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【特集】アイエスビー Research Memo(1):中計の施策、足元の業績ともに順調に進捗。新しい商品・サービスの展開に期待

アイエスビー <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

アイ・エス・ビー<9702>は1970年創業の独立系情報サービス企業。高い技術力を売り物に、国内の携帯電話メーカー各社及び大手SI企業などを顧客として、幅広い分野でソフトウェアの開発やシステム構築などを行ってきた。

1. 2017年12月期第2四半期は期初予想に対して上振れで着地
同社の2017年12月期第2四半期決算は、売上高8,237百万円(前年同期比24.2%増)、営業利益385百万円(同123.5%増)と大幅増収増益で着地した。売上高はほぼ計画どおりだったが営業利益以下は上振れとなった。利益が上振れた理由は、研究開発や製品開発の投資が第3四半期以降の計上に後ずれしたことと、プロジェクト管理の強化による不採算プロジェクトの営業損失の縮小だ。

2. 2017年12月期は現行中期経営計画最終年。売上高・利益ともにほぼ計画の線で順調に進捗中
同社は今期を最終年度とする中期経営計画に取り組んでいる。1)ITサービス事業へのシフト、2)新規優良顧客の獲得、3)コスト競争力強化、4)グループの連携強化、の4つの経営施策に取り組んでいるが、いずれの項目でも今第2四半期までに明確な進捗がみられる。業績面でも、2017年12月期予想の売上高17,000百万円は中期経営計画と同じ水準となっている。営業利益680百万円は中期経営計画の850百万円よりも低くなっているが、買収に伴うのれん償却費用を戻したEBITDAは850百万円となり、中期経営計画の営業利益計画と同じ水準となる。収益力の面でも着実に向上しつつあると言える。

3. 2017年12月期通期は、実態面では利益上振れの可能性があるが先行投資も視野に
同社は2017年12月期通期について、売上高17,000百万円(前期比26.9%増)、営業利益680百万円(同124.7%増)と期初予想を維持している。計上がずれ込んだ研究開発や製品開発のための費用が下期には計画どおり計上されてくるとみていることがある。第2四半期の利益上振れの要因には費用先送りのみならずプロジェクト管理強化による収益性改善もある。この点は下期も継続するとみられるため、実態的には利益が計画を上回る可能性は十分ある。しかし、2017年12月期は中期経営計画最終年で2018年12月期からの新中期経営計画に向けて先行的に投資を増やす可能性もあると考えられる。現時点では会社予想の線での着地を想定しておく方が堅実と言えるだろう。

■Key Points
・「新事業」がセキュリティシステム事業により大幅増収。従来からの各種新事業も着実に伸長
・Qt関連業務が新規顧客獲得のけん引役
・プロジェクトマネジメント能力の強化で、不採算プロジェクトの赤字額が大きく減少

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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