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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米FRB議長人事やECB理事会を見極め

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。米長期金利の上昇基調を手がかりにドル買いに振れやすい地合いが続く見通し。ただ、近く決定される米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事を前に、積極的なドル買いは手控えられそうだ。また、明日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会も意識され、ドルには売り圧力がかかりやすい面もある。

前日発表された米国の10月製造業PMIは予想よりも強い内容となり、製造業指標の好調維持が示された。今晩は9月耐久財受注速報値(21時半)、8月FHFA住宅価格指数(22時)、9月新築住宅販売件数(23時)が材料視される見通し。伸びがやや鈍化するとの予想が多いが、上振れも期待されよう。米国10年債利回りが2.40%を約5カ月ぶりに上回り、足元で高水準が続いていることもあり、ドル買い基調が続きそうだ。

また、FRB議長人事に関し、スタンフォード大学のテーラー教授に共和党有力議員からの支持が広がっているもようで、タカ派寄りの議長就任の思惑が米長期金利を押し上げ、ドル買いを支えるだろう。ただし、議長人事に関するトランプ大統領の最終判断は数日中とみられ、積極的なドル買いは手控えられる可能性がある。加えて、ドル・円は大方の市場参加者が想定するレンジ110-115円の上限に近づくにつれ売り圧力が強まると予想され、114円台でのドルの上昇ペースは鈍くなるだろう。

一方、ECBは26日の理事会で、来年以降の資産買い入れプログラム縮小を決定する見通し。それに向けてユーロ買いが入りやすい地合いは変わらず、ユーロ・ドルは1.17ドル台で底堅い値動きが続くだろう。その影響で、ドル・円にはある程度ドル売り圧力がかかりやすい展開も予想される。さらに、トランプ政策の柱である税制改革について、なお党内調整を必要としている点も、ドル買いを弱める要因となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 独・10月IFO企業景況感指数(予想:115.1、9月:115.2)
・17:30 英・7-9月期GDP速報値(前年比予想:+1.5%、4-6月期:+1.5%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+3.6%)
・21:00 南ア財務相が予算演説
・21:30 米・9月耐久財受注速報値(前月比予想:+1.0%、8月:+2.0%)
・22:00 米・8月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.4%、7月:+0.2%)
・23:00 カナダ中銀が政策金利発表(1.00%に据え置き予想)
・23:00 米・9月新築住宅販売件数(予想:55.4万戸、8月:56.0万戸)
・02:00 米財務省5年債入札(340億ドル)

《CS》

 提供:フィスコ

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