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【特集】衆院選・与党大勝で「安定の日本」に世界の評価、上昇相場“本番”はこれから(下) <三編集長座談会>

山岡和雅(外国為替担当編集長)、中村潤一(株式担当編集長)、森成俊(商品先物担当編集長)

―株式・為替・コモディティ3人のスペシャリストが語る衆院選後のマーケットの行方―

 株式投資サイト「株探」「みんなの株式」、外国為替情報サイト「KlugFX」を中心にマーケット情報、分析記事を日々配信するminkabu PRESS編集部。その株式、為替、コモディティ各分野のベテラン編集長3人が、衆院選後に連騰記録更新を重ねた日本株、レンジブレイクがみえてきたドル円、明暗分かれる銅と金相場など、投資家なら誰もが気になるマーケットの行方を読み解く。編集長座談会を締めくくる3日目の今回は、CXのスペシャリストである森成俊編集長の相場分析をお届けする。(10月23日の対談を掲載)

【出席者】
中村潤一(株式担当編集長)、山岡和雅(外国為替担当編集長)、森成俊(商品先物担当編集長)


●商品先物(FX) 中国実需で非鉄堅調も、金は正念場で銅と明暗

――商品市況では銅が上がり続けています。

森(商品先物担当編集長)  全体的に非鉄関連は堅調で、銅は先週、LME(ロンドン金属取引所)で7,000ドルを超え、3年3ヵ月ぶりの水準に並びました。原油も来年3月に一旦終了する減産が、来年一杯は延長されるとの見方が広がり堅調に推移しています。

 ただ、金はドルと逆相関性があり、ドルが上昇すれば金は下落してしまいます。13日に1,300ドルに乗せましたが、その後は腰が砕け、いまは1,270ドル台に落ちてきています。1,260ドル台にある支持線を割ってくると、年内はFOMCまで弱気継続かなという感じのチャートであり、いまは正念場といったところでしょう。

 あとアメリカのファンドの決算期の関係で、手仕舞い売りが出やすい時期というバックグラウンドもあります。例年、感謝祭前、今後1ヵ月くらいは要チェックといえます。ただし、今年に関してはファンドの解約はそれほどないのかなというのがいまの雰囲気でしょう。

――株では米国のファンドの決算期は要警戒ですが、商品でも同じですか。

森 そう、感謝祭の前とか11月上旬とか、農産品も含めて手仕舞いで急落することが結構あります。商品相場は当然、株式、為替相場とも連動しているので、株式市場で暴落があると、その穴埋めのために商品市場でも手仕舞い売りが出ます。もちろん、逆のケースも考えられます。そのマネーのリンク性に気をつけたいのがこの10月から11月なのです。

――非鉄関連が堅調とのことですが、実体経済面での裏付けもあるのでは

森 CRBインデックス(28品目で構成)は、9月から180ポイント台での推移が続いています。商品相場全体では横ばいなのですが、その中でも強い商品と弱い商品に分かれて、二極化が進んでいます。強いのは銅など非鉄関連、一方、弱いのは天然ゴムとか。銅は中国での需要が強いですね。日本のマンホールを剥がして売っぱらったりするとか、そんな話が出るくらい需要は強い(笑)。投機資金で上げているだけではないということでしょう。大豆も中国の需要が強いので下値は底堅いのです。

――目先正念場にあるという金ですが、長期的な見通しは?

 金相場は2001年から上昇局面が始まり、それが10年間続いた後、下降線を辿って大局的には下げ相場にあります。1,400~1,500ドルという相場は向こう5年くらいは巡ってこないのではないでしょうか。アメリカが金融引き締めに入っている局面(ドル高になりやすい)なので、地政学的なリスクがない限り、大きな相場はこないでしょう。

 どちらかというと、株式市場の方が妙味があると思います。10年サイクルで考えると2001年~2011年が金、そのあと金と重なる時期はあるけれど10年が株式相場。その後に何が来るかは「神ならぬ身ではしるよしもなし」――いまはまだわかりませんが、見えてきたらお教えします(笑)。

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