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【市況】新興市場見通し:米FOMC通過後は中小型株の出遅れ修正、IPOラッシュに

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、米国市場でのトランプラリー継続などを背景に日経平均が一時19000円台を回復するなか、相対的に低調となった。マザーズ指数はそーせいグループ<4565>など主力株の上値の重さが嫌気されて下落が続き、週末にようやく反発を見せた。一方、日経ジャスダック指数はテーマ株や材料株の循環物色が続き堅調な展開だったが、週末にかけて利益確定売りに押された。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.1%であったのに対して、マザーズ指数は-0.2%、日経ジャスダック平均は+0.2%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で5.2%高と堅調だった一方、そーせいグループが同6.7%安、サイバーダイン<7779>が同3.4%安となった。そーせいグループは医薬品・バイオ株安の影響で下げ足を速めたが、週末には同社製品の良好な試験結果が伝わったことなどで急反発した。売買代金上位ではメタップス<6172>が大幅高となり、モブキャスト<3664>は利益確定売りに押された。また、ディー・ディー・エス<3782>はリリースが材料視されて週間のマザーズ上昇率トップとなった。反面、テーマパークの開業延期を発表したフィンテックグローバル<8789>などが売られた。ジャスダック主力では、セプテーニ・HD<4293>が同3.2%高となったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同7.3%安、平田機工<6258>は同15.6%安と下げが目立った。売買代金上位ではZMP<7316>関連のフューチャーベンチャーキャピタル<8462>が週末にストップ安比例配分となり、ピクセルカンパニーズ<2743>などのカジノ関連も大きく下げた。一方で協業ゲームアプリへの期待が高まった日本一ソフトウェア<3851>やサイバーセキュリティ関連のテリロジー<3356>が週間のジャスダック上昇率上位となった。IPOでは、12月7日にイントラスト<7191>、8日にグッドコムアセット<3475>が新規上場し、ともに公開価格を3割強上回る堅調な初値形成となった。

今週の新興市場では、中小型株の出遅れ修正の動きが強まりそうだ。12月13日から14日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)通過後は海外投資家のクリスマス休暇が意識され、このところソフトバンクグループ<9984>などの東証1部銘柄に向かっていた個人投資家の資金も中小型株にシフトすると考えられる。

今週は12月14日にサンバイオ<4592>、15日にジェネレーションパス<3195>、エニグモ<3665>、スリー・ディー・マトリックス<7777>などが決算発表を予定している。エニグモの今期業績は当初計画を大きく上回って推移しており、15日に発表される第3四半期決算も注目される。また、市場では15日のロシア・プーチン大統領来日やスマートフォン向けゲーム「スーパーマリオ ラン」配信開始への関心が高く、ロシア関連や任天堂<7974>関連とされる銘柄の動向を注視しておきたい。

IPO関連では、12月14日にキャリアインデックス<6538>、15日にMS-Japan<6539>、16日にシンシア<7782>がいずれもマザーズへ新規上場し、IPOラッシュへと入っていく。キャリアインデックスやMS-Japanは公開規模が大きいものの、実態面に対する評価は高いようだ。なお、19日に予定されていたZMPの上場延期が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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