【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):ルネサス、大同特鋼、トヨタ
ルネサス <日足> 「株探」多機能チャートより
ルネサスエレクトロニクス<6723>が続伸で新値街道を走る展開。半導体関連の一角として投機資金を呼び込んでいるが、足もとの業績実態も改善色が強い。自動車のエレクトロニクス化進展は車載向けICを主力に手掛ける同社にとって収益環境は追い風だ。四半期決算ベースで16年10~12月期は7~9月期と比較して最終利益段階で約9割増と急回復する見通しにあり、買い安心感が働いている。株式需給面では信用売り残が買い残を上回っており、信用倍率は0.8倍、日証金では逆日歩がつく株不足の状態にある。空売り筋による踏み上げ(損失覚悟の買い戻し)の動きを促していることも上げ足を強くしている。
■大同特殊鋼 <5471> 477円 +8 円 (+1.7%) 本日終値
11月30日、大同特殊鋼 <5471> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.46%にあたる200万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は12月1日から17年1月20日まで。
■GCA <2174> 933円 +14 円 (+1.5%) 本日終値
GCA<2174>が3日ぶりに反発。この日朝方、子会社GCA FASが、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場TOKYO PRO Marketに関してJ-Adviser資格取得の認証を得たと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。J-Adviserは、取引所から自主規制業務(上場審査など)の委託を受け、取引所に代わって審査を実施するほか、上場後も担当会社の開示体制についてサポートするための資格。これを取得したことで、同市場を大企業のカーブアウトIPOや中堅中小企業の事業承継の受け皿として捉えることにより、クライアントに新たな資本政策の選択肢を提供することができるようになったとしている。また、これを機に同社では、事業承継マーケットに本格参入すると発表しており、これも好材料視されているようだ。事業承継を視野に入れている非上場企業に対して、同市場の活用を通じた経営体制の改善サポートを提供することで、円滑な承継を図るとしている。
■ASB機械 <6284> 2,409円 +35 円 (+1.5%) 本日終値
日精エー・エス・ビー機械<6284>に継続的な買いが流入。ペットボトル成形機を手掛けるがインド向け需要が好調で業績成長が続いている。「10月にドイツで開催された業界最大級の展示会『K2016』で欧米向け中心に大口の引き合いを得たほか、静岡工場の増設などで稼働能力も増強。新型機の商談も進捗している」(市場関係者)状況にあり収益への貢献が期待されている。16年9月期は営業利益段階で前の期比18.4%増の伸びをみせたが、17年9月期も10.5%増の50億円予想と2ケタ増益を継続する見込み。
■夢真ホールディングス <2362> 756円 +9 円 (+1.2%) 本日終値
夢真ホールディングス<2362>が続伸。同社は30日、ビッグデータやクラウドシステムに強みを持つKeepdataの議決権比率53.7%の株式を取得(取得額は約3億円)して子会社化すると発表、これが好感されるかたちで買われた。夢真HDはフィンテックや人工知能(AI)、VR、AR、IoTなどの分野に本格参入の意向にあり、その経営戦略が株価を刺激している。
■ココカラファイン <3098> 4,230円 +40 円 (+1.0%) 本日終値
ココカラファイン<3098>は続伸。同社は11月30日の取引終了後、11店舗の調剤薬局事業を展開する東邦調剤(東京都国分寺市)を子会社化することを発表した。今回の子会社化により、エリアにおけるドミナントを深耕し、地域におけるヘルスケアネットワークの構築を推進していく。
■トヨタ自動車 <7203> 6,707円 +58 円 (+0.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、富士重工業<7270>、ホンダ<7267>など自動車株が買い優勢の展開。OPEC減産合意による原油価格の急騰を受けリスクオンの流れが強まっており、この流れを映し外国為替市場ではドルを買う動きが加速、足もと1ドル=114円台後半まで円安が進行している。為替感応度の高い自動車セクターは円安進行に伴う輸出採算改善期待を背景に物色資金を呼び込んでいる。トヨタ、富士重、ホンダは下期想定為替レートを1ドル=100円で設定していることもあって、利益押し上げ効果が期待される状況だ。
■長瀬産業 <8012> 1,442円 +8 円 (+0.6%) 本日終値
長瀬産業<8012>が5日続伸。この日午前中、独自に開発した食品素材「発酵オタネニンジン-CD」について、アルツハイマー型認知症モデル動物における認知機能障害および行動・心理症状に及ぼす影響を検討した結果、空間記憶障害や徘徊様行動の改善効果を見出したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。また同時に、オルトメディコ(東京都文京区)と共同で開発した食品素材「発酵霊芝」を配合した食品の摂取により、血管状態の改善および免疫賦活機能の改善効果を確認したと発表しており、これもプラス評価されている。
■トヨタ紡織 <3116> 2,609円 +8 円 (+0.3%) 本日終値
トヨタ紡織<3116>が7日続伸。11月30日付で岡三証券がレーティング「中立」継続ながら、目標株価を2330円から2800円へ引き上げた。新型車向けシートの付加価値向上などによる製品構成の改善効果が強まっているとみられることから17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の690億円(前期594億9200万円)に対して従来予想の610億円から705億円へ、18年3月期を660億円から755億円へ引き上げている。
●ストップ高銘柄
黒田精工 <7726> 286円 +80 円 (+38.8%) ストップ高 本日終値
小僧寿し <9973> 115円 +30 円 (+35.3%) ストップ高 本日終値
マルマン <7834> 314円 +80 円 (+34.2%) ストップ高 本日終値
安永 <7271> 2,600円 +500 円 (+23.8%) ストップ高 本日終値
ダイトーケミックス <4366> 602円 +100 円 (+19.9%) ストップ高 本日終値
など、11銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース