【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ピジョン、JR九州、三菱ケミHD
ピジョン <日足> 「株探」多機能チャートより
6日、ピジョン <7956> が決算を発表。17年1月期の連結経常利益は前の期比9.2%増の164億円と、減益予想から一転して増益で着地。続く18年1月期も前期比3.3%増の170億円に伸び、7期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は哺乳器などの販売が好調だった国内ベビー・ママ事業が収益を牽引した。今期は国内や中国で哺乳器、紙おむつなどの需要を取り込み、16期連続増収・7期連続増益を目指す。業績好調に伴い、前期の年間配当を50円→53円(前の期は42円)に増額し、今期も前期比3円増の56円に増配する方針としたことも支援材料となった。
■ブロードリーフ <3673> 707円 +10 円 (+1.4%) 本日終値
ブロードリーフ<3673>が10日続伸。6日の取引終了後、ソフトウエアの研究・開発を手掛けるタジマ(東京都新宿区)の全株式を取得し子会社化することで合意したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回の買収は、両社は同じ業界で事業を展開しているものの、それぞれの得意とする顧客層が異なることから、タジマをグループに迎え入れることで、これまで以上に幅広い顧客にサービスを提供することが可能になるものと判断したことが要因。取得予定価額は16億7000万円(ほかにアドバイザリー費用など)で、4月中に株式譲渡を予定。なお、17年12月期業績への影響は現在精査中としている。
■JR九州 <9142> 3,735円 +50 円 (+1.4%) 本日終値
大和証券は6日、本決算期末が7~9月期企業のTOPIX浮動株比率(FFW)と調整係数適用銘柄の見直し予想を発表した。新たなFFWは4月7日に公表され、同月28日に実施される見込み。このため同月27日にリバランスに伴う売買インパクトが予想されている。調整係数も同じタイミングとなる。調整係数では時価総額に比べ流動性が低い銘柄には、通常のFFWに調整係数(0.75)を乗じたFFWが適用されている。今回の見直しでは九州旅客鉄道<9142>の調整係数が解除されると予想され、株価にはプラスインパクトが見込まれている。同証券によると、FFWと調整係数の見直しで現行の比率とのウエイト差が大きくプラスが期待できるのはファーストリテイリング<9983>、JR九州、ホシザキ<6465>、名古屋鉄道<9048>、山口フィナンシャルグループ<8418>など。一日平均売買高などを考慮し、売買インパクトが大きい銘柄はメディアスホールディングス<3154>、いであ<9768>、キューブシステム<2335>、イフジ産業<2924>、ソルクシーズ<4284>などを挙げている。
■三菱ケミHD <4188> 887円 +10.1 円 (+1.2%) 本日終値
6日、三菱ケミカルホールディングス <4188> が傘下の三菱レイヨンの炭素繊維材料であるSMCがトヨタの新型「プリウス PHV」のバックドアの骨格に採用されたと発表したことが買い材料。自動車市場で車体軽量化への関心が高まる中、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の自動車部材への適用が期待されている。同社が開発したSMCは、CFRPの中間基材の一種で長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。複雑な形状の部材を成形することができる点などが評価された。発表を受けて、新型「プリウス PHV」への採用を契機に自動車部材向け炭素繊維材料の販売拡大に期待する買いが向かった。
■特種東海製紙 <3708> 4,400円 +50 円 (+1.2%) 本日終値
特種東海製紙<3708>が続伸し連日の昨年来高値。6日の取引終了後、連結子会社の新東海製紙が17年3月期に補助金収入32億3200万円を特別利益として計上すると発表しており、業績上振れを期待した買いが入ったようだ。「平成28年度エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」の交付金として、補助金収入を計上する。なお、17年3月期業績予想については、他の項目を含めて現在精査中としている。
■日立建機 <6305> 2,795円 +30 円 (+1.1%) 本日終値
日立建機<6305>が後場上げ幅を拡大し昨年来高値を更新。この日、クラウド型統合システム「Trimble Connect(トリンブルコネクト)」などを展開する米トリンブル社(カリフォルニア州)と、クラウド環境下でのオープンプラットフォームの開発における連携を開始したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。トリンブル社の「Trimble Connect」の技術やノウハウをもとに、日立建機およびトリンブル社でオープンなプラットフォームを開発することで、顧客の事務所から現場、建設機械の運転席まで、シームレスな情報の管理・活用を実現するのが狙い。また、日立建機が業務に則した使いやすいアプリケーションを開発し、顧客の現場で稼働する日立建機製建設機械や他社製ICT建設機械を対象に、最適なソリューションを提供するとしている。
■バンナムHD <7832> 3,320円 +35 円 (+1.1%) 本日終値
バンダイナムコホールディングス<7832>が反発し上場来高値を更新。傘下のバンダイナムコエンターテインメントがこの日、ⅤRをはじめとした最先端技術を活用したエンターテインメント施設を今夏、東京・新宿にオープンすると発表しており、これを好材料視した買いが入った。「VR ZONE Shinjuku」は、新宿・歌舞伎町の「新宿TOKYU MILANO」跡地に期間限定でオープンする予定で、延べ床面積は約3600平方メートルと国内最大規模のVR施設となる見通し。単なるVRゲームにとどまらない最先端のVRアクティビティーを提供する予定で、そのほかプロジェクションマッピングなどの技術を活用したインタラクティブな“アソビ”を楽しめるコンテンツを導入。さらに施設内には飲食や物販コーナーも設ける予定としている。
■東鉄工業 <1835> 3,190円 +30 円 (+1.0%) 本日終値
東鉄工業<1835>は3月に入り切り返し歩調を明示しており、3100円近辺の株価は追撃買いのチャンスといえる。鉄道工事会社で保守に強みを持ち、JR東日本<9020>向けが売上高の約80%を占めている。手持ち工事が豊富で山手線などのホームドアの新設工事や駅前商業ビルの民間建築工事、また首都圏直下型地震への対応による耐震補強工事が来期も寄与する見通し。さらに、東京五輪関連では競技会場の最寄り駅である千駄ヶ谷駅の改良工事などが業績に貢献する見込みだ。17年3月期営業利益は前期比2.6%増の128億円を見込むが、来期については136億~138億円と7%前後の成長が見込まれる。時価PER12倍台に割高感はなく、信用取組も売り買いともに枯れた状態で株式需給面からも上値は軽い。(銀)
■東ソー <4042> 1,019円 +7 円 (+0.7%) 本日終値
JPモルガン証券が6日、総合化学セクターに関するリポートを発表した。これによると、アジア地域での石化需給のタイト化に加え、国内エチレン設備の高稼働やポリオレフィンの値上げ浸透期待により、総合化学株は市場対比でアウトパフォームが続いているが、国内エチレンクラッカーの稼働率は既に100%に到達し、収率向上による利益改善は上限に達していると指摘。今後の銘柄選別は、コモディティの需給改善の確度と、非コモディティ製品の利益成長力が一層問われる展開となるとしている。中で、東ソー<4042>の投資判断「オーバーウエート」を継続しており、総合化学セクターのトップ推奨としている。株式市場ではMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)需給の緩和が懸念視されているとみるが、PVC(ポリ塩化ビニル)の需給改善によるスプレッドの拡大と、機能商品事業における主力製品群の能力増強効果の発現により、懸念は徐々に払拭されるとしている。また、三菱ケミカルホールディングス<4188>の17年度は、原油価格の上昇やライセンス収入の剥落が見込まれるが、クラッカーの操業トラブル解消や、エア・リキードや豪スパガスの買収フル寄与が見込まれる大陽日酸<4091>を抱えるケミカルズでは堅調な利益成長が確認できるとしている。
株探ニュース