【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「エヌビディアの決算に期待」
株式評論家 富田隆弥
◆16日にNYダウは一時、初の4万ドルの大台に乗せた。ナスダックも一時1万6797ポイントをつけ、今週は英国FTSE100指数、ドイツDAX指数ともども史上最高値を更新した。世界同時株高の様相であり、ならば日本株の上昇にも期待が膨らむところだが、その動きはまだ鈍い。
◆日経平均株価は16日に534円高の3万8920円と3日続伸し、25日移動平均線(16日時点3万8409円)と75日線(同3万8568円)をようやく捉えた。4月19日の調整安値(3万6733円)から戻り歩調にはあるものの、13週線(同3万9043円)や4月12日高値の3万9774円の下にまだ位置しており、「好転」を確認するには4万円回復が求められる。
◆年初に見られた「日本株買い」の勢いは消え、いま投資マネーは欧米株に向かっている。その一因として、利上げ観測のある日本に対して、欧米が利下げの方向にあることが挙げられる。また、アジアでも香港ハンセン指数が4月19日安値からおよそ1カ月で21%上昇しており、国際的なマネーの潮流から日本株が取り残されている感は否めない。
◆日経平均株価は1月4日安値の3万2693円から3月22日の4万1087円まで2カ月半で26%の急上昇を演じて史上最高値を更新、初の4万円大台に乗せた。半導体関連に人気が過度に集中するなか、テクニカル指標には過熱信号が灯り、そこで一旦ピークアウトしたといえる。加えて、自民党の政治資金問題が浮上し、政局の混乱を外国人投資家が嫌気した可能性もある。日本株の鈍さを説明するならそういったところだろう。
◆ただ、22日(日本時間23日早朝)には米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されており、半導体関連がカギを握る日本株にとって大きなポイントとなる。その決算が好感されるなら、6月14日のメジャーSQ(先物・オプション特別清算指数算出)に向けて上昇に弾みを付けてもおかしくない。こうした展開に期待したいのは山々だが、「相場は流れに従う」ものであるから、4万円回復を確認するまでは「様子見」「打診買い」の姿勢を続けたい。
(5月16日 記、次回更新は5月25日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース