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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

エコナック <日足> 「株探」多機能チャートより

■エコナック <3521>  68円 (+14円、+25.9%)

 東証1部の上昇率トップ。エコナックホールディングス <3521> が続急騰。同社は刺繍レース事業から撤退し、不動産事業などに業態転換。1日取引終了後、17年3月期の連結業績予想の修正を発表。営業損益を4600万円から7400万円(前期4億3900万円の赤字)へ、最終損益を100万円の黒字から2500万円の黒字(同4億8400万円の赤字)へ増額修正した。温泉施設「テルマー湯」の集客増加の一方で、開業負担の解消などが寄与している。100円未満という超低位株ならではの値ごろ感を発揮して個人投資家を中心とした短期資金を呼び込んだ。

■ワコム <6727>  492円 (+63円、+14.7%)

 東証1部の上昇率3位。野村証券が1日付でワコム <6727> の目標株価を290円→600円に大幅増額したことが買い材料視された。リポートでは、クリエイティブ向け新製品がプロフェッショナル市場で高評価を獲得していると指摘。ブランド製品を中心とする成長力を評価し、投資判断を「ニュートラル(中立)」→「バイ(買い)」に引き上げた。同証券では、17年3月期の連結営業損益を従来予想の10億円の赤字→5億円の赤字(会社計画も同じ)に上方修正。続く18年3月期は新製品サイクル一巡とコスト削減を踏まえ同損益予想を40億円の黒字→60億円の黒字、19年3月期は55億円の黒字→75億円の黒字に引き上げた。

■ディー・ディー・エス <3782>  936円 (+60円、+6.9%)

 ディー・ディー・エス <3782> [東証M]が7連騰し、連日で昨年来高値を更新した。1日、同社が「第14回情報セキュリティEXPO春」に指紋認証ソリューションを出展すると発表したことが買い材料視された。改正個人情報保護法に適用する機能追加を行った「EVE MA」および「EVE FA」を中心に展示する。5月30日に施行される改正個人情報保護法では、小規模事業者を含むすべての企業が個人情報取扱事業者として改正法の適用を受けることになる。同社では小規模から導入できる管理サーバーを必要としない指紋認証ソリューション「EVE FA Standalone Edition」も販売している。

■レノバ <9519>  2,138円 (+134円、+6.7%)

 レノバ <9519> [東証M]が反発、上場後の高値を更新した。同社は、2月23日にマザーズに上場したばかりの直近IPO銘柄で、公開価格を50%上回る1125円で初値をつけた後、セカンダリーでも快調に上値を追っている。1日はひと押し入れたものの、2日はすかさず切り返し高値2255円まで買われ、初値からさらに2倍化した。値動きの速さに着目した個人投資家を中心とした短期筋の買いを誘った。電力完全自由化に伴い新電力に位置づけられる銘柄群が注目されるなか、再生可能エネルギーによる発電事業を手掛け、成長期待が強い。そうしたなか2日、秋田魁新報朝刊で、同社など複数の企業が秋田県由利本荘市沖で大規模な洋上風力発電所の建設を計画していると報じられた。これについて同社は、「当社の発表に基づくものではない」としたうえで、秋田県由利本荘市沖合を候補地域に洋上風力発電事業を検討していることを開示しており、これが株価を刺激した。

■MDV <3902>  3,050円 (+153円、+5.3%)

 メディカル・データ・ビジョン <3902> が大幅続伸。同社は1日、メディパルホールディングス <7459> 子会社のメディエと診療データベースの完成を目的に協業すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。メディエは、医療材料の管理コード標準化などに取り組んでおり、現在では約100万件の医療材料の製品データベースを構築・提供している企業。MDVは昨年11月に業界初となる医療材料に関するメーカー別・製品別シェア分析調査サービスの提供を開始しており、メディエが持つ製品データベースの知見を融合することで、さらに精緻な分析結果の提供を目指す。なお、MDVは今春頃を予定している循環器領域を手始めに、データベースの構築が完了した領域から順次、分析データの提供を開始する予定だとしている。

■デンカ <4061>  615円 (+24円、+4.1%)

 デンカ <4061> が続伸し、昨年来高値を更新。同社は1日、4月1日出荷分から電子包材用シートをキロ当たり40円値上げすると発表。これによる採算改善などが期待されたようだ。値上げの理由は、ベンゼン・ナフサ価格の高騰が続くなか、電子包材用シートの主原料であるポリスチレンを供給するメーカー各社が値上げを表明していることが主な要因。コスト改善などの自助努力では原料の値上がりを吸収することが難しくなっており、今回の判断に至った。

■第一生命HD <8750>  2,256.5円 (+87円、+4.0%)

 第一生命ホールディングス <8750> が続急伸で2月15日の昨年来高値2247.5円を払拭したほか、T&Dホールディングス <8795> も続伸で昨年来高値更新目前まで上昇した。1日の米国株市場はトランプ米大統領の初の議会演説を受けて大幅高に買われたが、一方でFRBによる3月利上げの可能性が高まるなかで米長期金利も上昇、一段と利ザヤを取りやすくなるとの見方から生保株を買い進む動きが強まった。

■ポーラHD <4927>  10,170円 (+300円、+3.0%)

 ポーラ・オルビスホールディングス <4927> が5日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株の目標株価を9800円から1万2300円に引き上げた。レーティングは「オーバーウエイト」としている。17年12月期はしわ改善クリーム「リンクルショットメディカルセラム」の利益寄与が見込める。また、「育成ブランドなど高価格帯ブランドの増益」や「中期経営計画のROE目標12%および60%以上の高配当還元」を強気評価の要因に挙げている。「スキンケア×高価格帯」に集中するビジネスモデルは、他の消費財メーカーと異なり、マクロ環境の影響を受けず安定した利益成長が可能とみている。

■住友重機械工業 <6302>  838円 (+24円、+3.0%)

 住友重機械工業 <6302> が大幅続伸し昨年来高値を更新した。SMBC日興証券が1日付で同社の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を850円→960円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、17年3月期の営業利益予想を446億円→484億円(会社計画は430億円)、18年3月期を541億円→612億円にそれぞれ上方修正すると報告。17年3月期は足元の円安進行と環境・プラント事業の採算改善、18年3月期は日立住友建機クレーンの連結子会社化をプラス要因として挙げた。また、良好なバランスシートや追加費用リスクが相対的に小さいことなどを考慮すると、依然割安感が大きいと指摘している。

■日揮 <1963>  2,083円 (+58円、+2.9%)

 日揮 <1963> が3日続伸。SMBC日興証券が1日付で同社の投資判断「1(強気)」、目標株価2700円を継続し、引き続き造船・プラントセクターのトップピックとして評価すると報告したことが買い材料視された。リポートでは、17年3月期第4四半期にモザンビークFLNGの受注獲得が見込まれると報告。株式市場は依然同社の受注回復に懐疑的であるが、18年3月期もダウンストリーム(石油精製・石油化学)案件を中心に非LNGで受注を積み上げることは可能とし、受注環境は改善するとみている。足元の円安進行も考慮し、17年3月期の連結営業利益予想を6億円→76億円、18年3月期は409億円→429億円に上方修正した。

■東京エレクトロン <8035>  11,735円 (+325円、+2.9%)

 東京エレクトロン <8035> が続伸。1日の米国株市場は全面高に買われたが、そのなか半導体関連株の上値追いも顕著で、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1.6%の上昇をみせている。この流れが東京市場にも及んだ。IoT時代の到来で2020年には500億台もの端末がネットと接続されるとも試算され、つれて電子デバイスの需要も加速的に伸びることが予想されている。そのなか同社は世界トップクラスの半導体製造装置メーカーで、特に3次元NAND型フラッシュメモリーの普及に伴い同社が手掛けるエッチング装置などへの引き合いが今後一段と増加することが予想されており、「機関投資家の同社株組み入れニーズがさらに高まる」(国内証券)との見方も強いようだ。

■住友化学 <4005>  652円 (+18円、+2.8%)

 住友化学 <4005> が続伸。SMBC日興証券では1日付で同社株のレーティング「1」を継続するとともに、目標株価640円から720円に引き上げており、これが物色人気を増幅させた。同社は17年3月期営業利益を前期比27%減の1200億円と予想しているが、SMBC日興証券ではこれを保守的とみており、今回のレポートでは前回予想の1230億円から1350億円(前期比17.9%減)に上方修正している。また、為替が1ドル=110円以上の円安で推移すれば、18年3月期の増益確度が高いとしている。18年3月期営業利益については前回予想の1500億円から1580億円(今期予想比17.0%増)を見込んでいる。

■古河電気工業 <5801>  4,295円 (+115円、+2.8%)

 古河電気工業 <5801> が4連騰で新値追い。同社は1日、半導体の品質向上に大きく貢献する新型の半導体用テープの開発に成功したと発表。米株高やドル高・円安の進行など良好な外部環境も追い風となり、物色人気が高まった。新たに開発したのは、半導体ウエハーの製造方式で今後主流になるとみられる「レーザーグルービング(溝加工)+プラズマダイシング工法」向けの「プラズママスク付きバックグラインドテープ」および「エキスパンド分割用ダイシング・ダイアタッチフイルム」。同社は17年度下期から本格的な量産を開始するとしている。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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