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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:衆院選公示、朝鮮労働党創立記念日、FOMC議事録

石川製 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限20900-下限20450円

来週は米雇用統計が通過するほか、中国市場が休場明けとなり、アク抜けから物色が強まる可能性がありそうだ。9月の米雇用統計については、ハリケーンの影響で就業者数が7年ぶりに減少した。一方で失業率は4.2%と2001年初め以来の低水準をつけ、労働参加率は前月の62.2%から62.6%へ上昇した。これほど力強い労働市場と安定的な経済成長は消費者物価の上昇を加速させるとみられ、連邦準備制度理事会(FRB)は年内の追加利上げ路線を維持する公算が大きい。

中国については、休場中に香港ハンセン指数が約10年ぶりの高値をつけた他、上場している中国企業のうち、中国本土で登記している企業の株式を表している香港H株指数が高値を更新しており、国慶節による休場明けの中国市場の上昇が意識されそうだ。休場中には商品相場も低迷していたこともあり、中国関連のほか市況関連への関心も高まりそうである。

一方で、北朝鮮情勢が重しになろう。金正恩朝鮮労働党委員長は先月下旬、声明を発表し、「史上最高の超強硬な対応措置」に言及した。連休明けとなる10日の朝鮮労働党の創立記念日に合わせて新たな軍事挑発に出るのではないかと各国が警戒している。これを無事に通過してくるようだと、いったんは安心感につながる可能性がある。しかし、中国による圧力強化の動きに反発して挑発に出る可能性から、中国共産党大会が開幕する18日前後を警戒する見方などもあり、積極的な上値追いは慎重にさせそうだ。足元で石川製作<6208>など防衛関連銘柄が動意付いており、思惑も高まりやすく、有事への警戒などが個人主体の中小型株への売買を手控えさせる一因にもなる。

また、国内では衆院解散後、突如吹き荒れた小池旋風の煽りを受けてか、自民党の単独過半数割れを指摘する予想が続出している。今回の日本株がリバウンド基調を強めた一因としては海外ファンドによる買いの影響が大きいが、タイミング的には内閣支持率が上昇したことが背景にあった。衆院選に向けた世論調査で安倍政権が危うくなるようだと、政治リスクが高まり、海外ファンドによる日本株買いの動きにも変化が見られる展開がありそうだ。

一部報道では小池氏の支持率が急落したと伝えられているが、それでも7割超の高水準である。その他、小池氏が最終兵器として、小泉進次郎氏を自民党から一本釣りするとの憶測等も流れており、10日の衆議院選挙公示により、各党の候補者擁立や公約作成などを見極めたいところであろう。政策に関連した物色が強まる可能性のほか、与党過半数割れへの警戒感が強まるようだと、消費増税延期から日本の格下げリスクが警戒されようが、希望の党の企業の内部留保への課税について評価する向きもあるため、市場の反応を見極める必要がありそうだ。とはいえ、政治停滞リスクから、慎重姿勢は崩せないだろう。日経平均は年初来高値更新から2015年8月高値突破が射程に入っているが、インデックスに絡んだ商いを除くと、神経質な相場展開といったところか。




■為替市場見通し

来週のドル・円はやや底堅い動きとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が前回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で示した金利正常化に前向きな姿勢は、11日に公表される議事要旨で改めて注目されそうだ。米企業景況感の改善や平均時給の上昇などを背景に年内の米追加利上げ期待はさらに高まる見通し。

9月米ISM製造業景気指数の改善や9月の米平均時間給の伸び率が2.9%に達したことなど、足元の米経済指標は堅調な内容が目立つ。13日発表の9月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+1.8%で8月実績の同+1.7%を上回ると予想されている。全体の指数は前年比+2.3%で8月実績の+1.9%を上回る公算が大きい。市場予想と一致した場合、年内追加利上げを期待したドル買いが優勢となりそうだ。

ただし、地政学リスクへの警戒感は消えていないことから、北朝鮮情勢の緊迫化はリスク選好的なドル買い・円売りを抑制する要因となる。


■来週の注目スケジュール

10月 9日(月):中財新総合PMI、ノーベル経済学賞、ユーロ圏財務相会合など
10月10日(火):国際収支、景気ウォッチャー調査、衆院選公示、独貿易収支など
10月11日(水):機械受注、工作機械受注、FOMC議事録、7中総会など
10月12日(木):国内企業物価、都心オフィス空室率、ユーロ圏鉱工業生産指数など
10月13日(金):米小売売上高、米ミシガン大学消費者信頼感指数など

《TM》

 提供:フィスコ

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