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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ピクセラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■ピクセラ <6731>  285円 (+60円、+26.7%)

 ピクセラ <6731> [東証2]が続急騰。6月30日、東証が3日売買分から同社に対する信用取引の臨時措置(委託保証金率を50%以上[うち現金20%以上]とする)を解除すると発表したことが買い材料。日証金も増担保金徴収措置の解除を発表しており、信用規制の解除により、資金流入の活発化を期待する買いが向かった。

■芦森工業 <3526>  380円 (+80円、+26.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。芦森工業 <3526> が続急騰でストップ高。売買高も6200万株を超える活況となり、需給相場の様相を呈してきた。タカタ <7312> が手掛けていたエアバッグの代替需要に対する思惑が投機資金流入の引き金となったが、日証金では株不足状態で逆日歩(30日現在)がついており、これが踏み上げ相場の思惑につながった。本社ビル売却は、業務効率化の一環として本社機能を大阪工場に移転・統合することを発表し、今期特損を計上するが影響は一過性のものとしてマーケットは認識した。一方、譲渡代金を積極的な設備投資などに活用するとしたことで、株価にはポジティブに作用した。

■コンセック <9895>  244円 (+50円、+25.8%) ストップ高

 コンセック <9895> [JQ]がストップ高。東京市場では全般主力株が手掛けづらい地合いだが、個別株物色の流れは健在で特に株価200円未満に位置する低位株が軒並み動意づく展開。そのなか、同社は建設機械や工具を手掛けており、18年3月期は営業利益段階で前期比77%増と好調。小池都知事が積極推進の構えにあることでも話題の電線地中化では、今後の需要に対応して電柱解体用のワイヤソーを販売しており、投機資金の流入が一気に加速した。

■トーセ <4728>  2,829円 (+500円、+21.5%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。トーセ <4728> がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。手がかり材料難でゲーム関連株が物色される動きが続くなか、家庭用ゲームソフトの企画・制作受託で専業最大手の同社に物色資金が集中したようだ。同社はスクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> が年内のサービス開始を目指して開発中のスマートフォン向けデジタルカードゲーム「ドラゴンクエストライバルズ」の開発担当として注目を集めている。株価は先月8日から5日連続で値幅制限上限まで買われ、6月14日には2603円まで上昇し2001年10月以来、約16年8ヵ月ぶりの高値圏に急浮上した。その後は調整含みの展開となっていたが、本日は再び物色資金が向かった。

■土木管理 <6171>  1,733円 (+300円、+20.9%) ストップ高

 東証1部の上昇率4位。土木管理総合試験所 <6171> がストップ高。前週末まで2日連続のストップ高と投機資金の攻勢が強まっていたが、足もと物色人気が加速している。東京都議選は小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が圧勝、49議席で第1党となったことで、小池都知事が掲げる政策に絡む銘柄群に物色の矛先が向かった。同社はインフラ関連の土質・地質調査などを手掛けており、豊洲市場への移転に絡み関連銘柄として投機資金を呼び込んでいる。人工知能(AI)の導入も含めた地中情報のビッグデータ共有システム「ロードス」の開発なども、展開材料として注目されている。

■テラ <2191>  609円 (+100円、+19.7%) ストップ高

 テラ <2191> [JQ]がストップ高。6月30日の取引終了後、レオス・キャピタルワークス(東京都千代田区)が運用する「ひふみ投信マザーファンド」を割当先とする第三者割当増資を実施すると発表しており、財務体質の安定化とそれに伴う樹状細胞ワクチンの研究開発の進展につながるとの見方から買いが入ったようだ。今回実施する第三者割当増資は、払込期日が7月18日で、発行新株数は200万株、発行価額は1株491円。調達する差引手取り概算額9億7500万円については、連結子会社であるテラファーマへの投融資資金に用いられ、日本初の膵臓がんに対する 再生医療等製品としての承認取得を目指す樹状細胞ワクチンについての治験実施のための研究開発や、治験実施のための設備投資などに充当する方針としている。

■サンバイオ <4592>  1,604円 (+201円、+14.3%)

 サンバイオ <4592> [東証M]が急騰。6月30日の取引終了後、米国で実施している再生細胞薬SB623の慢性期脳梗塞を対象としたフェーズ2b臨床試験に対して、カリフォルニア州再生医療機構(CIRM)から2000万ドルの補助金を獲得したと発表しており、業績上振れ期待の買いが入ったようだ。CIRMは、競争力の高い補助金プログラムなどを通して再生医療における研究開発の促進を目的に設立された州の公的組織。助成対象案件は、再生医療分野の専門家や神経疾患領域の医療機関などからなる独立審査チームによって評価・選定され、同試験は最高ランク「1」の評価で補助金を獲得したという。なお、業績への影響は現在精査中としている。

■ネクステージ <3186>  1,755円 (+209円、+13.5%)

 東証1部の上昇率8位。ネクステージ <3186> が急反騰。6月30日、同社が17年11月期上期(16年12月-17年5月)の連結経常利益を従来予想の11.5億円→15.7億円に36.5%上方修正。増益率が8.9%増→48.7%増に拡大し、従来の3期連続での上期の過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。中古車販売店で販売台数と単価がともに伸び、売上が計画を上回ったことが寄与。付帯商品の収益改善や車検台数の増加なども利益上振れに貢献した。

■ケーヨー <8168>  847円 (+66円、+8.5%)

 ホームセンター大手のケーヨー <8168> が3日続伸し、年初来高値を更新した。同社は6月30日取引終了後に、18年2月期第1四半期(3-5月)の単独決算を発表。営業利益は8億8200万円(前年同期比42.0%増)となり、上半期計画15億円に対する進捗率は58.8%に達した。売上高は366億8700万円(同7.1%減)にとどまったが、広告宣伝費の見直しを行うなど販売促進費の効率化を図ったことが増益に寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■ダイセキ <9793>  2,669円 (+173円、+6.9%)

 ダイセキ <9793> が続急伸。6月30日に決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比26.6%増の23.4億円に伸びて着地したことが買い材料視された。主力である工場廃液の中間処理・ リサイクルの顧客増加が続き、受注が伸びたことが寄与。リサイクル燃料の価格が上昇に転じたほか、鉛リサイクル事業が黒字化したことも増益に貢献した。

■ジェイエイシ <2124>  1,805円 (+108円、+6.4%)

 人材紹介を手掛けるジェイエイシーリクルートメント <2124> を筆頭に人材サービス関連株が軒並み高に買われた。6月30日、厚生労働省が5月の有効求人倍率を発表。季節調整後の値は、バブル期の最高を超えた前の月を0.01ポイント上回る1.49倍だった。これを受け、人材サービス関連株に業績拡大を期待する買いが向かっている。このほか、人材派遣を展開するエスプール <2471> [JQ]、トラスト・テック <2154> 、クリエアナブキ <4336> [JQ]、UTグループ <2146> [JQ]、アルプス技研 <4641> などが買い先行の展開となった。

■セリア <2782>  5,530円 (+100円、+1.8%)

 セリア <2782> [JQ]が続伸。6月下旬から調整局面に移行し、前週は25日移動平均線を下回ったことで警戒感が強まったが、根強い買いが流入しバランスを立て直した。100円ショップ大手で直営店を中心に積極出店、その数は17年3月末時点で1400店舗以上に上る。女性層を意識した商品ラインアップが奏功し既存店売り上げが前年同月を上回っての推移が続く。5月は全店ベースで10%の伸びを確保した。PERはやや高めながら23.4%の高ROEは評価材料。

■学研HD <9470>  3,330円 (+45円、+1.4%)

 学研ホールディングス <9470> が反発。6月30日、学研HD <9470> が発行済み株式数(自社株を除く)の3.79%にあたる35万株(金額で11億5850万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月3日から7月10日まで。提携先の市進ホールディングス <4645> [JQ]が同社株を売却する意向を示したことに対応する。

■Jティッシュ <7774>  1,270円 (+16円、+1.3%)

 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング <7774> が反発。3日、名古屋市立大学病院から培養表皮の製造を受託したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回の培養表皮の製造受託は、白斑や難治性皮膚潰瘍などに対する培養表皮移植(再生医療)の臨床研究に向けて提供するもの。なお、大学病院が行う臨床研究として、白斑や難治性皮膚潰瘍などに対する培養表皮移植の取り組みは日本初で、再生医療等安全性確保法のもと、今月から実施されるとしている。

■トヨタ <7203>  5,950円 (+57円、+1.0%)

 トヨタ自動車 <7203> が反発。テク二カル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロスから底値圏離脱の気配だ。外国為替市場で1ドル=112円台半ばまで円安が進んでいることで輸出採算向上に対する期待が膨らんでいる。市場では「このタイミングで同社株が大陽線を立てることに若干の意外感があるが、全体相場の支え役となっていることは確か。国内外機関投資家がリターンリバーサルの対象として買い直しているとみられる」(準大手証券ストラテジスト)との見方が出ていた。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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