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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

アイシン <日足> 「株探」多機能チャートより

■アイシン <7259>  5,750円 (+240円、+4.4%)

 アイシン精機 <7259> が続伸。24日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の3.58%にあたる1000万株(金額で700億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は5月25日から18年3月31日まで。

■マクロミル <3978>  2,081円 (+86円、+4.3%)

 マクロミル <3978> が3日続伸で、上場来高値を更新した。大和証券は24日、同社株の投資判断を新規「1(買い)」でカバレッジを開始した。目標株価は2450円としている。同社はマーケティング・リサーチの大手。14年に上場廃止となったが、今年3月に東証1部へ再上場した。国内市場は、広告のデジタル化を背景に市場拡大が進むと予想。傘下に持つオランダのネットリサーチ会社「MatrixLab」の貢献による海外事業拡大もあり業績拡大を見込んでいる。17年6月期の連結営業利益は、前期比21%増の69億2000万円(会社予想68万5000万円)、18年6月期は同87億1000万円への増益を試算している。

■ソフトバンク <9984>  8,834円 (+322円、+3.8%)

 ソフトバンクグループ <9984> の物色人気が一気に盛り上がってきた。買い優勢で始まった後、寄り後も継続的な買い注文が流入し次第高の様相。米国市場では、GPUで圧倒的な強みを持つ半導体大手で人工知能(AI)関連の中核的銘柄の一つとして注目されるエヌビディアが最高値街道を走っている。エヌビディアは今月10日にトヨタ自動車 <7203> と自動運転分野での提携を発表、ソフト・ハード両面でAI技術をトヨタに提供し、自動運転の開発を加速させる構えで話題を呼んだ。このエヌビディアの株式を買い集めているのがソフトバンクで25日付の日本経済新聞はソフトバンクが、同社やサウジアラビアなどが発足させた「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通して、エヌビディアの株式を取得する方向にあることを伝え、マーケットはにわかに色めき立った。ソフトバンクは既に4000億円前後のエヌビディア株式を、市場を通じて買い集めているとされ、これを新ファンドに移管する。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは人工知能やIoT分野で次世代のイノベーションを引き起こす可能性のある新興企業に投資する、日本円にして約10兆円規模のファンドで、20日に初回クロージングを完了したばかりだ。

■コナミHD <9766>  5,360円 (+180円、+3.5%)

 コナミホールディングス <9766> が大幅続伸し連日で年初来高値を更新した。24日、傘下のコナミデジタルエンタテインメントがスマートフォン向けゲーム「ウイニングイレブン 2017」を約150の国と地域で配信開始したと発表したことが買い材料視された。「ウイニングイレブン 2017」は、シリーズ累計販売本数が9630万本を超える家庭用「ウイニングイレブン」シリーズのゲームエンジンをベースにしたアクションサッカーゲームで、モバイルゲームに徹底的に最適化した操作性を実現したという。事前登録者数は約2週間で350万人に達しており、人気化による業績への寄与に期待する買いが向かった。

■ニチイ学館 <9792>  1,055円 (+32円、+3.1%)

 ニチイ学館 <9792> が反発し、連日で年初来高値を更新した。株価は12日大引け後に発表した18年3月期の決算が評価され、翌営業日の15日に10.4%上昇、その後も上値を追う展開が続いた。今期の連結経常利益は前期比4.2倍の60億円と5期ぶりの利益水準に拡大する計画だ。主力の介護事業と医療事務受託の収益拡大に加え、英会話教室を運営する教育事業の赤字縮小が寄与する。介護事業では人材確保と生産性向上で成長回帰を目指すほか、医療関連事業は契約適正化と業務効率の向上により利益水準がアップする見通しだ。また、教育事業は赤字が続いているが、着実な利益改善が進んでおり、今期はさらなる改善を見込んでいる。

■ユニデンHD <6815>  246円 (+7円、+2.9%)

 ユニデンホールディングス <6815> が続伸。無線通信機器やコードレス電話のほか、世界的に市場拡大基調を強める車載モニターやドライブレコーダーへの展開で収益成長期待が高まっている。18年3月期営業利益は前期比2.1倍の26億1000万円を見込んでいる。売り上げの85%を輸出でまかなうが、今期想定為替レートは1ドル=105円と厳しく見ており、利益増額の余地は大きい。

■オープンハウス <3288>  3,605円 (+75円、+2.1%)

 オープンハウス <3288> が5日続伸し、連日で上場来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が24日付で同社の投資判断「Buy(買い)」を継続し、目標株価を3990円→4550円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、17年9月期第1四半期決算を受け、主力の戸建は拠点拡大により販売棟数を伸ばし、粗利益率も高水準を維持していると評価。下期以降も名古屋など積極出店効果で好調が続くとみている。また、PER水準は依然割安感があると指摘した。同証券では、17年9月期の営業利益を350億円→365億円(会社計画は350億円)、18年9月期を375億円→410億円、19年9月期を400億円→430億円にそれぞれ上方修正した。

■日本サード <2488>  1,040円 (+21円、+2.1%)

 24日にストップ高を演じた日本サード・パーティ <2488> [JQ]が目先の利益確定売りを吸収して続伸、ゼンリン <9474> も戻り売りの洗礼を浴びながら4日続伸となった。ソフトバンクグループ <9984> がエヌビディアの株式を買い集めていることが、一部メディアを通じて報じられ、25日付の日本経済新聞はソフトバンクが発足させた「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が、エヌビディアの株式を取得する方向にあることを伝えた。これがソフトバンクだけでなく、エヌビディアと協業関係にある銘柄にもポジティブに働いた。エヌビディアは人工知能(AI)関連の象徴株の一角で東京市場でもAI関連株人気を呼び込む立役者となっている。エヌビディアは日本サードとディープラーニング用スーパーコンピューターなどの総括保守契約で締結しているほか、ゼンリンともパートナーシップ契約を結び自動運転車向け高精度3次元マップを開発する方針にある。

■リプロセル <4978>  391円 (+6円、+1.6%)

 リプロセル <4978> [JQG]が続伸。24日、米子会社が全米有数のがん治療施設であるフォックス・チェイス・キャンサー・センターとインド各地において生体試料のバンクを開設するための合弁会社を設立すると発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。合弁会社は、インドにおける臨床レベルのヒト生体試料の調達を目的に設立するもので、現在、インドのデリーにおいて設立に向けた初期の作業が進められており、今年中にはハイデラバードへの拡大を予定しているという。合弁会社を通じてハイデラバードの施設では、毎月約3000件の新しい生体試料が追加される予定で、収集された標本は病歴、遺伝子変異のデータ、治療方法の詳細記録およびその経過を含む情報が付随され、世界のがん研究に貢献するとしている。

■東エレク <8035>  15,940円 (+240円、+1.5%)

 東京エレクトロン <8035> が続伸。好決算発表を受けて1日にマドを開けて急伸したが、その後はマドを埋める気配もなく漸次下値を切り上げてきた。米国ではエヌビディアなど半導体関連株が買い直され、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は過去最高値圏で強調展開を続けている。東京市場でも、世界屈指の製造装置メーカーである東エレク株の見直し買いが継続している。3次元NAND型フラッシュメモリーの市場が急速に立ち上がるなか、同社は深掘り技術の高いエッチング装置を製造しており、今後も高水準の需要を取り込むことが予想されている。

■岡本工 <6125>  199円 (+2円、+1.0%)

 岡本工作機械製作所 <6125> [東証2]が3日続伸。半導体関連の割安銘柄として市場の関心を集めたようだ。時価で試算したPERは8倍前後、PBR0.9倍台と割安感は十分といえそうだ。同社は、平面研削盤では国内トップを占める。一般的な工作機械メーカーとのイメージがあるものの、バックグラインダー、ポリッシングマシンなど半導体製造装置も幅広く手掛けている。また、液晶テレビ用パネル製造過程では、マザーガラス、フォトマスクなど多くの研削、研磨工程があり、同社はその工程を担う大型研削・研磨装置を手掛けている。18年3月期の連結業績予想は、売上高280億円(前期比17.9%増)、営業利益は16億円(同40.4%増)、最終利益は11億円(同90.5%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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