【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
ディディエス <日足> 「株探」多機能チャートより
■ディー・ディー・エス <3782> 382円 (+80円、+26.5%) ストップ高
ディー・ディー・エス <3782> がストップ高。7日の取引終了後、同社のオンライン認証ソリューション「magatama(マガタマ)」プラットフォームが、日本ヒューレット・パッカード(東京都江東区)の提供する次世代オンライン認証規格FIDO(Fast IDentity Online)認証基盤構築サービスに採用されたと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。FIDO認証は、IDやパスワードに替わる新しいオンライン本人認証規格で、14年12月のFIDO1.0の正式発表から約2年が経過し、国内で大手通信事業者やメガバンクなどがFIDOアライアンスへの加盟や自社システムへの導入を進めている。両社では、既に「magatama」プラットフォームを利用したFIDO認証基盤構築サービスを大手企業から共同受注しており、これを機に協力して日本市場におけるFIDO認証基盤の普及を推進するとしている。
■オルトプラス <3672> 407円 (+80円、+24.5%) ストップ高
東証1部の上昇率トップ。オルトプラス <3672> がストップ高。7日の取引終了後、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(東京都港区)子会社のフォワードワークスとスマートフォン向け新規タイトルで協業すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。オルトプラスのスマートフォンゲームにおける企画・開発・運営のノウハウと、フォワードワークスが扱うソニー・インタラクティブエンタテインメントの「 PlayStation」専用ソフトウエアを中心とした豊富で良質なコンテンツを組み合わせることで、本格的なゲームタイトルをスマートデバイスで実現するのが狙い。第1弾として、「PlayStation」を代表する名作RPG「アーク ザ ラッド」の新作の開発をオルトプラスが担当し、フォワードワークスが配信を担当する予定。さらに、「サクラ大戦シリーズ」などの作品を手掛けた広井王子氏が原作・総監督を担当する新作タイトル「ソラとウミのアイダ」についても、運営業務をオルトプラスが担当し、フォワードワークスが配信元となる予定だという。
■土屋ホールディングス <1840> 199円 (+27円、+15.7%)
土屋ホールディングス <1840> [東証2]が続急騰。7日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の2.35%にあたる60万株(金額で1億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は12月8日から17年5月31日まで。同時に決算を発表。17年10月期の連結経常利益が前期比29.1%増の3.1億円に伸び、年間配当も同1円増の5円に増配する方針としたことも支援材料となった。
■ドリコム <3793> 1,324円 (+179円、+15.6%) 一時ストップ高
7日、ドリコム <3793> [東証M]がソニー・インタラクティブエンタテインメント子会社のフォワードワークスと、スマートフォン向けゲームアプリ「みんゴル」を共同開発すると発表したことが買い材料視された。「みんゴル」は誰でも簡単にゴルフゲームを楽しめる作品として不動の地位を築いてきたPlayStation用ソフト「みんなのGOLF」シリーズのスマートフォン版。17年春の配信開始を予定している。発表にあわせてフォワードワークスがプロモーションビデオを公開した。発表を受けて、人気ゴルフゲームのスマートフォン版のリリースによる業績への寄与に期待する買いが殺到した。
■日本一ソフトウェア <3851> 795円 (+100円、+14.4%) ストップ高
日本一ソフトウェア <3851> [JQ]がストップ高。7日、同社がPlayStation用ソフト「魔界戦記ディスガイア」「夜廻」のスマートフォン向けアプリを制作すると発表したことが買い材料視された。両タイトルともソニー・インタラクティブエンタテインメント子会社のフォワードワークスと共同で制作する。発表を受けて、人気タイトルのスマートフォン版の配信による収益貢献に期待する買いが殺到した。
■日東製網 <3524> 2,130円 (+209円、+10.9%)
東証1部の上昇率5位。日東製網 <3524> が続急騰し、年初来高値を更新した。7日、同社は17年4月期上期(5-10月)の決算を発表。連結経常利益が前年同期比91.3%増の5.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。北海道地区を中心に付加価値の高い定置網の販売が伸びたことが寄与。生産効率化やコスト削減なども大幅増益に貢献した。通期計画の9.5億円に対する進捗率は62.2%に達しており、業績上振れを期待する買いが殺到した。
■シャープ <6753> 248円 (+21円、+9.3%)
シャープ <6753> [東証2]が4連騰。同社は7日、2~6人程度の少人数のミーティングに適した40型サイズの液晶タッチディスプレーを発売すると発表した。来年2月上旬の発売を予定している。経営再建に向け台湾・鴻海精密工業との技術面でのシナジーが期待されるなか、業績回復に寄与する新製品として株価を刺激した。
■ソフトバンクグループ <9984> 7,792円 (+405円、+5.5%)
ソフトバンクグループ <9984> が続急騰。同社の孫正義社長が現地時間6日午後にトランプ次期米大統領とトランプタワーで会談、米国のビジネスに500億ドル(日本円で約5兆7000億円)を投資し、5万人の新たな雇用を創出することで合意したことで、同社株に対する注目度が世界的見地からもがぜん高まった。トランプ氏との関係強化により米国でのビジネス展開が今後円滑に進む可能性も意識されており、さしあたっては同社が傘下に収めている米携帯電話4位のスプリントと、同3位のTモバイルとの統合機運が再浮上していることが、有力な買い手掛かり材料となった。また、孫社長は7月中旬に英国の半導体設計大手アーム・ホールディングスに対する日本円にして3兆3000億円の超大型買収を決めており、同社の中長期的な成長に絶対的な自信を持っていることが伝わるなかで、半導体関連銘柄への物色人気も誘発した。
■グリー <3632> 623円 (+31円、+5.2%)
グリー <3632> が続伸。7日の取引終了後、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(東京都港区)子会社のフォワードワークスとスマートフォン向けゲームアプリの開発で協業し、PlayStation用RPG「WILD ARMS」を題材としたタイトルを共同開発すると発表しており、これを好感した買いが入った。同協業では、グリーがデベロッパーとなり開発およびアプリ運営などを行い、フォワードワークスがパブリッシャーとして配信業務を行う。今回、開発が発表された「WILD ARMS」シリーズは、西部劇とファンタジーの融合による斬新な世界観、美しい音楽、そして異世界「ファルガイア」を舞台とするロマン溢れる冒険のストーリーで、今なおファンからの根強い支持を受けるシリーズとなっている。なお、タイトルの詳細はフォワードワークスが後日改めて発表する予定。また、ソニー <6758> グループによるスマホゲーム本格参入の一環としても注目されている。
■中国電力 <9504> 1,390円 (+56円、+4.2%)
中国電力 <9504> が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が7日付で同社の投資判断「オーバーウエイト(強気)」を継続し、目標株価を1680円→1780円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、同証券の17年3月期配当金見通しが50円と高水準である点が相対的にポジティブと判断。また、11月29日に5.03%にあたる1825万株を上限に自社株買いすると発表したことにも注目している。ただ、足元の原油価格の上昇を踏まえ、17年3月期の連結営業利益券予想を719億円→515億円に下方修正した。
■日揮 <1963> 2,141円 (+84円、+4.1%)
日揮 <1963> が反発。同社は8日、アルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック社)が操業するガス処理プラント向け分離・昇圧設備の増設プロジェクトを受注したと正式発表。既に6日付の日本経済新聞が報じていたが、改めて業績への寄与などが期待されたようだ。このプロジェクトは安定生産を維持する目的で、ソナトラック社が同国ハッシルメル地区で操業するガス処理プラント向けの原料ガスを昇圧する設備を増設するもの。契約金額は約1200億円で、工期は38ヵ月を予定している。
■日立金属 <5486> 1,608円 (+60円、+3.9%)
日立金属 <5486> が3日続伸、年初来高値を更新した。7日付でみずほ証券が投資判断を「中立」から「買い」へ、目標株価を1230円から1840円へ引き上げた。工具鋼などの在庫調整が進展し産業機器向けに磁性材料の需要が回復してきたこと、鉄鋼他社比では販売単価が高い分、原料・燃料費率が低く、足もとの原料高、今後予想されるエネルギーコスト上昇の影響は限定的であること、北米事業の軸であるワウパカ社は地産地消型のビジネスであり、トランプ新大統領が国内鉄鋼業の需要振興、保護政策を行えばその恩恵を享受すると指摘している。
■コマツ <6301> 2,813.5円 (+96.5円、+3.6%)
コマツ <6301> が続伸。米トランプ次期大統領のインフラ投資に絡み建設機械需要が伸びるとの期待が強い。米国ではキャタピラー株が上昇していることから、コマツにも買いが流入したようだ。また、足もとの非鉄価格上昇で鉱山機械部門の業績も回復する、との観測も出ている。
※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース