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【市況】新興市場見通し:中小型株へ短期の値幅取り狙いの物色、IPOではサインポスト

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、日経平均に連れてマザーズ指数、日経ジャスダック平均も荒い値動きとなった。日経平均は目先のピーク感から11月13日、15日に300円以上の大幅安となり、中小型株にもリスク回避の売りが広がった。ただ、週後半に入り日経平均が反発を見せると、投資家心理の改善を背景に新興市場でも買い戻しや押し目買いが入った。週末にはバイオ株が買われ、マザーズ指数は比較的堅調な動きを見せた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.3%であったのに対して、マザーズ指数は-0.9%、日経ジャスダック平均は-0.8%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で7.7%安、サイバーダイン<7779>が同1.5%安、PKSHA Technology<3993>が同13.1%安となったが、バイオ株のそーせいグループ<4565>は同8.5%高、サンバイオ<4592>は同14.6%高と堅調だった。売買代金上位では、好業績の中村超硬<6166>や増配の串カツ田中<3547>などが大きく買われ、個別材料を手掛かりとした物色は活発だった。また、Orchestra Holdings<6533>や力の源HD<3561>が週間のマザーズ上昇率上位となった。反面、直近人気だったフィル・カンパニー<3267>は信用規制実施もあって利益確定売りに押され、今期減益見通しのフリークアウト・HD<6094>が下落率トップだった。ジャスダック主力は高安まちまちだが、セリア<2782>が同2.0%高と堅調で、UTグループ<2146>は連日の上場来高値更新となった。売買代金上位では、新型プロセッサーの共同開発が伝わったアバールデータ<6918>や、業績上方修正のメイコー<6787>が人気化した。また、麻生フオームクリート<1730>やムトー精工<7927>が週間のジャスダック上昇率上位だった。一方、ビーマップ<4316>は利益確定売り優勢で、上期が減益だったパピレス<3641>が下落率トップとなった。IPOでは、11月15日上場のシー・エス・ランバー<7808>が公開価格を8割強上回る堅調な初値を付けた。

今週の新興市場では、引き続き日経平均の乱高下が警戒されやすいところだが、短期の値幅取りを狙った個別材料株物色は活発となるだろう。7-9月期の決算発表が一巡し、個人投資家を中心に値動きの軽い中小型株へと資金が向かいやすい。ただ、11月最終週からは12月IPOのブックビルディングが本格的にスタートするため、それまでの幕間つなぎ的な物色になるとみられる。

マザーズではSHIFT<3697>が一部証券会社によるレーティング引き上げを受けて値を飛ばしているが、決算発表が一巡して引き続き評価見直しの動きが出てくるだろう。また、米国では11月23日に感謝祭、翌24日にブラックフライデーを迎える。ゲーム機「Nintendo Switch」やスマートフォン「iPhone X」、AI(人工知能)スピーカーなどが人気商品になるとみられ、シライ電子工業<6658>などが関連銘柄との位置付けから関心を集める可能性がある。

IPO関連では、11月21日にサインポスト<3996>がマザーズへ新規上場する。IPOで人気となりやすいマザーズ上場のIT関連企業であり、AI搭載レジスターの今後の展開に期待する声も多い。公開規模が小さいこともあり、初値を大きく飛ばしそうだ。なお、先週はジーニー<6562>(12月18日、マザーズ)など9社の新規上場が発表されている。12月のIPO件数は計20社となった。

《HK》

 提供:フィスコ

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