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【特集】博展 Research Memo(5):スプラシアを完全子会社化、シナジー創出により更なる成長を目指す

博展 <日足> 「株探」多機能チャートより

■成長戦略の進捗

博展<2173>は、顧客との長期的な関係構築を前提としたマーケティング・パートナーへと進化を図っていく中期ビジョンのもと、新規事業やグローバル展開を柱とした中期経営計画を進めているが、2017年3月期第2四半期の主な取り組みとして、以下のような進展があった。

(1)スプラシアの完全子会社化

同社は、今年6月に先端デジタル技術を駆使した付加価値の高いマーケティング支援を展開しているスプラシアを簡易株式交換により完全子会化した。スプラシアが持つ企画力、技術力及び商品力を取り入れることにより、シナジー創出の早期実現と、その最大化を図るところに狙いがあるとみられる。スプラシアは、独自開発の動画合成エンジンを用いた動画編集、タブレット端末対応のデジタルサイネージ、法人顧客向けアプリの開発等を手掛けているが、特に、「イベントプロモーション」や「展示会」等への転用が見込め、集客からデータベースを活かしたマーケティング支援までを可能とするプラットフォームを早期に立ち上げる方針である。

(2)タケロボによる「IBM Watsonエコシステムプログラム」への参加

サービスロボットの開発、販売を手掛けるタケロボは、ソフトバンク(株)(ソフトバンクグループ<9984>)が日本アイ・ビー・エム(株)と共同で展開する「IBM Watsonエコシステムプログラム」への参加のため、今年7月にパートナー契約を締結した。本件により、タケロボの提供するマスコットロボット「ロボコット」の稼働において、これまでのタッチ画像、表情、音声発声、駆動などでのやりとりに加え、IBM Watsonによる自然言語対話でのコミュニケーションも可能となり、利便性が大幅に向上するとともに、利用シーンの拡大が見込まれている。また、ロボットとITシステムの連携によりIBM Watsonの高度な分析能力が発揮されることから、同社グループのシステム会社(アイアクト、スプラシア)との連携により、ロボットのセンサー、画面、対話などにより取得する多様なデータとITシステムが保有するビッグデータを合わせ、従来のシステムでは導くことのできなかった新たな発見にも期待が寄せられている。

なお、「ロボコット」については、金融機関や大型施設、IT機器メーカー等による問い合わせや発注量が増加していることから、今年3月に量産化を決定したが、本件によりAIやコグニティブといった注目されている最先端のIT技術の活用に向けた開発へと戦略の軸足を移す方針とみられる。

(3)「サステナブル・ブランド ジャパン」メディア・サイトの公開

同社は、昨年12月に米サステナブル・ライフ・メディア社(以下SLM社)と、SLM社がグローバルに展開する「サステナブル・ブランド国際会議」を日本で開催するためのパートナーシップ契約を締結した。今年6月にはサステナブル・ブランド(以下、SB)事業を加速するため、日本発のSB情報発信を目指した「サステナブル・ブランド ジャパン」メディア・サイトを公開した。経営戦略の大きな課題となっている「サステナブル(持続可能性)」をテーマに、ビジネスパーソンに向けた情報サイトとなっている。

同社は、今年4月にグローバルビジネス事業開発本部を設置、来年3月には「サステナブル・ブランド国際会議 東京」の開催も予定しており、SB事業の本格展開に向けてスタートを切った。注目度の高い国際会議の主催者となることにより、実績や経験、名声を獲得するところに大きなメリットがあると考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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