市場ニュース

戻る
 

【特集】【FISCOソーシャルレポーター】株番長:スシロー上場で関連銘柄が上がる!?


以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家「株番長」氏(ブログ「株番長の注目銘柄」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

----

※2017年3月7日15時に執筆

「あきんどスシロー」ブランドの回転ずし店を展開するスシローグローバルホールディングス<3563>が2017年3月30日に東証へ再上場する見通しだぞ。イギリスの投資ファンドが株式市場とスシローの業績が好調であることから売り出しを行うようだ。今年の目玉IPOの1つとして要注目だぞ。

〇景気回復で外食産業の伸びに期待〇

国内では景気回復が進みつつも消費の伸びに力強さが見られないことは懸念材料だが、景気回復基調が続けば、外食産業全体が恩恵を受けることになろう。特に、回転ずしチェーンは家族連れでの来店が多い。外食費用の節約度合いが変化しやすい中間ファミリー層の来店が景気回復によって増加することで、スシローをはじめとする回転ずしチェーンに恩恵がもたらされることも想定されよう。また、仮に円高が進んだとしても、回転ずしチェーンの業績悪化度は小さくて済みそうだ。なぜなら、輸入魚介類を原材料に使用しているため、仕入原価の低減による利益率改善が期待できるからだ。さらに、近年では回転ずしチェーンが麺類をはじめとする外食産業の周辺領域にも手を伸ばしており、商品の多角化が進められている。ファミリーには女性や子供も含まれることから、幅広い層にアピールできるような商品ラインナップへの拡充を進めることで、年齢や性別を問わず支持を高められる可能性がある。

〇訪日外国人観光客に日本食が人気〇

近年、訪日外国人観光客数が急増している。足元の円安により日本旅行の割安感が追い風となった面もあるが、為替のみならずLCCの就航が相次ぐなど、引き続き訪日外客数は増加するとみられている。当初、訪日外客は中国人を中心に「爆買い」と呼ばれる行動をとり、日本で買い物を楽しむ割合が高かった。しかし、爆買い需要は一巡しており、「モノ消費」から「コト消費」へとトレンドがシフトしつつある。したがって、日本の伝統文化や食に対する関心が高まってきているのだ。また、富裕層だけではなく、中間層の来日も増加している。そのため、高額な支出を避けたいと考える訪日客も少なくない。このような流れを背景に、日本食を手軽に味わえる回転ずしチェーンへの来店客が増加する可能性がある。日本で新鮮な海産物を味わう体験ができるほか、回転ずしには皿が店内を回るという、伝統的なすし店には見られない特徴がある。外国人にとっては目新しさもあって評価が高まるのではないだろうか。

〇スシロー上場関連銘柄が注目されている理由とは?〇

スシローは再上場を機に、出店攻勢を加速する見通しだ。関連銘柄の中には業績が思わしくない企業もあるため、スシロー上場で競争が激化すれば、業績がさらに悪化する可能性がある。もっとも、スシロー上場によって回転ずし店への注目が高まれば、回転ずし企業全体が恩恵を受ける可能性もある。外食産業の中でも回転ずし店はファミリー層から根強い支持を得ている。近年は新商品の開発に積極的な回転ずし店も多いことから、新たな顧客開拓につながる可能性も十分ある。景気が回復しつつある一方で、消費は伸び悩んでいる。しかし、消費者が財布のひもを緩め始めれば、スシローやその関連銘柄といった外食産業が大きな恩恵を受けることとなろう。円安一服で原価低減も期待しやすいスシロー関連銘柄にしっかり注目しておきたいところだ。

〇スシロー上場関連銘柄〇

<2695>くらコーポレーション

関西を中心とする回転ずし企業である。近年は関東の出店も加速。「くら寿司」ブランドでロードサイド型の立地店舗が多い点が特徴。近年は海外展開も始めてはいるが、依然として国内の回転ずしビジネスが主力である。スシローの出店攻勢に耐えられるかが注目されている。

<7421>カッパ・クリエイト

「かっぱ寿司」ブランドで低価格の回転ずし店を展開している。低価格路線が浸透してはいるものの、単価の高い新規メニューを投入する他社と比べて苦戦している。スシロー再上場によってさらに苦戦度が高まる可能性がある。

〇まとめ〇

スシロー上場は、回転ずしを含めた外食ビジネスの将来見通しに明るさがあることを示していると考えている。国内消費が増加すればスシロー関連銘柄にも追い風が吹くこととなるだろう。

----

執筆者名:株番長
ブログ名:株番長の注目銘柄

《WA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均