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【特集】BS11 Research Memo(12):2017年8月期は1円増配の18円配当。内部留保充実と株主還元強化を両立

BS11 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株主還元策

日本BS放送(BS11)<9414>は株主への適正な利益配分を経営の重要な課題の1つと位置付けており、配当をもって還元することを基本としている。2016年8月期については、前期比2円増配の17円の配当を行い、配当性向は20.7%となった。

2017年8月期については、期初時点で前期比1円増配の18円の配当予想を公表している。2017年8月期第2四半期決算後も通期業績予想に変更はなく、配当予想も期初予想が維持されている。予想1株当たり当期純利益に基づく配当性向は21.9%となっている。

同社は今中期経営計画において売上高の増大を図ることを最優先としているが、同時にまた、増益トレンドを維持することも優先事項に位置付けられているというのが弊社の見方だ。前述のように、同社の収益構造は放送衛星の活用によってローコスト構造となっており、売上高の増大が達成されれば利益成長もまた、自ずと達成されてくると弊社ではみている。利益成長に応じた株主還元の拡大というのが同社の株主還元の基本スタンスだ。

しかし同社は、放送業界全般にとって大きな課題である4K/8K対応の大型設備投資案件を抱えている。これは国(総務省)の放送行政とも関連するため未確定の部分が多いが数十億円規模の投資となる可能性がある。そのためには内部留保の充実は不可欠であり、今後利益が大きく伸びたとしても過度な株主還元期待は禁物だろう。2017年8月期の1円増配は、内部留保と株主還元強化の両立を図った経営判断だというのが弊社の理解だ。

同社は株主優待制度も設けている。内容は、1単元(100株)以上保有の株主を対象に、「ビックカメラ商品券(1,000円券)」1枚を、年2回(基準日は8月末と2月末)贈呈するというものだ。また、長期保有株主優待制度として、基準日の株主名簿に連続3回以上同一株主番号で記載された株主に対しては、8月末に「ビックカメラ商品券(1,000円券)」1枚を追加で贈呈することとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

 提供:フィスコ

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