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【市況】国内株式市場見通し:トランプ政策でメガバンクなど金融セクターの動向に注目

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。注目された米大統領選では民主党のヒラリー・クリントン氏が敗れるなど、波乱の結果となった。共和党のドナルド・トランプ氏勝利により、日経平均は英国のEU離脱(ブレクジット)時を上回る波乱の相場展開。ただし、この影響を受けたのはブレクジット時同様、リアルタイムでの日本市場となり、米国市場は一転トランプ政権への期待からNYダウは最高値を更新した。この流れから一夜明けた日経平均は落ち着きをみせ、10日には今年最大の上げ幅を記録すると、週末11日には2月以来、9ヵ月ぶりの高値水準を捉えている。日経平均はこれまでの抵抗レベルを突破したことにより、需給状況は大きく改善した。

トランプ政権に対しては現時点で先行きが見えないところはあるが、政策に対する恩恵を受けるであろう、セクターや銘柄への物色。とりわけ、トランプ氏はドッド・フランク法(金融規制改革法)を廃止すると発言している。同法は金融機関のリスクを取る能力を阻害し自由度を奪っているとしており、政策の緩和期待から金融セクターへの物色等が引き続き注目されやすい。また、米国では報道機関のみならず野党も、新政権の最初の100日間は批判や性急な評価を避ける紳士協定がある。市場も緩やかな上昇が見込まれるなか、関連銘柄を探る流れが強まりそうである。NYダウは連日で最高値を更新するなか、日経平均においても、目先は節目の18000円を意識したトレンド形成が期待されてくる。

また、今週は17日に安倍首相とトランプ次期大統領との会談が予定されている。日米同盟に対する米国の関与を再確認する方針であり、今月中旬にペルーで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前にニューヨークを訪れる。APECのついでに立ち寄る格好にみえるが、正式な大統領就任前の会談は異例であり、日米同盟に対する米国の関与を再確認するとともに政策期待が高まりやすいだろう。トランプ氏の選挙戦における発言等から日本バッシングが気掛かりではあったが、大統領選勝利後の発言では「日本の不安を払しょくしたい」とも伝えられており、過度な警戒感は後退することになりそうだ。

その他、経済指標では14日に7-9月期国内総生産(GDP)速報、日銀の黒田総裁が名古屋で講演する。また、10月の中国の工業生産・小売売上高・固定資産投資が発表される。15日には10月の米小売売上高、11月の独ZEW景況感指数、16日に10月の米鉱工業生産、17日に10月の米消費者物価指数、住宅着工件数が発表される。その他、決算は後半戦のヤマ場を超え、週明けの14日で一巡する。今週は、みずほFG<8411>、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、第一生命<8750>など金融セクターの決算が予定されている。トランプ銘柄として市場の関心は高く、決算後の動向が注目されることになりそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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