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【特集】<話題の焦点>=野菜・果実ミックスジュースは健康志向の多様化で需要拡大

カゴメ <日足> 「株探」多機能チャートより
 日常の食生活では摂取が不足しがちとされる、ビタミン類の手軽な補給手段とされてきた野菜や果汁のミックスジュースだが、ここにきてもう少し踏み込んだ健康志向に応える商品として見直し機運が高まると同時に、新たな需要拡大期を迎えている。

 JAS(日本農林規格)の果実飲料品質表示基準によると、果実ミックスジュースは、2種類以上の果実の搾汁もしくは還元果汁を混合し果汁100%としたものと、これらに砂糖類や蜂蜜などを加えたものを指す。

 カゴメ<2811>は2015年7月22日、野菜・果実ミックスジュースを継続して飲むことで、肌の奥の「隠れジミ」が減少することを、ヒト試験により明らかになったと発表している。隠れジミは、肌の奥に潜むメラニンで、シミ予備軍とも呼ばれるもの。新陳代謝により肌の表面に押し出され排出さるが、新陳代謝が乱れると、肌の奥に留まってしまうことが知られていた。伊藤園<2593>は15年6月9日、筑波大学との共同研究で、野菜汁100%飲料およびビタミン強化型の野菜・果実ミックスジュースの継続的な摂取による抗抑うつ・抗不安効果について確認したと発表している。

 カゴメの飲料事業は、同社売上高全体の約4割を占めるが、機能性表示食品制度を活用し、ラベルに「血中コレステロールが気になる方に」と記載するなど、トマトジュースをリニューアル再発売したことで、それまで停滞していた売り上げが急向上している。機能性表示食品制度は15年4月から始まり、メーカーは科学的根拠を消費者庁に届け出れば、国による審査を経ることなく、健康効果をラベルやパッケージに記載できるようになった。

 伊藤園の野菜・果実ミックス飲料ブランド「充実野菜」シリーズは、今年で発売25周年を迎えるロングセラー。新製品として発売した「充実野菜 グリーンスムージー」にはケール、緑豆スプラウト、セロリ、グリーンピース、パセリ、クレソン、キャベツ、ラディッシュ、ホウレンソウ、三つ葉、大根葉粉末の11種類の野菜が含まれている。

 今年4月に経営統合するコカ・コーライーストジャパン<2580>とコカ・コーラウエスト<2579>では、「ミニッツメイド」ブランドの「朝の健康果実 オレンジ・ブレンド」をはじめとする、果汁100%の飲料を品揃えしている。アサヒグループホールディングス<2502>傘下のアサヒ飲料では「バヤリース」、「ウェルチ」ブランドの100%果汁飲料や、カルピス「アミールS 毎日野菜」に注力している。このほかにも、キッコーマン<2801>の「デルモンテ 野菜ジュース」、ヤクルト本社<2267>の「きになる野菜」シリーズなどがある。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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