【特集】ミサイル通過も“下値頑強”、反攻相場に備える特選「三拍子」銘柄リスト <株探トップ特集>
明治機 <日足> 「株探」多機能チャートより
―日経平均下げ限定的で安心感、底上げ相場再来を待つ「割安・低位・好業績」株は―
29日の東京株式市場は、北朝鮮が早朝に弾道ミサイルを発射し、日本列島上空を通過して北海道襟裳岬東方の太平洋上に落下したことで、地政学リスクが高まり運用リスクを回避する売りが広がった。日経平均株価は一時、前日比約170円安まで売り込まれる場面があったものの、終値では前日比87円35銭安の1万9362円55銭まで下落幅を縮小した。こうした下値模索の地合いのなかでも、反転上昇相場に備えての銘柄選別は欠かせない。今回は底上げ上昇相場到来に向けて低位・好業績・割安の3拍子揃った銘柄を紹介する。
●日本和装HD、着付け教室に付随する販売会の好調が寄与
日本和装ホールディングス <2499> [東証2]は17年12月期の連結業績を、売上高51億円(前期比5.4%増)、経常利益3億2000万円(同28.0%増)と見込んでいる。きもの着付け教室に付随する販売会で、着物や和装小物の販売が好調な推移をみせている。子会社のはかた匠工芸で内製化が進み、着物など仕立加工品の納品点数が伸びていることも寄与する見通しだ。また、着付け教室では新規受講者数の増加が業績回復に貢献している。さらに、7月の訪日外客数が単月で過去最高を大幅更新するなど急増するなか、「着物」はインバウンド需要の期待できる分野でもあり追い風となりそうだ。
●アップル、タイ中心に東南アジアで多国間の貿易ルート開拓
東南アジア向け中古車輸出を柱としているアップルインターナショナル <2788> [東証2]は9日、17年12月期第2四半期累計(1-6月)連結決算を発表した。売上高70億4400万円(前年同期比2.4%増)、経常利益2億3900(同17.7%増)の大幅増益となった。自動車市場の拡大が引き続き見込まれるタイを中心に東南アジア諸国およびその周辺国において、メーカーブランドの商品によって多国間の貿易ルートを開拓し、高付加価値化を図ることにより自動車市場の流通の活性化と収益拡大に努めている。
●一六堂、ビジネス街への店舗展開推進で差別化図る
都内中心に居酒屋を展開する一六堂 <3366> の18年2月期の連結業績は、売上高92億7900万円(前期比1.6%増)、経常利益6億1200万円(同12.1%増)を見込んでいる。客単価5000円前後の「天地旬鮮 八吉」などの和食居酒屋業態を中心に、主として東京都内のビジネス街に店舗展開を進めており、同業他社とは一線を画した営業戦略で差別化を図っている。飲食事業については、優良立地にある既存店の収益力強化に注力。原価やアルバイト人件費のコントロールにより増益を確保している。商品卸売事業については、売買参加権で仕入れた青果などをメーンに、都内の飲食店を中心に顧客の拡大を目指す。
●明治機械、18年3月期通期は84%経常増益予想
製粉、飼料製造設備プラントトップの明治機械 <6334> [東証2]は7日、18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高9億8300万円(前年同期比53.6%増)と大幅伸長、経常損益は6100万円(前年同期5100万円の赤字)と黒字化した。産業機械関連事業では、飼料メーカーでコストダウンを目的とした工場集約などが活発化し、今後も継続するものとみられ、中小規模のプラント工事などを積極的に受注する。一方、新分野進出の取り組みとして、コンビニ・立ち食いチェーンのそば、同じく米粉などの需要が伸びており、各メーカーに対して各種の設備工事や、主力製品であるロール機などの提案を強化する方針だ。同社は18年3月期通期の連結業績予想で、売上高87億1200万円(前期比32.3%増)、経常利益7億2700万円(同84.6%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。
●キョウデン、プリント配線板好調などで経常利益はV字回復
キョウデン <6881> [東証2]が3日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高135億6600万円(前年同期比1.6%増)、経常利益6億4300万円(同4.3倍)と利益がV字回復している。車載向けなど中心にプリント配線基板が好調で収益を牽引している。同社の生産ラインはフル稼働状態にあり利益が高変化を示した。また、工業材料事業では、国内外景気の緩やかな回復を背景に硝子長繊維原料と耐火物、原料仕入れ販売の売り上げが前年同期を上回る水準で推移しているほか、公共事業・建設関連の需要の高まりにより、混和材の販売が好調に推移している。
●Br.HD、第1四半期の経常損益は大幅黒字転換
橋梁向けなどのプレストレストコンクリート工事を手掛けるビーアールホールディングス <1726> が9日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、経常損益が2億9900万円の黒字(前年同期は1400万円の赤字)の大幅な黒字転換となった。業態の特性から第4四半期に完成する工事の割合が大きいことを考えれば、第1四半期時点での黒字化は評価できる。建設事業では前期からの手持工事が順調に進捗しているほか、同期間の受注高も官公庁や高速道路会社などを中心に24億5800万円(前年同期比37.6%増)と伸長。第1四半期末の手持工事は約253億円(同32.9%増)に達している。
◆主な低位・好業績・割安銘柄◆
経常
銘柄 <コード> 増益率 株価 PER
JESCO <1434> [東証2] 64.8 454 9.6
住石HD <1514> 97.2 113 6.8
Br.HD <1726> 9.2 410 17.7
塩水糖 <2112> 19.3 249 8.7
日本和装HD <2499> 28.0 269 13.4
双日 <2768> 19.1 289 7.2
アップル <2788> [東証2] 40.8 331 8.0
日本コークス <3315> 2.5倍 102 14.0
一六堂 <3366> 12.1 400 12.2
TAC <4319> 12.7 278 11.7
TYK <5363> 24.7 343 11.8
新日本電工 <5563> 5.0倍 443 10.0
モリテック <5986> 25.2 319 13.2
明治機 <6334> [東証2] 84.6 482 10.7
星和電 <6748> [東証2] 11倍 416 9.1
キョウデン <6881> 10.8 443 14.7
ブレーキ <7238> 7.6倍 341 15.1
廣済堂 <7868> 13.7 350 14.5
スクロール <8005> 33.3 380 10.8
アプラス <8589> 37.4 107 16.3
丸運 <9067> 12.5 307 12.4
北沢産 <9930> 20.9 206 17.0
※株価は29日終値、単位:%、円、倍
株探ニュース