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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

日本ペHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本ペHD <4612>  3,790円 (+100円、+2.7%)

 日本ペイントホールディングス <4612> が続伸、昨年9月1日につけた高値3725円を上抜き、約半年ぶりに昨年来高値に買われた。SMBC日興証券が1日付で同社株の目標株価を3650円から3950円に引き上げており(投資評価は「1」継続)、これが株高を後押しする格好となった。原料高や固定費増から17年12月期の実質ベースの増益率鈍化は不可避とみているが、一方で中期的な観点では、高水準の営業キャッシュフローを裏付けとしたM&A戦略をテコにグローバルな塗料産業においてプレゼンス拡大余地が大きいとの基本的な見方に変更はないとしている。17年12月期の営業利益予想については、前回予想の770億円から820億円に増額している(会社側計画は810億円)。

■東芝 <6502>  217.2円 (+5.7円、+2.7%)

 東芝 <6502> が続伸。1日のNYダウの上昇や為替の円安進行もあり、経営不安に揺れる同社株に見直し買いが流入した。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長が、東芝の半導体メモリー事業に対して出資に強い意欲を示した、と複数のメディアが報じたことも好感された。鴻海はシャープ <6753> [東証2]を買収した実績があり、その経験を生かす姿勢もみせている。

■住友金属鉱山 <5713>  1,610.5円 (+41.5円、+2.6%)

 住友金属鉱山 <5713> や三菱マテリアル <5711> 、DOWAホールディングス <5714> など非鉄株が軒並み高。トランプ米大統領は議会演説で、税制改革とともに1兆ドルのインフラ投資の実施を表明。インフラ投資に伴う銅やニッケル需要の増加などを期待する買いが流入した。銅価格は、1日のロンドン金属取引所(LME)の3ヵ月先物で、1トン当たり6016ドルと先月22日以来となる6000ドル台を回復した。ニッケルやアルミニウムも高い。三菱マの場合、米国でのセメント需要の増加も追い風となる。

■Jフロント <3086>  1,763円 (+43円、+2.5%)

 J.フロント リテイリング <3086> が反発。1日の取引終了後に発表した2月度の売上速報で、百貨店事業の合計売上高は前年同月比1.2%減となったが、前年が閏年であったため営業日数が1日少なく、また休日数も1日少なかったことなどを考慮すると増勢基調が続いていると判断したようだ。バレンタイン商戦が好調に推移したことや、化粧品、ラグジュアリーブランド、紳士服が売り上げを伸ばしたこと、さらにマフラーや手袋など防寒雑貨が活発に動いたとしている。

■コマツ <6301>  2,859円 (+60.5円、+2.2%)

 コマツ <6301> 、日立建機 <6305> が高い。トランプ米大統領の1日の議会演説では景気刺激策の柱のひとつであるインフラ投資を1兆ドル投入する方針にあることを表明、これが米国株大幅上昇を後押しする格好となった。これを受けて1日の米株市場でキャタピラーの株価は2%高と買われたが、この物色人気が東京市場にも波及している。このほか、ミニショベルなど小型建機を手掛ける竹内製作所 <6432> や建機用フィルターの製造・販売を手掛けるヤマシンフィルタ <6240> なども人気となった。

■高島屋 <8233>  1,028円 (+20円、+2.0%)

 高島屋 <8233> が反発。1日の取引終了後に発表した2月度の店頭売上速報で、高島屋単体と国内百貨店子会社を含む17店合計の売上高は、前年同月比1.0%減と4ヵ月ぶりに前年実績を下回ったが、閏年により営業日数が1日減となったことや土曜日が前年比1日減の影響が大きいと判断したようだ。紳士服や紳士雑貨、婦人服などのファッションアイテムが前年実績を下回ったほか、特選衣料雑貨、子供服ホビー、リビング用品などが前年比マイナスとなったが、化粧品を中心に好調が続く婦人雑貨のほか宝飾品が前年を上回ったという。また、バレンタインやプレミアムフライデーなどの営業施策も奏功したようだ。

■三菱UFJ <8306>  763円 (+14.8円、+2.0%)

 メガバンクが高い。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> が値を上げた。1日のニューヨーク市場では、米国の早期利上げ観測に経済指標の改善も加わり、米10年債利回りは2.45%まで上昇した。これを受け、利ザヤ改善の期待を背景にニューヨーク市場ではバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど大手銀行株が軒並み高となった。この流れに乗り、日本のメガバンクに買い人気が膨らんだ。

■太平洋セメント <5233>  416円 (+8円、+2.0%)

 太平洋セメント <5233> が3日続伸、住友大阪セメント <5232> が4日続伸と上値指向を強めた。1日のトランプ大統領の米上下両院合同会議での初となる演説内容が注目されたが、そのなかでトランプ氏はインフラ投資について唯一1兆ドルという具体的な数字を掲げ、議会に提出する意思を明らかにした。これを受けて、東京市場でも米インフラ投資拡大で恩恵を受けるセメントなどの建設資材関連株に物色の矛先が向かった。両銘柄とも相対的に出遅れ感があったが、昨年来高値更新が視界に入ってきた。

■三越伊勢丹 <3099>  1,452円 (+23円、+1.6%)

 三越伊勢丹ホールディングス <3099> が反発。1日の取引終了後に発表した2月度の国内百貨店事業売上速報で、三越伊勢丹合計の売上高(法人外商を除く)が前年同月比0.4%増となり、12ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。前年閏年のため営業日数が1日少なく、土日祝日も1日少なかったが、バレンタインやプレミアムフライデーで賑わった食品部門が牽引し、売り上げは全国合計でほぼ前年並みとなった。また、首都圏では基幹3店合計で食品、婦人雑貨が好調に推移。婦人・紳士衣料品はまだ動きが鈍く、前年を下回った。なお、店舗別ではセールが好調な千葉店が大幅に売り上げを伸ばした。

■野村ホールディングス <8604>  753.1円 (+11.2円、+1.5%)

 野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> などをはじめ証券株が高い。1日の米国株市場ではトランプ米大統領の議会演説を好意的に受け止めるかたちでNYダウが300ドルを超える大幅高をみせ、東京市場でもそのリスク選好ムードが波及した。日経平均は約3ヵ月にわたりボックス上限だった1万9600円ラインを突破、にわかに先高期待が高まってきた。証券株には投信などの運用成績向上や、個人投資家の市場回帰に伴う手数料収入の拡大など収益面の恩恵をポジティブ視した買いが誘導された。

■コンコルディ <7186>  611.2円 (+9円、+1.5%)

 コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> が3日続伸。1日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の1.01%にあたる1300万株(金額で50億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月3日から24日まで。

■LINE <3938>  3,915円 (+55円、+1.4%)

 LINE <3938> が反発。同社は2日、スペインのバルセロナで開催されている世界最大のモバイルカンファレンス「モバイルワールドコングレス2017」で、新たな戦略としてクラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」を発表したことを明らかにした。また、同時に「クローバ」を活用したバーチャルホームロボットの共同開発を目的に、ウィンクル(東京都千代田区)と資本・業務提携し、連結子会社化することで合意したと発表している。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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