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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ 日経平均は3営業日続落、25日線での攻防を睨みつつ、短期筋の強弱感が対立

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ 日経平均は3営業日続落、25日線での攻防を睨みつつ、短期筋の強弱感が対立
・ドル・円は110円87銭、クロス円取引に絡んだ円買いで一時110円78銭まで下落
・ルーデン、デュアルタプなどがストップ高


■ 日経平均は3営業日続落、25日線での攻防を睨みつつ、短期筋の強弱感が対立

日経平均は3営業日続落。106.38円安の19576.19円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えた。29日の米国市場がメモリアルデーの祝日で休場となり、海外勢のフローが限られるなか、日経平均は小幅に続落で始まった。その後しばらくはこう着感の強い相場展開となるなか、10時辺りから下げ幅を拡大させている。メイ英首相は29日、欧州連合(EU)離脱交渉について、必要ならば合意なしに離脱する用意があると表明したことをマイナス材料として捉える動きもあった。また、FBIのコミー前長官は、30日以降に上院情報委員会の公聴会で証言することから、トランプ政権の政治リスクを警戒する向きもあったとみられる。

インデックスに絡んだ商いから下げ幅を広げるなか、値動きの軽い中小型株にも利益確定の動きが広がっており、様子見ムードが強まっている。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>が強含みとなる半面、昨日上昇していたファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、信越化<4063>が弱含みとなるなど、方向感が掴みづらい状況。セクターでは空運、海運、情報通信、金属製品が小じっかりな半面、石油石炭、パルプ紙、水産農林、倉庫運輸、ゴム製品が冴えない。

日経平均は前場半ば辺りから下げ幅を広げてきており、25日線レベルまでの調整をみせている。ここまでは想定内の動きでもあり、この水準で踏ん張りをみせてくるかが注目されるところ。これを下回ってくるようだと、13週、26週線が位置する19250円辺りまでの調整が意識されやすいだろう。また、インデックスに絡んだ商いについても、昨日弱い値動きだったソフトバンクG<9984>が反発し、一方で堅調だったファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、信越化<4063>が下げており、リバランスの動きにとどまっている。

そのため、引き続き中小型株での値幅取り狙いが中心になりやすい。銘柄は絞られてきており、強い銘柄により短期資金が集中しやすいと考えられる。日経平均の25日線での攻防を睨みつつ、資金回転が早まることになりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は110円87銭、クロス円取引に絡んだ円買いで一時110円78銭まで下落

30日午前の東京市場でドル・円は下落。朝方に111円32銭まで買われたが、ポンド売り・円買いの取引が広がったことから、ドル・円は110円78銭まで下落した。英メイ首相は英スカイニューズとのインタビューで「悪い合意よりも合意はないほうがましだ」、「いかなる犠牲を払っても合意を成立させるために交渉に臨むわけではないと認識する必要がある」との見方を示したことがポンド売り材料となったようだ。日経平均株価は100円超の下げとなったことも嫌気された。ここまでのドル・円の取引レンジは110円78銭から111円32銭。

12時23分時点のドル・円は110円87銭、ユーロ・円は123円37銭、ポンド・円は142円07銭、豪ドル・円は82円30銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ルーデン<1400>、デュアルタプ<3469>などがストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます


■要人発言

・欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁
「ギリシャ債の購入はない」
「ユーロ圏経済、ECBによる異例の金融緩和がなお必要」

・ECBノボトニー氏
「上向きトレンドが固まれば賃金上昇の勢い増す」

・ウイリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁
「バランスシートの将来のサイズは未定」
「中国の減速を懸念していない」
「米国の租税政策にはかなりの不確実性がある」
「2%のインフレ目標達成に完全にコミットする」
「米失業率は2017年に低下が見込まれる」


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00  基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行)

<海外>
・特になし

《HT》

 提供:フィスコ

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