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【市況】明日の株式相場見通し=米株と為替動向が左右、相場の潮流は上向きに変化

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 明日(20日)の東京株式市場は、引き続き買い意欲の強い展開となりそうだ。日経平均が大幅続伸した後だけに目先筋の利益確定売りも予想されるが、相場の流れに変化が出ており、これまで封印されていた海外投資家の実需買いも想定されるなかで上値追い態勢が維持されそうだ。

 3連休明けとなった19日の東京株式市場は、前日の米国株市場でNYダウが7日続伸と最高値街道を走り、外国為替市場で1ドル=111円台後半まで急速に円安が進行したこともあって、これをよりどころに投資マネーの流入が加速した。また、前週の段階ではほぼノーマークだった衆院解散・総選挙について、安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭で解散に踏み切る方針が伝わり、過去の経験則から選挙イコール株高のケースが想起され、上げ足を助長した面もある。日経平均は一時400円超の上昇で8月7日以来となる2万円大台での着地となり、東証1部の時価総額は613兆円強に膨らみ過去最高を記録した。

 では、果たしてこの流れが続くかどうかであるが、日経平均は超目先的にはマドを開けての上昇が続いていることでテクニカル的には売りに分がある。現実的には今晩の米国株市場と為替の動向に左右される部分が極めて大きい。ただし、全体の流れはリスクオンに変わっている。前週あたりから海外投資家の買いが観測されており、当初は短期でショートポジションを積み上げた向きの買い戻しが主流との見方だった。ところが19日の買い方は足の長い資金の組み入れを目的とした実需買いとの観測が出ており、マドを開けて“陽の丸坊主”に買われたトヨタ自動車<7203>の上値追いなどにその兆候を指摘する声も強い。

 8月以降、9月第1週まで続いた“外国人売り”が終焉して再び日本株買いの流れに移行しつつあるとすれば、今はまだ上昇相場の「序章」であろう。

 日程面で明日は、日銀の金融政策決定会合(~21日)、寄り前に8月の貿易統計、引け後に8月の訪日外客数の発表などを控える。IPO関連では、ジャスダックにニーズウェル<3992>が上場する。また、海外では米国でFOMCの結果が発表され、イエレンFRB議長の会見も予定されており市場の注目度が高い。このほか米8月の中古住宅販売件数の発表も予定されている。(中村潤一)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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