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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

タカタ <日足> 「株探」多機能チャートより

■タカタ <7312>  619円 (+100円、+19.3%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。タカタ <7312> が連続ストップ高。24日、同社が再建に関する一部報道についてのコメントを発表したことが引き続き買い材料視された。コメントでは、法的整理を前提に進められているかのような誤解を招きかねない一部報道により、混乱をきたしたことは遺憾であるとした上で、法的手段による再建を選択することは想定していないと発表した。これを受け、法的整理による再建の回避に期待する買いが続いた。

■サカイ引越センター <9039>  3,070円 (+259円、+9.2%)

 東証1部の上昇率6位。サカイ引越センター <9039> が続急騰。同社は関西を地盤とする引っ越し専業大手。25日後場取引時間中に発表した、17年3月期第3四半期累計(16年4月-12月)の連結売上高は558億8900万円(前年同期比7.0%増)と増収を確保、営業利益も47億1400万円(同1.0%増)と小幅ながら増益を堅持している。東海東京調査センターは25日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」でフォローしている。第3四半期に大幅増益となったが、第4四半期は季節的に引っ越し案件が集中する時期であり、同社の利益も大きくなることから、17年3月期通期営業利益計画(前期比5.7%増の71億7400万円)の達成確度は高いとの見方を示している。

■ジャパンディスプレイ <6740>  331円 (+27円、+8.9%)

 東証1部の上昇率7位。ジャパンディスプレイ <6740> が大幅続伸。25日の取引時間中、プラスチック基板を用いた5.5型フルハイビジョン液晶ディスプレーを開発したと発表したが、25日に続いてこれを好感した買いが入った。新製品「FULL ACTIVETM FLEX」は、TFTを形成する基板を従来のガラスに変えてプラスチックを用いることで超薄型化構造を実現したほか、その柔軟性を生かして曲面形状を容易に形成することができる“曲がる”ティスプレー。また、落下衝撃による基板の割れを防止するという。同社では、18年の量産開始を目指しており、スマートフォンだけではなく、ノートパソコンや車載製品などへの展開を検討していることから、業績への貢献が期待されている。

■日本バルカー工業 <7995>  1,685円 (+126円、+8.1%)

 東証1部の上昇率8位。日本バルカー工業 <7995> が3連騰し、昨年来高値を更新した。25日、同社は17年3月期の連結経常利益を従来予想の31億円→36億円に16.1%上方修正し、増益率が1.4%増→17.7%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。半導体装置向け樹脂製品やシリコンウエハーリサイクルの販売が好調で、売上が計画を上回ることが利益を押し上げる。併せて、創業90周年記念配当15円を実施する形で、今期の期末配当を従来計画の30円→45円(前期は5→1の株式併合前で6円)に増額修正した。25日終値ベースの期末配当利回りが2.89%に上昇し、配当取りを狙う買いも向かった。

■KOA <6999>  1,303円 (+93円、+7.7%)

 東証1部の上昇率9位。KOA <6999> が急反発で昨年来高値を更新。25日の取引終了後、未公表としていた17年3月期の連結業予想について、売上高445億6000万円(前期比2.0%減)、営業利益27億4000万円(同5.7%増)、純利益27億2000万円(同36.1%増)を見込むと発表しており、第3四半期累計の営業減益から一転して増益を見込んでいることが好感された。なお、同じく未公表としていた期末配当は14円とし、年間配当は前期と同額の28円を予定している。同時に発表した第3四半期累計(16年4-12月)決算は、売上高333億100万円(前年同期比3.1%減)、営業利益19億6200万円(同11.4%減)、最終利益20億7500万円(同19.1%増)だった。電子化の進行による自動車関連市場の拡大を背景に、アジアを中心に自動車向けが好調に推移したが、上期を中心に為替が円高で推移したことから減収減益を余儀なくされた。

■エボラブルアジア <6191>  3,320円 (+185円、+5.9%)

 エボラブルアジア <6191> [東証M]が大幅続伸し、昨年8月の1対3株の株式分割を考慮すると実質上場来高値を更新した。25日の取引終了後、民泊サイト「AirTrip(エアトリ)民泊」を26日にプレオープンすると発表しており、これを好感した買いが入った。「AirTrip民泊」は、合法にこだわり、特区民泊が認められている東京都大田区の物件に限りプレオープン。グランドオープンは4月を予定しており、旅行に不可欠な移動手段(航空券・新幹線)も同時に提供することで利便性を図る。なお、18年に物件登録数1万件、20年に同3万件を目指すとしている。

■日立化成 <4217>  3,295円 (+175円、+5.6%)

 日立化成 <4217> が3日続伸し、連日で昨年来高値を更新した。25日、17年3月期の連結税引き前利益を従来予想の490億円→545億円に11.2%上方修正し、従来の10.9%減益予想から一転して1.5%増益見通しとなったことが買い材料視された。スマートフォン向け半導体用材料などのエレクトロニクス関連製品が想定より伸びることが寄与。円安による収益押し上げ効果に加え、イタリア鉛蓄電池メーカーの買収効果も上振れに貢献する。なお、下期の想定レートを1ドル=100円→110円に見直している。

■野村ホールディングス <8604>  730.3円 (+34.4円、+4.9%)

 野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> など証券株への買いが目立った。米国株市場主導で運用リスクを取る動きが優勢となっており、東京市場も再びトランプ相場に乗って先高期待が高まっている。株高に伴う投信や自己売買部門の収益向上や、売買代金増勢のなかで手数料収入の拡大期待が証券株の上値を買う動きに反映されている。

■三菱UFJ <8306>  742円 (+30.8円、+4.3%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> が高い。メガバンクが再び買い優勢の展開となってきた。25日の米国株市場ではNYダウが2万ドル大台を突破、そのなかゴールドマン・サックス、シティグループ、JPモルガンなどの金融株が買われ全体相場を牽引しており、その流れが東京市場にも波及した。トランプ新政権下でのドッド・フランク法など金融規制緩和期待に加え、1月下旬に入り再び上昇傾向を強める米長期金利の動向は、日本のメガバンクにとっても追い風材料となった。

■コナミホールディングス <9766>  4,815円 (+195円、+4.2%)

 コナミホールディングス <9766> が続伸。26日、傘下のコナミデジタルエンタテインメントが昨年11月17日に配信を開始したモバイルゲーム「遊戯王 デュエルリンクス」が、配信後約2ヵ月で累計2000万ダウンロード(DL)を突破したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。「遊戯王 デュエルリンクス」は、約150の国と地域に向けて提供しているモバイルゲーム。トレーディングカードゲームの面白さを、スマートフォン向けに最適化しており、対戦(デュエル)の初心者でもチュートリアルによって気軽にゲームを始められ、オンライン対戦でいつでもどこでも友達や世界中のユーザーと自由に対戦を楽しむことができるのが特徴だという。

■キユーピー <2809>  2,899円 (+105円、+3.8%)

 キユーピー <2809> が続伸。同社は25日取引終了後に、今後の新たな事業展開に備え、定款の事業内容に「医療機器」を追加すると発表した。なお、同社は11日に17年11月期の増収増益予想と増配計画を発表済み。今期は売上高5650億円(前期比2.3%増)、営業利益330億円(同10.7%増)を見込み、年間配当は36円(前期は34円50銭)を計画している。

■信越化学工業 <4063>  10,100円 (+314円、+3.2%)

 信越化学工業 <4063> が3日続伸。同社は傘下に世界最大の塩ビメーカー、シンテック社(米テキサス州)を擁しており、米国のインフラ投資に対する期待が再燃するなか、今後、建設資材向けなどに塩ビ需要が拡大するとの観測が出ている。また、半導体需要が盛り上がるなかシリコンウエハー事業の一段の収益寄与も期待されている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,956円 (+269円、+3.1%)

 ソフトバンクグループ <9984> が3日続伸、連日の昨年来高値と気を吐いている。8900円台まで買われ、14年1月以来3年ぶりの高値圏に突入した。トランプ新政権発足とともに、トランプ大統領は大統領令を連発し「米国第一主義」を早くも前面に押し出す動きを鮮明としている。メキシコとの国境沿いでの「壁」の建設など、海外から見れば場当たり的で行き過ぎとみられる政策も順次実行する構えだ。しかし、これを米国株市場はポジティブに評価する流れにあり、25日のNYダウは遂に2万ドル大台を突破した。そのなか、海外企業もトランプ政策に乗る動きが強まっている。直近では台湾・鴻海精密工業の郭台銘会長が液晶パネル工場を米国に新設する検討に入ったことを表明したが、これに先立って、ソフトバンクの孫正義社長は昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利した後、いち早くトランプタワーで会談し、米国における500億ドル規模の投資を確約、雇用創出に貢献する意向を伝えており世界の耳目を集めた。トランプ相場の象徴的な銘柄として海外機関投資家の継続買いなどが観測された。

■ラック <3857>  1,201円 (+29円、+2.5%)

 ラック <3857> [JQ]が4日続伸したほか、トレンドマイクロ <4704> 、セキュアヴェイル <3042> [JQG]、デジタルアーツ <2326> などサイバーセキュリティー関連株が物色人気を集めた。あらゆるものがオンライン化されるIoT時代が本格化するなかサイバー犯罪の危険にさらされる可能性も依然より格段に高まっている状況だ。実際、我々が日常で使う家電製品をターゲットとしたウイルス「ミライ」が猛威を奮っている。また、監視カメラなどへのサイバー攻撃は3次元空間での犯罪との連動も考慮されるだけに事態は深刻だ。大手損保がサイバー攻撃などによる被害を補償する「サイバー保険」に注力していることが報じられたことなども時流を反映している。一方、国家レベルでも海外からのサイバー攻撃による機密漏洩などへの対処が喫緊の課題となっており、今月上旬のトランプ氏の記者会見時にロシアからの攻撃可能性について質問が浴びせられたことは記憶に新しい。日本も対岸の火事ではない。そうしたなか、政府は25日、サイバーセキュリティ戦略本部を首相官邸で開き、2017年度から20年の東京五輪までを対象に、重要インフラのサイバー対策に関する新たな行動計画案をまとめたことが伝わっており、関連銘柄の株価を改めて刺激している。

■三菱マテリアル <5711>  4,020円 (+90円、+2.3%)

 三菱マテリアル <5711> や住友金属鉱山 <5713> など非鉄株がしっかり。三菱マは、昨年10月に10株を1株とする株式併合を実施しているが、株価は実質ベースで15年12月以来、1年1ヵ月ぶりとなる4000円台に乗せた。銅価格は、ロンドン金属取引所(LME)の3ヵ月先物で1トン当たり5940ドル前後と15年6月以来、約1年7ヵ月ぶりの水準に上昇。米国のインフラ投資に伴う銅需要の拡大思惑が強まっている。三菱マの場合、米国でのセメント需要の増加も追い風となった。また、亜鉛などの価格も上昇しており、非鉄株の見直し要因に働いた。

■DIC <4631>  3,605円 (+80円、+2.3%)

 25日、インキ世界首位のDIC <4631> がプリント配線板用インキ大手の太陽ホールディングス <4626> と資本業務提携したと発表したことが買い材料視された。業務面では新しいプリント配線板用部材やプリンタブル方式の配線板材料の共同開発などを行う。資本面では、太陽HDが実施する第三者割当増資と自己株式処分、合計561万7300株(発行済み株式数の19.47%)を引き受け、同社を持分法適用会社化する。発表を受けて、太陽HDとの提携による競争力強化に期待する買いが向かった。

■gumi <3903>  1,104円 (+24円、+2.2%)

 25日、gumi <3903> が発行済み株式総数の3.66%にあたる110万株(金額で11億8800万円)を上限に、26日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は25日終値の1080円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■コマツ <6301>  2,838円 (+60円、+2.2%)

 コマツ <6301> や日立建機 <6305> といった建機株がそろって昨年来高値を更新。トランプ米大統領は米国内で石油パイプラインの建設を進める大統領令に署名したことを受け、今後インフラ投資拡大を推進するとの期待が浮上。大手建機には米国需要が膨らむとの見方が強まった。また、米国のインフラ投資などに絡み銅など非鉄価格が上昇した。これに伴い鉱山機械への需要が活発化するとの観測も強まった。

■大阪チタ <5726>  1,744円 (+33円、+1.9%)

 大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> 、東邦チタニウム <5727> がいずれも続伸。スポンジチタンを手掛けており、来期業績は急回復に向かう見通し。在庫調整を経て航空機業界向けの高水準の需要を取り込む可能性が高まっている。航空旅客需要は飛行距離ベースで2035年に15年比2.5倍になるとの試算も出ており、ボーイングなど航空機メーカーの増産志向は不変で中期的な追い風は強い。25日の米国株市場ではNYダウが初めて2万ドル台を突破したが、そのなかで値上がり率トップは10-12月期の最終利益が59%の伸びを示したボーイングだった。商用機の伸びが顕著で今後も業績好調が予想されており、ボーイングの好業績はスポンジチタン需要にも反映されるとの思惑がプラス材料となった。

■東芝 <6502>  258.5円 (+4.1円、+1.6%)

 東芝 <6502> が反発。ここ半導体事業の分社化を巡り出資企業に関する報道が相次いでおり、思惑錯綜のなか株価も260円近辺で強弱感が対立した。26日は、設立する新会社について外部から受け入れる出資比率を19.9%とする方針になったと一部メディアで報じられたほか、出資候補として新たに米半導体大手のマイクロン・テクノロジーの名前も浮上しているもよう。また、同社とNAND型フラッシュメモリーで連携する米ウエスタンデジタルの出資の可能性も引き続き意識されている。

■三和ホールディングス <5929>  1,122円 (+16円、+1.5%)

 三和ホールディングス <5929> が続伸。26日、日本スピンドル製造(兵庫県尼崎市)から学校間仕切を主力とする建材事業を4月に譲り受けると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回譲受する日本スピンドル製造の建材事業は、木製学校間仕切のパイオニアとして、市場においてトップシェアを有しているという。今回の譲受により三和HDは木製、スチール製を合わせた学校間仕切市場でトップシェアを確保することになり、同社が進める多品種化戦略に貢献すると期待されている。なお、同件による17年3月期業績への影響はないとしている。

■新日鐵住金 <5401>  2,803.5円 (+37.5円、+1.4%)

 新日鉄住金 <5401> が3日続伸で昨年来高値を更新。今月17日を境にトレンドは大きく変わっており、25日まで7営業日で下げた日はわずか1日のみ。2670円近辺を横に走る25日移動平均線を足場に上に放れてきた。中国政府は、鉄鋼生産能力の削減を公表しており、鉄鋼需給の改善が進んでいる。一方で中国は、積極的な公共投資拡大による景気刺激策を打ち出していることから鉄鋼の消費量も増加傾向をたどっている。米国ではトランプ大統領が1兆ドルのインフラ投資計画を掲げるなどで産業資材としての鉄鋼のニーズは世界的に高まる方向にある。東京市場でも東京五輪関連のインフラ特需などが反映され始めており、これが鉄鋼株への見直し買いにつながった。

※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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