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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ソニー <日足> 「株探」多機能チャートより

■ソニー <6758>  3,704円 (+99円、+2.8%)

 ソニー <6758> が続伸、昨年来高値を更新した。市場からは「29日から実質新年度入りした東京市場にニューマネーが流入することを期待した外国人投資家が同社株を買っているのでは」(アナリスト)との見方が出ている。特に、プレイステーションなどのゲーム関連の成長性を再評価している様子だ。米トランプ政権の政策運営に不透明感が強まるなか、「非トランプ関連銘柄としてソニーを再評価する動き」(同)も出ている様子だ。

■大日本塗料 <4611>  252円 (+6円、+2.4%)

 大日本塗料 <4611> が大幅続伸し、昨年来高値を更新した。28日、同社は17年3月期に固定資産売却益16.8億円を特別利益に計上すると発表。これを受けて業績上振れを期待する買いが先行している。経営資源の有効活用を図るため、子会社の大東ペイントが神奈川県厚木市に保有する土地・建物を売却、これにより売却益が発生する。なお、会社側は通期業績への影響は現在精査中としている。

■SUMCO <3436>  1,845円 (+37円、+2.1%)

 半導体関連株に再び人気が集まり始めた。米半導体大手マイクロン・テクノロジーの第3四半期に対する衝撃的な好業績見通しが米国株市場で注目されたが、東京市場にも海外投資家とみられる買いが波及している。そのなか物色対象の裾野も広がりをみせ、総花的な上昇につながっている。SUMCO <3436> や信越化学工業 <4063> などシリコンウエハー大手やその原料となる多結晶シリコンを製造するトクヤマ <4043> 、フォトレジストを展開する東京応化工業 <4186> 、半導体業界向け高誘電材料を手掛けるトリケミカル研究所 <4369> [JQ]など半導体材料を手掛ける銘柄に投機資金が攻勢をかけ、いずれも上値指向が鮮明だ。

■さくらインターネット <3778>  945円 (+17円、+1.8%)

 さくらインターネット <3778> が高い。同社と三井住友海上火災保険(東京都千代田区)は29日、ディープラーニングによるAI(人工知能)の学習に適したクラウド環境を共同で構築したと発表。これが材料視されたようだ。さくらは、大きな計算資源を圧倒的なコストパフォーマンスで利用できる高火力コンピューティング基盤を提供。三井住友海上では、これにより国内最高峰のAI開発環境が整ったとしており、今後は商品・サービスの開発を積極的に進めていくとしている。

■サイバーエージェント <4751>  3,360円 (+50円、+1.5%)

 サイバーエージェント <4751> が続伸。21日に3475円の昨年来高値をつけた後、一服状態にあるが、調整一巡後の再上昇をうかがう状況にある。「AbemaTV」は4月11日に開局から1周年を迎えることから、スペシャルライブの開催や番組編成強化が予定されている。市場では1周年イベント後の動向に注目しており、視聴者数の一段のペースアップが期待されている。このなか、株価も再度、上昇基調を強めるとの期待も出ている。

■gumi <3903>  1,218円 (+18円、+1.5%)

 gumi <3903> が続伸。28日の取引終了後、デンマークに拠点を置くノルディスク・フィルム(ヘルシンキ市)と共同で、北欧においてバーチャルリアリティー(VR)技術を活用したプロダクト開発を行うスタートアップに対して全般的な支援を提供する合弁会社を4月に設立すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。同社ではこれまでにも「Tokyo VR Startups」や「Seoul VR Startups」を設立し、インキュベーションプログラムを実施してきたが、北欧においてもモバイルゲーム市場を牽引するグローバルな企業が数多く存在し、VRゲーム市場でも多くの有力企業が創出されることが想定されることから、今回の合弁会社設立に至ったという。新会社ノルディックVRスタートアップス(NVS)は、gumi60%、ノルディスク・フィルム40%で設立。スタートアップに対して資金提供だけではなく、エンターテインメント業界のノウハウの提供、経営や開発などのアドバイスの提供、ワーキングスペースの無償提供などの事業協力を行うとしている。

■国際石油開発帝石 <1605>  1,110円 (+14.5円、+1.3%)

 国際石油開発帝石 <1605> やJXホールディングス <5020> など石油関連株が高い。28日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近5月物が前日比0.64ドル高の1バレル48.37ドルに上昇。リビアで武装勢力が原油の輸送パイプラインの操業を止めたと伝わり、原油市場の需給引き締まりからの価格上昇思惑が膨らんだ。29日の時間外取引でも原油価格は48.50ドル台に上昇している。

■日本郵船 <9101>  241円 (+3円、+1.3%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など大手海運株が物色人気を集めた。中国の経済成長減速の懸念後退に加え、グローバルな景況感の回復を背景にここにきて海運市況の改善傾向が強まってきた。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は2月中旬以降、鮮烈な戻り足をみせている。前日までの直近30日間で前日比マイナスだった日はわずかに3日間しかない。前日の同指数は51ポイント高の1333と急伸、約2年4ヵ月ぶりの1300台に水準を切り上げてきており、これを受けて同指数と株価連動性の高い海運株に物色の矛先が向いた。

■アスクル <2678>  3,230円 (+40円、+1.3%)

 アスクル <2678> が続伸。28日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次売上高(単体ベース)は前年同月比9.0%減となり、24ヵ月ぶりに前年割れとなったが、2月の物流センター火災発生以来株価は調整していたことから、アク抜け感が強まったようだ。主力分野のBtoB事業は3.9%減となったが、前年同月度比で平日が1日少ない影響を除くと0.8%増と実質伸長が続いているもよう。一方、成長分野のLOHACOは火災のあった「Logi PARK 首都圏」で取り扱っていた物量が62%と非常に大きいことから影響も大きく同47.0%減と大きく落ち込んだ。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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