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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

田中化研 <日足> 「株探」多機能チャートより

■田中化研 <4080>  1,736円 (+118円、+7.3%)

 田中化学研究所 <4080> [JQ]、ニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]、ステラ ケミファ <4109> が急伸。リチウムイオン電池関連株が総蜂起状態に買われた。そのなか、田中化研はリチウム電池の心臓部ともいえる正極材を手掛け、高度紙は正極材と負極材が直接接触させないためのセパレーターを生産、またステラケミファはセパレーターの隙間を満たす電解液を手掛けており、いずれも関連有力株の一角として投機資金の攻勢が続いている。このほか、古河電池 <6937> 、ダブル・スコープ <6619> 、新日本電工 <5563> なども高い。

■アカツキ <3932>  10,220円 (+620円、+6.5%)

 アカツキ <3932> [東証M]が4日ぶり急反発。30日、同社がブシロードと共同開発中のスマートフォン向けゲーム「新テニスの王子様 RisingBeat(ライジングビート)」の事前登録者数が15万人を突破したと発表しており、これを好材料視する買いが向かった。同タイトルは、テニプリゲーム史上初のキャラクターソングを用いたリズムアクションゲーム。年内のサービス開始を予定している。併せて、バンダイナムコエンターテインメントとの共同開発タイトル「アイドルマスター SideM LIVE ON ST@GE!」の配信を開始したことも明らかにしている。

■IMV <7760>  595円 (+35円、+6.3%)

 IMV <7760> が急反発。同社株の600円台復帰は2015年8月下旬以来ちょうど2年ぶりとなる。計測器や試験装置などを中心に振動関連装置を手掛けるが、自動車向けが好調で収益に貢献しており、今9月期は経常利益段階で26%増益を会社側では予想、業績回復局面にある。現在、フル稼働体制にある上野原サイト・高度試験センターでは、リチウム電池など車載電池の試験を実施し、充電状態での加振試験・衝撃試験や温度サイクルといった新分野に対応している。投機資金の攻勢が続いているがROE12%台と高く、PERなどの株価指標面でも割高感はない。

■JFE <5411>  2,172円 (+72円、+3.4%)

 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> が続伸。大和証券は30日、同社株の投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」へ引き上げた。目標株価は2370円から3150円に見直した。前年度下期から取り組む販売価格引き上げが進捗し、第1四半期(4-6月)の実質経常利益は2年ぶりに400億円台を回復。「足もとの輸出マージンが継続すれば会社計画比で一定の上ブレ要因」として、18年3月通期の経常利益は前期比2.6倍の2200億円と会社計画(2000億円)に対する増額を予想。6月末の1株当たり純資産(BPS)である3262円を考慮し、PBR1倍を視野に入れている。

■鳥貴族 <3193>  2,835円 (+81円、+2.9%)

 鳥貴族 <3193> が反発。30日の取引終了後、ひふみ投信などの運用を手掛けるレオス・キャピタルワークス(東京都千代田区)が大量保有報告書(変更報告書)を提出し、保有比率が直前の11.31%から12.33%に上昇したことが明らかになったことから、需給面での思惑が働いたようだ。なお、保有目的は純投資で、報告義務発生日は8月24日としている。

■富士フイルム <4901>  4,322円 (+95円、+2.3%)

 富士フイルムホールディングス <4901> が続伸。30日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の3.7%にあたる1600万株(金額で500億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月15日から18年3月30日まで。同時に20年3月期に売上高2兆6000億円(17年3月期実績は2兆3221億円)、営業利益2300億円(同1722億円)を目標とする中期経営計画を策定したことも支援材料となった。

■冶金工 <5480>  235円 (+5円、+2.2%)

 日本冶金工業 <5480> が3日続伸。30日の取引終了後、5月に火災事故が発生した川崎製造所熱延工場について、全面操業再開を従来10月中旬としていたが、9月下旬に前倒しすると発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。発災部位を特定し、消防当局に火災発生に関わる改善報告書および完了報告書が受理されたほか、再発防止策として同製造所熱延工場電気室の対策を行ったことや、全工場への展開などを推進することから操業再開を前倒しするとしている。

■三菱UFJ <8306>  674.1円 (+13.6円、+2.1%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が続伸。米長期金利の低下に連動するかたちで8月初旬から大きく株価水準を切り下げていた。30日は米10年債利回りが終値ベースで4日ぶりに上昇に転じ、米国株市場でもゴールドマン・サックスなど大手金融株が総じて買われ全体株指数の上昇を牽引した。これを受け東京市場でも、ここ最近の株価下落で一段と低PBRや高配当利回りが目立っていたメガバンクは出遅れ修正狙いの買いが流入した。

■豊田通商 <8015>  3,385円 (+50円、+1.5%)

 豊田通商 <8015> が続伸。同社は30日、シンガポールの配車アプリ大手、グラブに出資したことを明らかにした。今回の出資は、東南アジア地域で新たなモビリティーサービス領域での協業を推進することが主な目的。コネクテッドやフリート車両の供給、保険などの領域で今後、具体的な協業内容を検討するとしている。なお、トヨタ自動車 <7203> も同日、グラブと東南アジア地域において配車サービスで協業を開始したと発表している。

■コマツ <6301>  2,975円 (+32円、+1.1%)

 中国関連株が堅調。コマツ <6301> や日立建機 <6305> 、ファナック <6954> 、ダイキン工業 <6367> といった銘柄が買われた。中国国家統計局が発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と7月に比べ0.3ポイント上昇し、市場予想(51.3)を上回ったことが好感された。

※31日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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