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【特集】イーストン Research Memo(11):安定を重視した配当政策。個人株主重視で株主優待制度も設定

イーストン <日足> 「株探」多機能チャートより

■株主還元策

ルネサスイーストン<9995>は株主還元を重要な経営課題と位置付け、配当による株主還元を基本方針としている。配当額の決定においては、安定的かつ継続的な配当の実現と、成長投資のための内部留保の充実による企業体質強化とを総合的に勘案して判断するとしている。公約配当性向などは特に規定していない。

2017年3月期については、前期比横ばいの12円の配当予想を公表している。1株当たり当期純利益予想26.50円に対する配当性向は45.3%となる。会社予想では、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の減少で前期比減益が予想されるものの、経常利益までは増収増益を計画しているため、配当予想を前期と同じ額にしたとみられる。

前述したように、第3四半期までの業績の進捗状況に照らすと、2017年3月期通期の利益は、会社計画を上回って着地する可能性が高い。しかし、これによる配当の上方修正可能性については、慎重に考えておくべきというのが弊社の考えだ。理由の1つは、売上高が会社計画を下回る可能性がある点だ。トップライングロースがなければ利益が上振れしても増配には踏み切りにくいと言える。また、今期の会社予想ベースの配当性向が45.3%と高いことがある。実際に利益が上振れた場合でも配当性向は30%台にとどまるとみられるため、増配への強いインセンティブは働きにくいと弊社では見ている。

同社はまた、個人株主重視の姿勢から株主優待制度を設けている。制度の内容は段階的に拡充されてきており、現在の制度では、毎年3月31日現在の株主名簿記載者のうち、1単元(100株)以上10単元(1,000株)未満の株主には1,000円相当のQUOカード、10単元以上の株主には2,000円相当のQUOカード、10単元以上を3年間以上保有している株主には3,000円相当のQUOカードを、それぞれ贈呈するという内容となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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