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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

安永 <日足> 「株探」多機能チャートより

■安永 <7271>  1,777円 (+600円、+51.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。安永 <7271> が5日連続のストップ高で1777円まで急騰、株価は動意直前の水準から3.4倍に化けている。同社株は上場した1996年の10月に1920円の高値をつけているが、20年ぶりの最高値も視界に入ってきた。同社株はリチウムイオン電池関連の一角として脚光を浴びた。正極板の製造で独自技術を駆使して電池寿命を大幅に向上させる新技術を開発したと発表したことが異彩人気化の背景だ。市場では「複数の企業に技術提供中とはいえ、将来的な収益寄与は現時点では未知数。ここまで買われているのは、値動きに乗じた短期資金のなせる業だが、もともと板が薄いだけに買いの勢いが止まった時の反動も警戒される」(準大手証券ストラテジスト)と指摘する声があった。

■フジプレアム <4237>  383円 (+80円、+26.4%) ストップ高

 フジプレアム <4237> は大幅続伸。日証金が28日付から、フジプレミアム株を貸株利用など貸借取引で注意喚起銘柄に指定すると発表した。貸借取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなかで、きょうは買いが優勢となっている。

■プラネット <2391>  2,226円 (+400円、+21.9%) ストップ高

 プラネット <2391> がストップ高。この日正午ごろ、中国で越境流通プラットフォーム事業を行う合弁会社設立に合意したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。新会社「上海上港瀛東商貿」は、中国最大の港湾運営の国営企業である上海国際港務(集団)傘下の上港集団物流(上海市)、ソフトウエア開発やシステム設計を手掛けるシノジャパン(東京都港区)、ヤマトホールディングス <9064> と同社の4社により設立。日用品・化粧品・衛生用品などの日本のメーカーや卸売業と、中国の小売事業者やECモール出店事業者を結びつけ、貿易・物流・情報・決済・販路拡大までを一貫して提供する越境流通プラットフォーム事業を行うとしている。なお、同件による17年7月期業績への影響は軽微としている。

■日本アジア投資 <8518>  704円 (+100円、+16.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。日本アジア投資 <8518> が4日連続ストップ高。同社の投資先でスマートフォン向けコンテンツビジネスなどを中国展開するアクセスブライトが、大ヒット中のアニメ映画「君の名は。」の配給・配信権利を取得し今週末から中国全土で上映することが材料視され、投機資金を呼び込んでいる。東宝 <9602> は28日、「君の名は。」の興行収入が194億円を突破してスタジオジブリの「もののけ姫」を抜いて国内映画の興行収入歴代6位にランキングされたことを発表、200億円大台乗せもほぼ確実視される状況にあり、これもアジア投資の株価を間接的に押し上げる背景となっている。

■ウチダエスコ <4699>  1,070円 (+150円、+16.3%) ストップ高

 ウチダエスコ <4699> が連日ストップ高。前日に値幅制限いっぱいまで買われた流れを引き継ぐかたちとなっている。同社は25日取引終了後に、17年7月期通期の連結業績予想修正を発表しており、これが引き続き好感されているようだ。売上高見通しは従来の126億円から128億円(前年比10.4%増)に、経常利益見通しは5億2000万円から6億円(同22.0%増)にそれぞれ増額修正。足もとで学校市場向けIT関連機器(電子黒板およびタブレット型端末など)の受注が好調に推移していることが業績を押し上げる。

■ダイワボウ <3107>  313円 (+17円、+5.7%)

 ダイワボウホールディングス <3107> が7日続伸し年初来高値を更新。青森県や新潟県などで相次いで鳥インフルエンザウイルスが確認されたことを受けて、マスクを手掛ける同社が関連銘柄として物色されている。このほか、ダイワボHD同様マスクの興研 <7963> 、重松製作所 <7980> や、インフルエンザワクチン開発のUMNファーマ <4585> 、「クレベリン」の大幸薬品 <4574> など他のインフルエンザ関連も軒並み高となっている。

■川田テクノロジーズ <3443>  6,210円 (+260円、+4.4%)

 川田テクノロジーズ <3443> が大幅続伸し、連日で年初来高値を更新した。軟調な全般相場に逆行し、好業績・低PERを材料視した買いが続いている。同社は今月10日に決算を発表。17年3月期上期の連結経常利益は前年同期比6.4倍の46.6億円に伸びて着地。原価低減や設計変更による追加工事の売上増加で、鉄構部門の収益が急拡大したことが寄与した。持分法投資利益の増加も利益を押し上げた。業績好調に伴い、17年3月期の連結経常利益を従来予想の35億円→55億円に57.1%上方修正。併せて、期末一括配当を従来計画の30円→60円に増額修正した。予想PERは依然7倍台と投資指標面でも割安感が強いことも支援材料となっている。

■横河ブHD <5911>  1,348円 (+46円、+3.5%)

 28日、横河ブリッジホールディングス <5911> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.43%にあたる60万株(金額で7億8120万円)を上限に、29日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は28日終値の1302円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■コロナ <5909>  1,207円 (+37円、+3.2%)

 コロナ <5909> が続伸で年初来高値を更新した。11月中旬以降は上値追い基調が鮮明。同社はファンヒーターなどの石油暖房機器の大手であり、都心でもここにわかに気温が下がるなかウインターストック関連として頭角を現している。実際、「足もとの暖房機器の販売は好調な売れ行きで、業績上振れの可能性がでてきた」(中堅証券)という。17年3月期は8.5%増収で営業利益は前期比3.8倍の21億円を会社側では見込んでいるが、数億円の上乗せ余地が指摘されている。PBR0.5倍とバリュー株としての素地も評価材料。

■パナソニック <6752>  1,136円 (+33.5円、+3.0%)

 パナソニック <6752> が反発。28日、従来比600倍の高コントラストを実現した新型液晶パネルを開発したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。新開発の液晶パネルは、独自の液晶技術をベースに、画素ごとにバックライト光量を制御できる新開発の調光セルを内蔵することで、コントラスト100万対1以上の高コントラストの実現に成功したのが特徴。これにより、眩い光から漆黒の黒まで忠実で高品位な映像表示が可能となることから、レントゲン写真などの精度が求められる医療用モニターや、明瞭な視認性が求められる車載用モニターなどへの応用が期待できるほか、コンテンツ映像の制作用モニターといった用途も開拓するとしている。なお、来年1月から顧客に対してサンプル出荷を始める予定という。

■三菱製鋼 <5632>  227円 (+6円、+2.7%)

 三菱製鋼 <5632> は小幅続伸。岩井コスモ証券は28日、同社株の投資判断を「B+」から「A」へ引き上げた。目標株価は190円から290円に見直した。同社は特殊鋼鋼材の製造・販売を手掛け、自動車・建設機械向けが売上高の約3分の2を占める。建設機械の需要が底入れし回復が見込めるほか、上昇基調にある原料炭価格の製品価格への転嫁で収益モメンタムは来期以降大きく改善することを評価している。トランプ次期米大統領によるインフラ投資で建設機械需要が増加し、同社の特殊鋼需要が上向くことにも期待している。17年3月期の連結営業利益は会社予想33億円に対し、35億円(前期比18%減)を予想。18年3月期は同44億円への増益を見込んでいる。

■オープンドア <3926>  3,310円 (+85円、+2.6%)

 28日、オープンドア <3926> [東証M]が20万株の立会外分売を実施すると発表したことが買い材料視された。同社は東証1部への市場変更を申請しており、この基準を満たすための株式分布状況の改善や流動性の向上を目的に実施した。発表を受けて、立会外分売の実施による早期の1部市場変更を期待する買いが向かった。

■NEXT 原油ブル <2038>  892円 (+21円、+2.4%)

 原油市況動向と連動するNEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブルETN <2038> が上昇。あす30日に予定されるOPEC総会を前に原油価格に対する思惑が錯綜している。前週末は減産協議が難航するとの見方で2ドル近い急落をみせていたWTI原油先物価格だったが、前日は減産合意への期待が再燃し1バレル=47ドル台まで反発に転じており、巻き戻しの買いが入るかたちとなった。

■さくらインターネット <3778>  960円 (+19円、+2.0%)

 さくらインターネット <3778> が高い。同社はきょう、ソフトバンク・テクノロジー <4726> 子会社のミラクル・リナックスなどと共同で、オープンソースソフトウエア「Hatohol」の開発を開始すると発表した。「Hatohol」は、ミラクル・リナックスが支援する開発コミュニティー「Project Hatohol」で開発されているオープンソースソフトウエア運用統合ソフト。システム監視やジョブ管理、インシデント管理、ログ管理など、さまざまな運用管理ツールのハブとして機能する。

■信越化学工業 <4063>  8,335円 (+165円、+2.0%)

 信越化学工業 <4063> が3日続伸。塩ビ部門が好調で収益に貢献、17年3月期第2四半期(4~9月)決算は、連結営業利益段階で前年同期比11%増の1220億3400万円と2ケタ伸長。中国スマートフォンメーカーの台頭などを背景に半導体ウエハーの伸びも顕著で、ここ最近の円安進行も追い風となっている。野村証券の「Nomura21 Global」の25日付の一部銘柄入れ替えでも信越化は新たに組み入れられた3銘柄のひとつであり、これも買い安心感につながっているようだ。

■日本航空電子工業 <6807>  1,587円 (+27円、+1.7%)

 28日、日本航空電子工業 <6807> に対してNECがTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格が前日終値を23.1%上回る1株1920円とあって、本日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は29日から17年1月17日まで。なお、TOB成立後も同社は上場を維持する。

■エイチ・アイ・エス <9603>  3,200円 (+50円、+1.6%)

 エイチ・アイ・エス <9603> が大幅続伸。子会社のハウステンボスは28日、17年の新規事業計画に関する概要について、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)コンテンツを常設する国内最大のテーマパークを本格展開すると発表。これが材料視されているようだ。ハウステンボスは14年に業界初のVRゲームの常設アトラクションを開設して以来、先駆け的なバーチャルゲームを提供しており、17年においても既存施設を改修し、VR・AR技術を活用した新感覚の恋愛アトラクションや壮大なSFアトラクション、世界中のVR・AR技術を一堂に集める施設などを開設する計画。また、16年1月に取得した大村湾の無人島長島(西海市)を活用した「夢と冒険の王国」の始動プロジェクトを進めており、同国でもVR・AR技術を活用したアトラクションを導入する構想を進めているという。

■東京エレクトロン <8035>  10,350円 (+150円、+1.5%)

 東京エレクトロン <8035> が続伸。28日付でみずほ証券が投資判断「中立」継続、目標株価を8000円から1万1000円へ引き上げた。TSMC、インテル、3D-NANDの投資が好調であることから、受注見通しを上方修正。これにより17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の1400億円(前期1167億8800万円)に対して従来予想の1250億円から1446億円へ、18年3月期を1306億円から1633億円へ引き上げている。

■因幡電機産業 <9934>  3,895円 (+55円、+1.4%)

 28日、因幡電機産業 <9934> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.1%にあたる30万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は12月1日から12月22日まで。

■FRONTEO <2158>  879円 (+11円、+1.3%)

 FRONTEO <2158> が高い。同社はきょう、顧客に代わってAI(人工知能)活用のプロセスを推進する「AIプロセスアウトソーシング」の提供を開始すると発表した。「AIプロセスアウトソーシング」は、人工知能の導入経験がない顧客でも人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を業務の改善や課題解決に活用するための取り組み。このサービスでは、同社の人工知能のエキスパートやAIの運用を担当しているサービスチームが、解析のテスト段階から導入、運用設計をサポートするだけでなく、実際に稼働を開始した後の運用も顧客に代わって担当することにより、実効性の高いAIの利用を実現する。

■東邦亜鉛 <5707>  448円 (+5円、+1.1%)

 東邦亜鉛 <5707> が続伸し新高値。同社は28日、豪州子会社が操業するエンデバー鉱山を来年5月からフル操業体制にすると発表した。亜鉛・鉛の価格低迷を受け同鉱山は減産を行っていたが、足もとの市況回復を受け増産に転じる。具体的には、新年1月から順次粗鉱処理量を増やし、来年5月以降、月4万トンの生産体制とするほか、従業員も65人から172人に増員する。亜鉛の価格は米次期大統領に大規模なインフラ投資の実施を掲げるトランプ氏が当選したこともあり、足もとで急伸している。

■ディスコ <6146>  13,480円 (+130円、+1.0%)

 ディスコ <6146> が続伸。同社は28日、サファイアやSiC、LT、LNなど難削材のCMPに対応したフルオートマチックポリッシャ「DFP8141」を開発したことを発表した。市場の成長が期待される高輝度LEDでは、デバイス形成済のサファイア基板を裏面研削した後、デバイス性能向上のための研磨工程が必要になってきている。また、省エネ志向の高まりにより需要が伸びるパワーデバイス向けSiC(炭化ケイ素)などでも 研磨ニーズも高まっており、「DFP8141」はこれらのニーズに対応するもの。12月14日から東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2016」参考展示する予定。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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