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【市況】国内株式市場見通し:一気に年末ムード、米アップルの「iPhone X」、任天堂の「スイッチ」に関心

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は下落。週間ベースでは10週ぶりの下げとなった。9日の23000円回復、その後の乱高下から目先ピーク感が高まるなか、米株安の流れも嫌気され、利益確定の流れが続いた。15日には昨年4月25日から5月6日以来となる6営業日続落に。もっと、25日線辺りまでの調整が想定されていたこともあり、16日には同線からの自律反発をみせると、週末には一時400円を超える上昇で22500円を回復する場面もみられた。その後は一時下げに転じる場面もあるなど、値動きの荒さが目立っていた。

週末の日経平均は荒い値動きとはなったが、辛うじて5日線を上回って取引を終えている。16日の一時22000円割れから、週末17日の高値までで800円近くの上昇となっており、短期筋の利食いも出やすいところであろう。目先ピークをつけた9日の荒い値動きの場面でも日中値幅が800円を超えていたこともあり、こういった需給変動を交えての相場展開が続きそうである。とはいえ一先ず5日線はクリアしている。週末の米国市場の下落影響から週初は利食い優勢の相場展開になりそうだが、5日線が支持線として機能するかを見極めたいところ。

11月第2週(6日-10日)の投資部門別売買動向では海外投資家による日本の現物株と先物合計の売買は、909億円の売り越し(前週は1561億円の買い越し)となった。現物株は670億円(同528億円)と7週連続で買い越しているが、合算では9週ぶりの売り越しだった。9日の乱高下の局面で想定はされていたと考えられるが、これまでのインデックス買いに伴う主力大型株主導の上昇には変化がみられるだろう。もっとも、相場のけん引役だった主力処には利益確定も出やすく、売り買いが交錯しやすいだろうが、先高観が後退した訳ではなく、センチメントの悪化にはつながらないと考えられる。それ故に中小型株へシフトしやすい。

また、米国では23日が感謝祭で休場となり、翌24日が「ブラックフライデー」となって一気に年末商戦へのムードが高まろう。日本も23日は勤労感謝の日の祝日となるため、週を通じて商いが膨らみづらい需給状況になりそうである。そのため、インデックスに絡んだ主力処の売買が減少し、物色は個人主体による中小型株にシフトしやすいと考えられる。年末商戦への思惑から消費関連への物色が意識されそうだが、同関連の勝ち組としては、米アップルの「iPhone X」、任天堂の「スイッチ」とされるなか、半導体関連やゲーム関連などへの物色に向かうかが注目されよう。決算が通過したことから、一気に年末ムードが高まりやすく、年末高を意識した材料株物色も活発となりそうだ。12月に向けてIPOが増えてくることもあり、中小型株へシフトしやすい需給状況になるだろう。

《SK》

 提供:フィスコ

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