【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):メタップス、ゲンキー、Gunosy
メタップス <日足> 「株探」多機能チャートより
16日、メタップス <6172> [東証M]が決算(国際会計基準=IFRS)を発表。17年8月期第1四半期(9-11月)の連結営業損益が3.1億円の黒字(前年同期は1.5億円の赤字)に浮上して着地したことが買い材料視された。オンライン決済を展開するファイナンス関連サービスの収益が拡大したことが寄与。関係会社株式売却益を計上したことなども黒字浮上に大きく貢献した。上期計画の3億円を既に4.3%上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。同日、東証が17日売買分から同社に対する信用取引の臨時措置(委託保証金率を50%以上[うち現金20%以上]とする)を解除すると発表。信用規制の解除により、資金流入の活発化を期待する買いも向かった。
■ゲンキー <2772> 6,480円 +570 円 (+9.6%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
16日、ドラッグストアを展開するゲンキー <2772> が17年6月期の連結経常利益を従来予想の35.2億円→42.5億円に20.7%上方修正。増益率が22.1%増→47.4%増に拡大し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。今期業績の上方修正は昨年11月に続き、2回目。コスト削減に加え、本部集約による店舗作業の標準化で販管費が想定を下回ることが利益を押し上げる。
■タカラバイオ <4974> 1,646円 +89 円 (+5.7%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
タカラバイオ<4974>が全般下落相場に逆行、26週移動平均線をサポートラインに上値を慕う展開にある。遺伝子工学を活用した研究開発を進捗させ、創薬メーカーへの飛躍が期待されている。がん細胞だけをウイルスが攻撃する画期的新薬として注目される腫瘍溶解ウイルス「HF10」に対する市場の関心が高いほか、キメラ抗原受容体を用いた「CAR-T細胞療法」と呼ばれるがん免疫遺伝子治療法の治験を開始する予定にあり将来性に注目が集まっている。前週11日には、キメラ抗原受容体を用いた遺伝子治療臨床試験の国内実施のため、再生医療等製品としての治験計画届けを医薬品医療機器総合機構に提出したことを発表している。
■ベクトル <6058> 1,181円 +37 円 (+3.2%) 本日終値
ベクトル<6058>が悪地合いのなかで買い優勢の展開。同社はネット媒体を中心に展開する独立系のPR会社大手で業績は絶好調に推移している。東海東京調査センターが16日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」目標株価1500円で新規にカバレッジしており、これが株価を後押ししている。同調査センターでは、継続的な戦略PRの案件増や今後における顧客単価増などによる高成長を見込み、18年2月期の営業利益について29億6000万円(今期会社側予想比40%増)を予想している。
■Gunosy <6047> 2,061円 +61 円 (+3.1%) 本日終値
Gunosy <6047> [東証M]が昨日ストップ高したのに続き、本日も大きく買われ上場来高値を更新した。17年5月期の連結経常利益を従来予想の8.6億円→14.2億円に64.3%上方修正し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが引き続き材料視された。ニュース配信アプリ「グノシー」「ニュースパス」の利用者拡大で広告収入が想定より伸びることが寄与。提携メディア数の増加でアドネットワークの収益が拡大することも上振れに大きく貢献する。
■日経Dインバ <1357> 2,045円 +59 円 (+3.0%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>が続伸。同銘柄は日経平均株価と逆方向に連動するETFで、基本的に日々の騰落率が日経平均のマイナス2倍になるような設定がなされている。米国主導のトランプ相場に陰りが出ており、全体相場はリスクオンの反動に晒されている状況。17日にメイ英首相が演説予定にあるなか、英国のEUからのハードブレグジット(強硬離脱)に対する懸念も見切り売りを助長しており、NF日経ダブルインバースの注目が高まっている。
■トクヤマ <4043> 464円 +11 円 (+2.4%) 本日終値
トクヤマ<4043>が高い。半導体設備投資需要は旺盛で、前日発表された11月の機械受注でも全体では前月比5.1%減と低調だったが、製造業では半導体製造装置などへの発注が68%増と高水準の伸びを確保した。同社はソーダ化学を発祥とする化学株だが、半導体用シリコンで世界屈指の実力を有しており、半導体関連株の側面で上値指向を強めている。信用取組も信用倍率1.3倍台と売り買い拮抗しており、需給面でも上値追いを後押ししている。
■任天堂 <7974> 23,585円 +385 円 (+1.7%) 本日終値
任天堂<7974>が3日ぶり反発。前週末に注目の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発表会を開催したが、2万9980円(米国では299.99ドル)に設定された販売価格が市場予想の上限に近かったことや、初期タイトルの少なさなどが普及を遅らせるとの思惑につながり、株価は下押していた。しかし、きょうは目先筋の売り一巡から戻り足に転じている。東海東京調査センターが16日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」継続でフォロー(目標株価は3万5000円)している。同調査センターでは、ニンテンドースイッチの価格について「競合のプレイステーション4を超えず、歴代の同社据置ハード機の発売時の水準であり妥当な設定という印象」としている。このほか、同日付で岡三証券、岩井コスモ、マッコーリーキャピタル証券など複数の調査筋から一斉に投資判断が開示されているが、概ね強気の見方で一致している。
■アニコムHD <8715> 2,330円 +35 円 (+1.5%) 本日終値
16日、ペット保険最大手のアニコム ホールディングス <8715> が月次動向を発表。12月のNB(ペットをこれから飼おうとする飼い主が対象でペットショップ代理店経由での契約)新規契約件数が前年同月比26.5%増の9206件に伸びたことが買い材料視された。前年比プラスは今期に入り9ヵ月連続で伸び率は今期最高となる。また、正味収入保険料も同10.5%増の24億円に拡大している。
■宇部興産 <4208> 271円 +4 円 (+1.5%) 本日終値
宇部興産<4208>は堅調。グループの宇部エクシモはきょう、自動車向けの基板材料として最適なフレキシブルプリント配線板(FPC)材料「ユピセルN-厚銅タイプ」および放熱基板材料「ユピセルH」の量産化、本格販売を発表。自動車のパワーモジュールやLEDライト向けの基板材料として採用拡大を目指すとしている。また、宇部興産はきょう、主に自動車部品やフイルムなどに使われるナイロン6樹脂製品を値上げすることを決め、ユーザーとの交渉を開始すると発表。主原料価格が高騰していることが背景にあり、事業収益の改善を行うことが目的だとしている。なお、同製品の値上げ表明は13年3月以来で、実施時期は2月1日出荷分からを予定している。
株探ニュース