【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 個人買い越し、燃え盛る中小型株物色
株式アドバイザー 北浜流一郎
「個人買い越し、燃え盛る中小型株物色」
●逆転した個人と外国人の構図、正しいのは?
6月12日から同16日にかけて、東京市場では意外なことが起きている。何やら不思議なことでも起きているような書きようになったが、実は外国人投資家が売り越しに転じ、個人投資家が逆に買い越しに転じたのだ。まず考えたいのは、外国人投資家たちがなぜ売り越しに転じたのか。NYダウが堅調に上昇している局面で、日本株が売られた。
その背景にあるのは、安倍政権に対する懸念であろう。森友学園問題は何とか乗り切ったものの、加計学園問題は野党、マスコミに加え、前文科省次官だった前川氏の告発的発言などもあって、安倍政権は窮地に立たされた。
このような状況は外国人投資家の目にはどう映るのか。日本の隣国である韓国の大統領交代劇と重なって見えたに違いない。それにより投資方針の決断は、「日本株は売っておこう」になる。そしてそれを実行したわけだが、この判断、外国人投資家と買い越した国内個人投資家、どちらが正しいのか。
判定を下すのは早すぎるが、途中経過を見る限りはいまのところ個人投資家が正しい売買をしていることになる。日経平均株価は19日以降、急浮上に転じ、一時は2万0318円の高値をつけたほどだからだ。
●機関投資家と一線を画す個人
ただ、個人投資家は大型主力株を買っているわけではない。ジャスダックや東証マザーズ指数を見ればよく分かるように、主な物色対象は中小型株だ。
それらは東証1部にも多数あり、日経平均に組み入れられていない銘柄も多い。そんな銘柄が買いの対象になっている一因は、外国人投資家を含め、機関投資家たちが手がける銘柄は経営の安定性は高いものの、個人にとって投資しにくい面があるからだ。
その一つが、各調査機関による投資評価だ。それはかなり恣意的なところがあって、株価の乱高下要因となる。
特に困るのは、株価が順調に上げていても、「上がり過ぎ」との判断からある日不意に投資判断を引き下げられたりする。それだけでも投資しにくいが、投資判断を引き下げるとともに、目標株価を引き上げる、などという高等戦術を使われたりするので、正直対応しにくい。そこで彼らのそんなご都合主義的な投資判断の対象になりにくい銘柄。これらを手がけた方が儲かりやすい、とこうなる。
そこで注目は、まずはWDBホールディングス <2475> だ。理学系研究職や研究補助職の人材派遣に強い会社だ。理学に強い人材と聞いただけで私は尊敬してしまうが、そんな人材を多数擁して研究機関などに派遣しているだけに収益は着実増となっている。また、今後も数年は伸び続けることはあっても減少は考えられないだろう。株価は現在、小反落中だけに魅力的だ。
夏休みが近づきつつあることを考えると、格安旅行商品を探す老若男女が増加すると見てよい。それによってメリットを受けるのが、オープンドア <3926> だ。格安旅行商品の価格比較サイト「トラベルコ」を運営していて、今後も伸びる可能性が高い。
グループウエアでトップクラスのコムチュア <3844> も、株価が調整中の現在水準で拾っておきたい銘柄だ。
よく取り上げる銘柄だが、Amazonが米国で洋服などの商品を購入前に試着できるサービスを提供するとの報道で下げてしまったスタートトゥデイ <3092> も、先行きを考えるといまが拾いどころと見る。Amazonの新サービスは米国で行われるもの。いずれ日本投入もあるだろうが、市場は間もなくそのことを忘れてしまうだろう。
ネット利用の市場調査に強いマクロミル <3978> も、企業が消費動向を知るには不可欠な存在となっているだけに、株価は高値圏ながら続伸する確率が高いと見てよい。
そして最後は、ジャスダックのエスプール <2471> [JQ]だ。物流施設やコールセンターへの人材派遣に強い会社だが、Amazon向け納品代行サービスを請け負っている。当然収益増につながり、株価へもプラスに働く。
2017年6月23日 記
株探ニュース