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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

新日鉄住金 <日足> 「株探」多機能チャートより

■ぐるなび <2440>  2,236円 (+60円、+2.8%)

 ぐるなび <2440> が反発。7日付で岡三証券がレーティングを「中立」から「強気」へ引き上げ、目標株価を2800円に設定した。株価の調整により割安感が出てきたと判断、拠点の拡充による地方での加盟店増加に加え、外国語版をフックとした大都市圏での獲得も順調で、飲食店の目線に立ったサービス提供が改めて評価されていると指摘している。

■新日鐵住金 <5401>  2,730.5円 (+68円、+2.6%)

 新日鉄住金 <5401> やジェイ エフ イーホールディングス <5411> など 鉄鋼株が高い。米トランプ次期大統領によるインフラ投資での鉄鋼需要への期待が強まっているほか、原料炭の上昇による薄板の値上げの動きなどが評価されている。海外で米USスチールや欧州のアルセロール・ミタルの株価が急上昇していることから、日本の鉄鋼株にも連想買いが流入した様子だ。

■ゲオホールディングス <2681>  1,318円 (+32円、+2.5%)

 ゲオホールディングス <2681> が3日続伸。7日の取引終了後、子会社ゲオインタラクティブが全国のゲオショップ213店舗で電子コミックのレンタル事業「GEOマンガ」を開始したと発表しており、新事業への期待感から買いが入った。「GEOマンガ」は、メディアドゥ <3678> が電子書籍の配信に必要なシステムと電子書籍コンテンツを提供してスタートするもので、スマートフォンでレンタルしたいコミックを選択し、ゲオショップのレジで決済すると、購入後15日間、開封時から3時間閲覧できる電子貸本サービス。レジでの決済は現金のほか、ゲオのオリジナルプリペイドカード「ルエカ(Lueca)」でも支払いができ、セルフレジも利用可能だという。なお、価格は1冊60円(税別)からで、サービス開始時は約2000タイトルが対象としている。

■錢高組 <1811>  537円 (+12円、+2.3%)

 銭高組 <1811> が9連騰。同社は大阪を本拠とする老舗ゼネコンでトンネル工事に強みを持っており、 リニア中央新幹線工事では本格工事第1弾で山岳トンネルとして日本最長、最難関区域ともいわれる南アルプストンネル工事を大成建設 <1801> などとJV(ジョイントベンチャー)で受注した実績を持っている。品川―名古屋間全長285キロメートルを結ぶリニア中央新幹線は東京五輪7年後の2027年に開業予定、その後は大阪までの延伸工事については政府がJR東海 <9022> をバックアップし、財政投融資の活用で最大で8年の短縮を図る方針だ。名古屋駅でリニア中央新幹線の本格工事を19日に開始する予定で関連有力銘柄の一角として人気が再燃した。

■みずほFG <8411>  219.4円 (+3.1円、+1.4%)

 みずほフィナンシャルグループ <8411> が3日続伸。ここにきてメガバンクの物色人気が再燃するなか、同社株も上値追い基調が鮮明だ。株価が低位に位置していることもあって売買代金は三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などに届かないが、売買高ベースでは連日東証1部の首位をキープしており、マーケットの注目度の高さをうかがわせる。PBRの割安さや配当利回りの高さなどから水準訂正余地は依然として大きい。そうしたなか、個別の買い材料も出現している。8日付の日本経済新聞は「(同社は)日本IBMと組み、仮想通貨『みずほマネー』を開発した」と報じており、これを手掛かりに個人投資家などの買い意欲を誘った。「ブロックチェーン」技術を使う見通しで、記事は「(同社は)今後、利用者同士がスマートフォンを通じて通貨をやりとりしたり、新たな決済サービスなどに活用できないかを検討する」と伝えており、今後の展開が注目される。

■伊藤園 <2593>  3,520円 (+45円、+1.3%)

 伊藤園 <2593> が上伸。同社は7日の取引終了後、11月度の月次売上高を発表、合計で前年同月比3.6%増となった。その内、ドリンク事業は同3.2%増。内訳では機能性飲料が同10.0%増、野菜飲料が同7.6%増、紅茶飲料が同5.9%増、果実飲料が同4.3%増、コーヒー飲料が同3.4%増、日本茶・健康茶飲料が同1.1%増と好調ながら、中国茶飲料が同13.0%減と不振だった。

■三井物産 <8031>  1,690円 (+21円、+1.3%)

 大手商社株が軒並み高。三井物産 <8031> のほか、伊藤忠商事 <8001> や三菱商事 <8058> 、丸紅 <8002> などが、そろって新高値に買われた。足もとで銅、ニッケルなどの非鉄市況が上昇しているほか、穀物などの比重が高いCRB指数も大幅に上昇している。三井物産の場合、株価は配当利回り2.97%前後、連結PBRは0.9倍台の水準にありバリュエーション的にも割安感が指摘されている。

■東京楽天地 <8842>  514円 (+6円、+1.2%)

 東京楽天地 <8842> が反発。7日の取引終了後、従来3円を予定していた17年1月期の期末配当について、来年2月に創立80周年を迎えることを記念して記念配当2円を実施し、計5円にすると発表した。これにより年間配当は8円となり、前期の年6円に比べて2円の増配となる。同時に発表した第3四半期累計(2-10月)連結決算は、売上高80億5700万円(前年同期比18.1%増)、営業利益10億9200万円(同9.5%減)、純利益6億9900万円(同12.8%減)だった。主力の不動産賃貸関連事業で昨年12月に開業した浅草ビルが期首から寄与したことに加えて、娯楽サービス関連事業では大ヒットを記録しているアニメ映画「君の名は。」をはじめ「シン・ゴジラ」「ズートピア」などが好稼働し増収を確保した。ただ、浅草ビルの減価償却費や宣伝費の増加などが利益を圧迫し、営業利益は減益を余儀なくされた。なお、17年1月期通期業績予想は、売上高105億円(前期比12.1%増)、営業利益13億円(同22.1%増)、純利益7億5000万円(同8.0%減)の従来予想を据え置いている。

■ケーヒン <7251>  1,966円 (+22円、+1.1%)

 ケーヒン <7251> が3日続伸。同社は、二輪・四輪車向けにエンジンや空調などの部品を手掛けている。為替は1ドル=113~114円近辺で推移しているが、同社の下期以降の為替レートは1ドル=100円を前提としており、円高影響で下方修正した17年3月期営業利益235億円の上振れが期待できる。また、主要取引先のホンダ <7267> の生産台数は足もと増加傾向にあり、これも業績の押し上げに寄与しそうだ。株価は上昇局面にあるものの、PBRは0.9倍台にあり依然として割安感がある。

■帝人 <3401>  2,326円 (+23円、+1.0%)

 帝人 <3401> が4日続伸。7日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「ニュートラル」を継続ながら目標株価を1950円から2300円へ引き上げた。ポリカーボネート(PC)のスプレッドが従来予想以上に良好なことから17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の530億円(前期671億3000万円)に対して従来予想の550億円から570億円へ、18年3月期を610億円から620億円へ引き上げている。

■東京エレクトロン <8035>  10,070円 (+98円、+1.0%)

 東京エレクトロン <8035> が続伸。また、シリコンウエハーを手掛ける信越化学工業 <4063> やSUMCO <3436> 、電源ICを手掛けるサンケン電気 <6707> 、車載マイコンの大手ルネサスエレクトロニクス <6723> など半導体関連セクターに継続的に資金が流入した。データセンターの増設に伴うHDD代替需要や高機能化が進むスマートフォン向けデバイスとして3次元NAND型メモリーの市場が拡大傾向にあり、半導体業界全体の設備投資意欲を刺激している。今後も安全システムの導入や自動運転の普及などで電装化が加速する自動車向け需要のほか、IoT時代の進展に伴う家電のオンライン化など構造的な半導体需要の増勢が予想されており、関連銘柄の水準訂正が進む可能性がある。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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