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【市況】国内株式市場見通し:衆院選を受けた15連騰後は、決算本格化で中小型株へのシフトも

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。前々週からの連騰記録を更新するなか、週末には1960年12月21日から1961年1月11日にかけての最長記録となる14連騰に並んだ。中国の景気減速やスペインの政情不安への警戒感などが重石になる局面もみられたが、米国市場では連日でNYダウなど主要指数が最高値を更新したほか、国内では衆院選を控え、与党優勢との情勢が伝えられるなか、アベノミクス加速や長期安定政権を期待した海外勢による資金流入が観測された。一方で、インデックス中心の売買のなか、個人主体の中小型株などは高安まちまちとなり、結果、日経平均が記録的な上昇を続けるものの、主力大型株以外については、不安定な相場展開となった。

今週は衆院選の結果を受けた政策期待が改めて高まる可能性がありそうだ。予想通りに与党勝利となれば、アベノミクス加速へのご祝儀相場からの上昇も見込まれ、日経平均は15連騰という新記録が意識されよう。よりセンチメントが高まりやすく、先高観が強まることになろう。もっとも、20日の米国市場では米上院が2018会計年度予算の大枠となる予算決議案を51対49の僅差で可決。トランプ政権が目指す大型減税の議会審議が本格化するとの見方からNYダウなど主要な株価指数は高値を更新しており、シカゴ先物は21500円を突破している。

また、需給面では10 月第2週の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は現物を3週連続で買い越し、先物も2週連続で買い越している。10月3週についても、日経平均が連日で年初来高値を更新するなか、海外投資家の買いは続いた可能性が高い。世界的な景気回復は持続、しかも加速している。成長が不安定で金融市場が混乱していた2016年初めの世界経済とは、状況が様変わりしている。循環的回復基調の加速が、欧州、中国、日本、米国、およびアジア新興国の経済を押し上げるなか、相対的に出遅れている日本市場への資金流入が今後も継続する可能性が高いだろう。日経平均は短期的には過熱感が警戒されるものの、海外勢の継続的な資金流入による指数押し上げのため、資金が向かっている主力大型株主導の相場展開が続きやすい。一方、10 月第2週の個人投資家は総合で売り越しである。上昇局面で利益確定を進めている状況といったところであろう。市場シェア6割を超える海外投資家による実需での上昇のため、過熱感に対してそれ程気にすることはなさそうだ。

とはいえ、日経平均の15連騰でいったんは達成感が意識されやすいほか、今週は決算発表が本格化する。そのため、決算内容を見極めたいとの流れから、本来であれば次第に様子見ムードが強まりやすい。まずは23日の安川電機<6506>、24日の日本電産<6594>の決算評価、その後の市場反応を見極めたいところである。この流れが、その後発表される企業の決算期待となって、相場の押し上げ要因になるかが注目されるところであろう。

その他、米国ではアルファベット、アマゾンといったFANG銘柄の決算が予定されている。再評価の流れとなれば、日本のハイテク株への刺激材料になるとみられる。一方で日経平均が達成感からこう着感を強めたとしても、先高感は根強いなかで物色意欲が強い。主力大型株への一巡感がみられるようだと、相対的に出遅れている中小型株へ資金の広がりが意識されそうだ。しばらくは海外投資家による資金流入の変化、および主力大型株から中小型株へのシフトがみられるかを見極めたいところである。日経平均の歴史的な上昇のなか、個人主体の中小型株については、出遅れ感が相当強まっている状況である。

その他、経済スケジュールでは、24日にユーロ圏総合PMI、ユーロ圏製造業PMI、25日に米耐久財受注、米新築住宅販売件数、独Ifo景況感指数、英7-9月GDP速報値、26日に米中古住宅販売成約指数、ECB理事会、27日に米7-9月GDP速報値、米ミシガン大学消費者マインド指数、中国工業利益が予定されている。その他イベントでは、25日から東京モーターショーが開幕する。

《FA》

 提供:フィスコ

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