【市況】新興市場見通し:大型株決算に関心向かえば押し目買いの好機に、シャノン上場
ジャスダック <日足> 「株探」多機能チャートより
先週の新興市場は、1月17日のメイ英首相演説や20日の米大統領就任式などの重要イベントを前に、相場全体に手控えムードが広がるなか、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数ともにもみ合いとなった。決算やリリースを受けた個別物色は見られたものの、東芝<6502>などの東証1部銘柄に個人投資家の物色が向かったこともあり、マザーズ市場の1日の売買代金は600億円-700億円台と低調に推移した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.8%であったのに対して、マザーズ指数は-0.8%、日経ジャスダック平均は-0.4%だった。
個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で3.7%高と引き続き堅調に推移する一方、そーせいグループ<4565>が同2.4%安、サイバーダイン<7779>が同6.5%安とさえない展開だった。売買代金上位では、通期業績予想の大幅な上方修正が好感されたGunosy<6047>が急伸したものの、メタップス<6172>は第1四半期の黒字転換にもかかわらず利益確定売りの流れに転じた。前週急伸したアスカネット<2438>も売られた。また、サイバーステップ<3810>が6営業日連続のストップ高で週間のマザーズ上昇率トップとなった。反面、通期利益予想を下方修正したバーチャレクス・コンサルティング<6193>が下落率トップだった。ジャスダック主力では、第3四半期の受注高・売上高実績が評価されたハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同7.8%高となったものの、セリア<2782>が同4.7%安と軟調だった。売買代金上位では、メガネスーパー<3318>がメガネ型ウェアラブル端末のイベント出展で急伸する場面があり、ユークス<4334>もAR(仮想現実)キャラクターのメジャーデビュー発表を受けて人気化した。また、山王<3441>は前週末比3倍高まで急伸する場面があった。一方、AKIBA HD<6840>は利益確定売りに押され週間のジャスダック下落率トップとなった。
今週の新興市場では、米大統領就任式などのイベントを通過したものの、1月23日の安川電機<6506>を皮切りに10-12月期の決算発表シーズンに入っていくことから、マザーズ指数は現行水準でのもみ合いが続きそうだ。当面は主力大型株の決算に市場の関心が向かいやすいだろう。ただ、新興市場で換金売りが強まる場面では、業績期待の高い銘柄を中心に押し目買いの機会と捉えたい。
今週は1月26日にエイトレッド<3969>、ニューフレアテクノロジー<6256>、27日に日本エス・エイチ・エル<4327>、東映アニメーション<4816>、インソース<6200>、沖縄セルラー電話<9436>などが決算発表を予定している。また、25日から26日にかけて「メディケアフーズ展2017」「高齢者生活支援サービス展2017」といった医療・ヘルスケア関連展示会が同時開催されるため、関連銘柄の動向にも注目したい。
IPO関連では、1月27日にシャノン<3976>がマザーズへ新規上場する。17年最初のIPOでクラウドサービス関連のテーマ性もあり、ブックビルディングでの引き合いは強かったという。公開規模も小さく、強い初値形成となりそうだ。なお、先週はレノバ<9519>(2月23日、マザーズ)、ユナイテッド&コレクティブ<3557>(2月23日、マザーズ)、フュージョン<3977>(2月23日、札証アンビシャス)の新規上場が発表されている。
《FA》
提供:フィスコ