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【特集】<話題の焦点>=東京五輪新種目決定でスポーツクライミング関連に脚光

ABCマート <日足> 「株探」多機能チャートより
 2020年開催の東京五輪で、正式種目に採用されたことで「スポーツクライミング」が一気に表舞台に浮上してきた。認知度の急速な高まりに伴いオリンピック開催に向けて競技人口の増加が見込まれるのはもとより、競技施設の拡大、使用する用具の需要増など関連企業のビジネスチャンスも広がりそうだ。

 もともと、自然の岩場を登るフリークライミングが30年ほど前から世界的な広がりをみせ、クライマー人口が飛躍的に増加した。これに伴い“競技”として取り組む機運が高まり本格的に国際競技会が開催され、スポーツとしての認知度が広がりをみせた。さらに、07年には、五輪での採用を見据えて競技名が「スポーツクライミング」に統一された。

 現在、人工壁で実施されるスポーツクライミングには、制限時間内に登った課題(コース)数で順位が決まる「ボルダリング」、1度のトライで、制限時間内にどこまで登れたかを競う「リード」、2人の選手が同時にスタートし、速くゴールしたほうを勝ちとする「スピード」の3種目がある。クライミング競技の国内人口は約50万人といわれており、ボルダリングワールドカップで年間総合優勝4回という輝かしい戦績を持つ野口啓代選手をはじめ、日本には有力選手がそろっている。

 関連用具としては、クライミングシューズ、滑り止め用のチョーク(炭酸マグネシウム)を入れるバッグ、ロープ、ハーネス(身体に装着し、安全確保用のロープを結んで固定するベルト)などがある。

 クライミングシューズ関連では、靴小売専門店最大手のエービーシー・マート<2670>。関連用品では、キャンプ用品や登山関連アパレルの製造販売専業のスノーピーク<7816>をはじめ、ヒマラヤ<7514>、アルペン<3028>といったスポーツ用品チェーン店でもビジネスチャンスが拡大しそうだ。競技施設では、セントラルスポーツ<4801>が複数のスポーツクラブ内にクライミングウォールの設置を進めている。

 このほかに、ネット関連出版のパイオニアとして知られるインプレスホールディングス<9479>が2006年に傘下に収めた山岳雑誌老舗の「山と渓谷社」は、雑誌「山と渓谷」に、スポーツクライミングの特集記事を頻繁に掲載しているのに加え、「山渓オンラインショップ」で登山用品やアウトドア用品の通販も展開している。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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