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【特集】エネクス Research Memo(6):アスファルト事業とアドブルー事業の改善で増益を確保

エネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績の動向

5. エネルギーイノベーション部門
伊藤忠エネクス<8133>のエネルギーイノベーション部門の2017年3月期業績は、売上高361,361百万円(前期比9.4%減)、売上収益76,949百万円(同21.4%減)、営業利益3,924百万円(同4.0%増)、当期純利益2,644百万円(同5.2%増)と減収増益で着地した。

売上高は産業用燃料である重油の販売量が前期比9.1%減の2,642千キロリットルにとどまったほか、海外向けバンカーオイル(船舶燃料)も世界的な海運業界の低迷で大幅減収となり、部門全体で前期比9.4%の減収となった。そうしたなか、期末にかけて原油価格が上昇したためアスファルトの在庫影響による収支が改善し、営業利益は前期比増益となった。また、アドブルー(ディーゼル車向けNOx分解液)の販売量が前期比14%増となったことも収益に貢献した。

エネルギーイノベーション部門では、従来から掲げる“ポートフォリオ経営”の拡充方針のもと、事業資産の適切かつ機能的活用と、新規事業化案件の推進に継続して取り組んでいる。アドブルー事業では全国20ヶ所の供給施設と10ヶ所の提携工場を活用した製販一貫体制を構築したが、これが前述した販売数量の2ケタ増につながった。また、新規事業と位置付けるフライアッシュ事業や再生油事業も本格的な事業の開始に向けて準備が進みつつある。一般消費者にはなじみのない商材が多いが、それぞれの分野で同社は強みを有しており、地道な収益改善努力の積み重ねの結果として存在感のある利益額を確保している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

 提供:フィスコ

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