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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):味の素、そーせい、石油資源

味の素 <日足> 「株探」多機能チャートより
■味の素 <2802>  2,335円  +103.5 円 (+4.6%)  本日終値
 味の素<2802>が4日続伸。同社は9日の取引終了後、子会社の味の素オムニケム社(ベルギー)とともに国内有数の核酸医薬品の開発・製造受託会社ジーンデザイン(大阪府茨木市)を子会社化することを発表した。ジーンデザインが持つ少量多品種の生産に優れた固相合成法や経験豊かな人財などを組み合わせることで、開発初期(固相合成による少量多品種の供給)から後期・上市後(液相合成による大量供給)に至るまでのオリゴ核酸の受託開発・製造事業が可能な体制を構築する。

■そーせいグループ <4565>  13,760円  +510 円 (+3.9%)  本日終値
 そーせいグループ<4565>が続伸となったほか、ペプチドリーム<4587>、タカラバイオ<4974>など時価総額上位のバイオ関連株が物色人気を集めた。市場では「全般主力株が上昇一服場面にあり、前週末から商いをこなせる流動性の高いバイオ関連に個人投資家資金のシフトが観測される」(準大手証券ストラテジスト)という。そーせいは直近では時価総額3000億円のペプチドリームに差をつけられているとはいえ、黒字バイオベンチャーとして両社は時価総額で双璧をなしている。創薬基盤技術を強みにメガファーマとの提携により業績を飛躍させ、傘下のヘプタレス・セラピューティクス社を原動力に成長路線を走ってきた。同社が権利の一部を保有し製薬世界トップのノバルティス社を販売元とするCOPD治療薬「シーブリ」と喘息治療を加えた配合剤「ウルティブロ」については既に日本やドイツで販売されているが、今後は米国という巨大市場での販売開始に期待が高まっている。そうしたなか、前週末はウルティブロについて、ノバルティス社が臨床試験の結果を発表し、既存薬に対し肺機能改善などで優位を示す結果が得られたことを発表、これを材料視する声も出ている。また、ペプチドリームは特殊なアミノ酸である特殊ペプチドを活用した医薬品候補物質を創製、独自の創薬プラットフォームシステム「PDPS」を活用して強固な収益基盤を確立し、国内外のメガファーマと数多く共同契約を締結していることで市場の注目度が高い。15年6月期に営業利益段階で約7倍の急変貌を遂げ注目されたが、16年6月期も同前期比83%の高い伸びを継続、その成長性の高さが注目されている。タカラバイオは遺伝子工学を駆使した医療分野での研究開発を進めており、そのなか腫瘍溶解ウイルス「HF10」は、がん細胞だけをウイルスが攻撃する画期的新薬として注目され、免疫活用型治療薬との併用に市場の関心が高い。来期にはキメラ抗原受容体を用いた「CAR-T細胞療法」の治験開始にも期待が大きい。

■石油資源開発 <1662>  2,894円  +105 円 (+3.8%)  本日終値
 石油関連株が高い。石油資源開発<1662>が急伸したほか、国際石油開発帝石<1605>も4日続伸で年初来高値を更新した。サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国の主要産油国は10日に開いた閣僚会合で協調減産に合意したことを受け、原油先物相場は、この日の時間外取引で急伸。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近1月物が一時1バレル54ドル超と前週末9日に比べ3ドル近く急伸している。

■かんぽ生命保険 <7181>  2,576円  +89 円 (+3.6%)  本日終値
 かんぽ生命保険<7181>が5連騰。大和証券が9日付で、投資判断を「3」から「2」とし、目標株価を2230円から2810円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、金利感応度が高く、超長期の金利上昇に対する期待が大きいことや、価格戦略の点で来年4月の保険料改定に向けて前向きな姿勢を示していること、さらに、商品戦略の点で来年1月に基幹系システムの更改を予定しており、来年度には新サービス・新商品の提供が容易となることなどを評価。また、上場生保内で株価の出遅れ感が鮮明も指摘している。

■九州電力 <9508>  1,287円  +25 円 (+2.0%)  本日終値
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で九州電力 <9508> の投資判断を「ニュートラル(中立)→オーバーウエート(強気)」に引き上げ、目標株価を1140円→1570円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、8日に川内原発1号機が原子炉を起動したとの報道を受けて、川内原発再稼働シナリオに変更すると報告。原子力利用率の見直し(燃料費減少)を踏まえ、17年3月期の連結営業利益を903億円→950億円(会社計画は1000億円)、18年3月期を1154億円→1190億円、19年3月期に1317億円→1488億円にそれぞれ上方修正した。

■IIJ <3774>  1,696円  +33 円 (+2.0%)  本日終値
 インターネットイニシアティブ<3774>が4日続伸。同社はこの日、インターネット回線やサーバなどのネットワークシステムをDDoS攻撃から防御する「IIJ DDoSプロテクションサービス」において、テラビットクラスの大規模な攻撃に対応する広帯域の新品目を追加し、2017年1月17日から提供を開始することを発表した。「IIJ DDoSプロテクションサービス」は、同社のバックボーンネットワーク内に分散配置したDDoS対策システムにより、顧客のネットワークに向けた攻撃を検知、防御するフルマネージド型のサービス。今回の新たな品目ではIPアドレス数による制限を撤廃し、顧客が契約しているインターネット回線の接続帯域全体を保護、一般的なDDoS対策サービスに比べて保護帯域のアドレス空間が広く、ISPやサービスプロバイダ、大規模システムを構築している一般企業にとって、導入しやすいというメリットがある。

■エイチ・アイ・エス <9603>  3,275円  +50 円 (+1.6%)  本日終値
 9日、エイチ・アイ・エス <9603> が決算を発表。16年10月期の連結経常利益は前の期比61.9%減の86.4億円に落ち込んだものの、続く17年10月期は前期比2.7倍の230億円にV字回復し、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は欧州テロの影響で低迷した海外旅行の受注が回復するほか、前期に67.9億円を計上した為替差損の解消などでV字回復を見込む。業績回復に伴い、今期の年間配当は前期比4円増の26円に増配する方針としたことも支援材料となった。

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