティ相場が継続しているが、ひと頃の強気一辺倒の“超ブル相場”は鳴りを潜め、下値に対する警戒感も意識されるようになっている。前週(11月13~17日)に日経平均は10週ぶりに週間ベースで下落した。振り返って10月、2日新甫でスタートした下期相場は出足から強烈な上昇波動を描いたが、前週の週足陰線で問答無用の上げ潮ムードが一巡したことを示唆している。

●大勢波動に変化なし、再び中小型株の幕が開く

 しかし、押し目買いニーズは強く、東京市場は強弱感が良い形でバランスされている。総選挙を経て安倍首相の求心力が高まり、企業の4-9月期決算も絶好調で通過、この政治・経済両面でのプラス材料に世界的な株高の恩恵が加わり、海外投資家が一気に日本株に資金を投下したことが、日経平均が約26年ぶりの高値圏まで上値を伸ばした背景にある。その後は乱気流に遭遇したが、大勢波動自体に変化はない。今は全般底上げ局面における主力大型株を主役とする宴が終わり、再び中小型株のステージが幕を開けようとしている。

 師走を前に俄かに気温が低下、枯れ葉ともに寒さを引き連れ舞い降りてくる北風が冬の本格到来を告げている。年の瀬が意識され始めたこの時期に、株式市場では年内ひと回転の思惑が漂う。しかし、ここは敢えてひと回転とはいわず“大回転”を目指す材料株候補を厳選した。別掲の10銘柄は要注目となる。

【藤田エンジは半導体・IoT関連の切り口も】

 藤田エンジニアリング <1770> [JQ]は10月11日配信の株探トップ特集「祝・アベノミクス高値更新、大相場前夜『特選ワケあり10銘柄』」で取り上げた銘柄。翌日(10月12日)に急騰した後いったん下値を探ったが、好実態評価で11月中旬以降一気に上げ足を加速している。時価はPER8倍、PBR0.8倍前後と指標面から割安感が強く、一段の水準訂正が期待できる。ビルや産業設備メンテナンスに強みを持つ総合設備工事会社で半導体設備投資関連の切り口でも注目。IoT分野にも戦略的に取り組んでいる。潜在的な売り玉が乏しく上値が軽い。
(急騰性=4 中期的上値余地=4)

【少子高齢化で時代の要請に応えるツクイ】

 ツクイ <2398> は少子高齢化社会の到来を背景に、今回挙げた銘柄の中である意味もっとも時代の要請に応えた企業といえるかもしれない。介護専門の人材サービスを展開し、訪問介護や入浴などの在宅介護を主力としている。事業子会社のツクイスタッフは介護と医療に特化した転職支援サービスを提供する。デイサービスが好調で収益は成長軌道に乗っている。17年3月期の営業27%増益に続き、18年3月期も35%増益の51億4200万円を計画。上期進捗率から一段の上乗せも視野に入る。
(急騰性=3 中期的上値余地=5)

【日本和装は東京五輪に向けインバウンド特需期待】

 日本和装ホールディングス <2499> [東証2]は11月相場入り早々にマドを開けて急騰。これは好決算発表を受けたもの。その後11月2日に390円で高値をつけた後調整を入れたが、押し目を丹念に拾われ綺麗な形で切り返してきた。株価の瞬発力は証明済みで当面は390円の高値を払拭して400円台突入を窺う。17年12月期営業利益は期初から2度にわたる上方修正で前期比4割増の4億5000万円を見込む。テレビコマーシャルで木村拓哉や米倉涼子を採用してイメージアップ戦略が奏功。東京五輪に向け日本の着物の魅力を世界にアピールする流れとなれば、インバウンド関連の一角としても注目され、一段と株価の居どころを変えそうだ。
(急騰性=4 中期的上値余地=3)

【民泊で新境地のディアライフは新高値圏快走】

 ディア・ライフ <3245> も同じくインバウンド関連の側面を持っている。同社は投資用マンションの開発や不動産ファンドの運営、人材サービスなどを展開する。表向きは不動産流動化関連だが、新たに民泊関連として頭角を現しつつある。複数の民泊事業会社と協業しており、渡航券から宿泊までを一本化して対応できる強みを前面に押し出して業容を拡大していく計画。13週移動平均線を足場に大きく上放れ年初来高値圏を走る展開、ここは追撃で面白い。
(急騰性=3 中期的上値余地=4)

【業務スーパー好調で株価6000円指向の神戸物】

 神戸物産 <3038> は「業務スーパー」を展開し、近年は既存店の売り上げ拡大で利益も目を見張る伸びを示している。17年10月期営業利益は前の期比74%増益と高変化をみせたが、18年10月期も出店エリア拡大で2ケタ成長が有望、会社側が計画する138億円(前期比17%増)は第3四半期時点の進捗率を考慮すればさらに上乗せされる目もある。8月21日の年初来高値5940円は早晩上抜き6000円台活躍へと歩を進める可能性がある。
(急騰性=4 中期的上値余地=3)

【一六堂はインバウンド和食ブームが意外高誘導】

 一六堂 <3366> は内需の外食関連として意外高の可能性を内包する。「天地旬鮮 八吉」や「ORIENTAL DINING 五大陸」などを主力にさまざまな業態の店舗を展開するが、顧客ニーズを捉えて業績は好調だ。買参権を取得していることで漁港での直接買い付けを行える点が強み。外国人観光客を和食ブームで捉える可能性があり、同社もまたインバウンド関連として追い風を受ける。11月1日につけた年初来高値498円を本日クリアして13年10月以来約4年ぶりの500円台乗せを果たした。時価は長期波動からも上昇転換の分水嶺をまたいだといえる。
(急騰性=2 中期的上値余地=4)

【マンション強度化のテーマでネツレンを見直し】

 高周波熱錬 <5976> は鋼材に焼きを入れる高周波熱処理技術の大手。プレストレストコンクリートのプレストレス導入に用いられる高強度の鋼棒(PC鋼棒)で断トツの強みを持つ。東京五輪関連の特需が収益を支え、今、来期と増益が続く見通し。また、独自の焼き入れ技術で建築に使う鉄筋を強度化する手法を開発しており、マンションの高強度化で今後テーマ買いの対象に浮上する可能性がある。11月8日に1319円の高値をつけた後調整、時価は13週移動平均線に接触する水準で買い場を提供している。
(急騰性=2 中期的上値余地=4)

【浜井産は半導体関連の低位株として魅力満載】

 浜井産業 <6131> [東証2]は低位の半導体設備投資関連として注目が高まっており、売買高も増勢で次第に大相場の匂いを漂わせてきた。今年秋口まで約2年間にわたり120円未満で底値圏往来を続けていたが、満を持して浮上気配。2014年9月には300円近くまで上値を出した実績がある。背景には世界的に極めて旺盛な半導体設備投資需要があり、シリコンウエハーなどの半導体部材を平面加工する同社のラップ盤が好調に売り上げを伸ばしている。また、中国ではロボット用減速機向けなどでフライス盤などの受注が好調、習近平1強体制構築で注目される中国関連の切り口でも人気化素地がある。
(急騰性=3 中期的上値余地=3)

【大幅増額を契機に急騰DNA開花する木村化】

 木村化工機 <6378> はオールドファンならお馴染みの材料株で、07年に300円弱だった株価を半年余りで1950円まで大化けさせた“急騰DNA”を持つ。化学プラントを主力とし、とりわけ原発関連として他社と一線を画す存在感を有する。11月13日に発表した4-9月期決算が好調で、18年3月期の営業利益を従来予想の8億7000万円から12億円に大幅上方修正、これが物色人気に火をつけた。国内政治は先の総選挙で安倍1強体制が構築され原発再稼働の流れが意識されるなか、今後2~3年内に稼働中の国内原発は10基強に増えるとの見方もあり、同社株を刺激する環境にある。
(急騰性=5 中期的上値余地=3)

【日アビオは対北朝鮮ミサイル関連で急浮上】

 日本アビオニクス <6946> [東証2]は北朝鮮を巡る地政学リスクが依然としてくすぶっており、防衛関連株としての位置づけで急速に出直る可能性が出てきた。NEC系の防衛・産業用機器メーカーで、防衛省向けシステムで高実績を誇る。その防衛省が、地上攻撃可能な巡航ミサイル開発に着手する計画にあることが直近メディアを通じて報じられている。同社は今から約半世紀前の1960年代に地対空誘導弾用の戦闘指揮システムを製造するなど、その技術力と信頼には不動のものがある。このほか、地対空誘導弾ペトリオット構成品を納入するなどミサイル関連では一頭地を抜いている。
(急騰性=4 中期的上値余地=3)

◇冬のイナズマ! 選りすぐり電撃上昇株10銘柄◇

銘柄 <コード>        急騰性    中期的上値余地
藤田エンジ <1770> [JQ]  ☆☆☆☆   ◆◆◆◆
ツクイ <2398>        ☆☆☆    ◆◆◆◆◆
日本和装 <2499> [東証2]  ☆☆☆☆   ◆◆◆
ディアライフ <3245>     ☆☆☆    ◆◆◆◆
神戸物産 <3038>       ☆☆☆☆   ◆◆◆

一六堂 <3366>        ☆☆     ◆◆◆◆
ネツレン <5976>       ☆☆     ◆◆◆◆
浜井産 <6131> [東証2]   ☆☆☆    ◆◆◆
木村化 <6378>        ☆☆☆☆☆  ◆◆◆
日本アビオ <6946> [東証2] ☆☆☆☆   ◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい。

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