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【市況】今週の【早わかり株式市況】 1万7000円割れ、米大統領選警戒と円高で売り膨らむ

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

 今週の株式市場は、日経平均株価が約半月ぶりに1万7000円台を割り込んだ。米大統領選への警戒感と円高進行でリスク回避の売りが膨らんだ。

 週初の10月31日は前週末の原油安や円安一服で利益確定売りが膨らみ、日経平均は小幅に反落した。ただ、日銀のETF買い思惑や海外投資家の買い観測もあって下値は限定的だった。

 翌11月1日は終始売り買いが交錯する展開となったものの、日銀によるETF買いの思惑が浮上したことで日経平均は前日比プラスを確保。2日は来週8日に行われる米大統領選を巡りクリントン民主党候補のメール問題再燃により不透明感が再び高まったことからリスク回避の動きが強まり、日経平均は急反落。為替の円高進行も下げを加速させ、下げ幅は一時360円を超えた。

 祝日を挟んだ週末の4日は米大統領の共和党候補、トランプ氏が世論調査の支持率でクリントン氏を猛追し一部で逆転したことを受け、「トランプ大統領」誕生への警戒感からリスク回避の売りが膨らみ、日経平均は大幅続落。10月19日以来、約半月ぶりに1万7000円台を割り込んだ。日銀が10月31日~11月4日に4日連続で合計2800億円強のETFを買い入れたが、売り圧力を支え切れなかった。

 日経平均株価は、前週比541円(3.10%)安の1万6905円と3週間ぶりに大幅に反落して取引を終えた。週間の振れ幅は671円と、前週の298円から拡大した。


 来週は、8日に行われる米大統領選の結果次第で日経平均は大きく上下に振れる可能性が高い。「クリントン大統領」誕生の場合は買い戻され大幅に上昇するとみられる一方、「トランプ大統領」誕生の場合は懸念売りが広がり大幅に下落する可能性がある。
 重要イベントとしては、国内では8日14時に発表される9月景気動向指数や10日朝に発表される9月機械受注統計が注目される。海外では世界のマーケットが注目する米大統領選が最大のイベントだが、8日発表の中国10月貿易収支にも注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(10月31日~11月4日)

【↓】 10月31日(月)―― 小幅反落、原油安や円高が重荷も下値に押し目買い
 日経平均 17425.02( -21.39)  売買高22億4263万株 売買代金 2兆3298億円

【↑】 11月 1日(火)―― 小幅反発、手控えムードも引け際プラス圏に切り返す
 日経平均 17442.40( +17.38)  売買高19億0602万株 売買代金 2兆1094億円

【↓】 11月 2日(水)―― 急反落、円高や米大統領選の不透明感で利益確定売り
 日経平均 17134.68( -307.72)  売買高20億5634万株 売買代金 2兆2079億円

【-】 11月 3日(木)―― 休場(文化の日)

【↓】 11月 4日(金)―― 1万7000円割れ、米大統領選「トランプリスク」で売り
 日経平均 16905.36( -229.32)  売買高20億5681万株 売買代金 2兆3564億円

◆セクター・トレンド(10月31日~11月4日)

(1)全33業種中、31業種が下落
(2)原油安で国際石開帝石 <1605> など鉱業、JX <5020> など石油株が売られた
(3)トヨタ <7203> など自動車、三菱重 <7011> など機械といった輸出株は大幅反落
(4)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株も週末に値を崩す
(5)郵船 <9101> 、川崎汽 <9107> など海運株は大幅続落
(6)日水 <1332> など水産、サントリBF <2587> など食品といった消費関連株は値を保つ

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