市場ニュース

戻る
 

【特集】八洲電機 Research Memo(2):減益の大きな要因である受注代理手数料の減少は一過性のもの

八洲電機 <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

八洲電機<3153>の2017年3月期は、売上高が75,662百万円(前期比3.4%減)、営業利益が1,554百万円(同17.7%減)、経常利益が1,687百万円(同16.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,007百万円(同44.3%減)となった。

同社のセグメントは、プラント事業、産業システム事業、社会インフラ事業、電子デバイス・コンポーネント事業の4つに大別される。2017年3月期は、プラント事業が前年度のエネルギー関連設備の大型更新案件を補えずセグメント営業利益は1,029百万円(前期比3.7%減)と減益に、また、産業システム事業は製薬・紙パルプ関連、空調設備関連が好調で増収となったが、連結子会社の外注費増によりセグメント営業利益は1,661百万円(同2.1%減)と減益を余儀なくされた。

社会インフラ事業は、運輸分野の売上高が堅調に推移したものの、公共分野は受注代理手数料の減少などによってセグメント営業利益は、792百万円(同17.1%減)と2ケタ減益となった。一方、電子デバイス・コンポーネント事業は、IoT関連製品の新規案件獲得などプラス材料があったものの、セグメント営業利益は279百万円(同0.8%減)と微減益となっている。

同社では、全体で2ケタ減益の大きな要因となった、受注代理手数料の減少は一過性のものとみているほか、年度末における工事の延伸については今期の収益にプラスに働くことから、2018年3月期の利益は回復に向かうとみている。売上高は76,300百万円(前期比0.8%増)と微増収ながら、営業利益は2,050百万円(同31.9%増)、経常利益は2,150百万円(同27.4%増)を想定。親会社株主に帰属する当期純利益は、土地譲渡による特別利益を計上する見込みであるため、1,830百万円(同81.6%増)と大幅な増益を予想している。

引き続き、東京オリンピック・パラリンピックに関わる案件が期待できる一方、首都圏の再開発需要は依然として根強く、これらに対応した受注活動を進める意向。なお、配当金については、前期に1円増配した年16円配を継続する方針を示している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均