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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「順調だが、出来過ぎにも注意」

株式評論家 富田隆弥

◆10月に入ると日経平均株価はもみ合いを上放れ、5日現在4連騰で2万0628円引けとなり、2年前に付けた2万0952円高値も視野に入ってきた。日足チャートは9月21高値2万0481円を上抜き「二段上げ」となり、目先上値メドとして2V値2万0727円、N値2万1455円が算出され、2年前の高値突破も十分可能だろう。ちなみに、2年前の高値2万0952円を抜くと、次は「1996年(高値2万2750円)以来、21年ぶり高値」となる。

◆堅調相場の背景には「解散&選挙」がある。解散が報じられてから日経平均先物はショートカバー(買い戻し)が加速、それが日経平均を押し上げ上げたとも言える。ただ、大きな要因はやはりNYダウ平均の最高値更新だろう(4日終値2万2661ドル)。それが欧州、アジア、新興国など「世界同時株高」を牽引している。

◆米国は9月ISM製造業指数(60.8)が13年ぶり、非製造業指数(59.8)が12年ぶりとなる高水準で、9月新車販売(前年比+4.8%)も9ヵ月ぶりプラスになるなど好景気を本格化させている。こうなると企業業績への期待も膨らみ、それがまたNYダウなど米国株を押し上げる要因になっている。

◆同時株高により潤沢な投資マネーは高パフォーマンスな成果を享受し、それが「買うから上がる、上がるから買う」というマネーの好循環を生みだす。NYダウの堅調が続くうちは外国人の日本株買いも続くことから、日経平均が「21年ぶり高値」となることも十分に想定される。

◆ただし、景気も需給も良好で株価が華々しく上げるとあれば、「雲一つない快晴」が逆に過熱信号になることもイメージしておきたい。NYダウはリーマンショック後の安値から8年半を経過、チャートは日足、週足、月足とも高値警戒を漂わす。上昇基調にあるうちは問題ないが、基調を崩すような調整を入れた場合は過熱に対する「反動」が要注意となる。NYダウ、日経平均とも目先的な下値ポイントとして「転換線」(9日間の高安の平均値)を注視しておきたい。

(10月5日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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