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【市況】今週の【早わかり株式市況】 レンジ相場上限を3カ月半ぶりに突破、海外勢の買いが後押し

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

 今週の株式市場は、 日経平均株価は3カ月半ぶりにレンジ相場上限を突破。海外資金流入が後押し。

 週初の17日は前週末の欧米株の堅調や円安基調で買い優勢となり、日経平均は小幅に続伸した。

 翌18日は前日の欧米株安や原油安に加え、為替が円高に振れたことから朝方こそ安かったものの、中国などアジア株が堅調に推移したことで買い安心感を誘い、切り返した。後場に円安に転じたことも追い風となった。19日も朝方は軟調だったものの、前場に発表された中国GDPが想定内だったことで中国経済への不安が和らぎ買い優勢に転じ、日経平均は一時1万7000円を回復した。上値が重いながらも小幅な上昇が続き、相場の腰の強さを窺わせた。20日は朝方こそ売り買い交錯で始まったものの、不動産など内需株の買いが相場上昇を牽引し、 日経平均は大幅に5日続伸し、1万7200円台を回復。約3カ月半続いたレンジ相場の上限を突破し、半年ぶりの高値をつけた。海外資金の流入観測もあって、東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を約3週間ぶりに上回った。

 週末の21日は円安基調で買い優勢で始まったものの、利益確定売りに押され伸び悩む中、終盤に鳥取での地震に伴い為替が円高に振れたことで日経平均はマイナス圏に沈み、6日ぶりに反落した。

  日経平均株価は、前週比328円(1.95%)高の1万7184円と反発し、週足の終値ベースとしては半年ぶりの高値で取引を終えた。週間の振れ幅は467円と、前週の346円から拡大した。


 来週は決算発表が本格化する中、上昇基調が続くか注目される。テクニカルアナリストの伊藤智洋氏は21日に配信した「日経平均株価・短期シナリオ」で、「勢いの強い上昇の流れを継続して11月末頃までの期間で、1万9000円を目指す」と予想しており、期待したい。重要イベントとしては、国内では24日朝に発表される9月貿易統計が注目されるほか、25日にはJR九州 <9142> が東証に新規上場する。海外では28日発表の米国7-9月期GDPに注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(10月17日~21日)

【↑】 10月17日(月)―― 続伸、円安もみ合いで買い優勢も上値重い
 日経平均 16900.12( +43.75)  売買高15億2703万株 売買代金 1兆6333億円

【↑】 10月18日(火)―― 3日続伸、朝安も中国などアジア株堅調で切り返す
 日経平均 16963.61( +63.49)  売買高15億3182万株 売買代金 1兆7731億円

【↑】 10月19日(水)―― 一時1万7000円回復、中国経済への不安和らぎ4日続伸
 日経平均 16998.91( +35.30)  売買高15億6110万株 売買代金 1兆6631億円

【↑】 10月20日(木)―― レンジ相場上限突破・半年ぶり高値、内需株が相場牽引
 日経平均 17235.50( +236.59)  売買高18億5108万株 売買代金 2兆0825億円

【↓】 10月21日(金)―― 6日ぶり反落、決算発表本格化を前に利益確定売り
 日経平均 17184.59( -50.91)  売買高18億2750万株 売買代金 2兆0320億円

◆セクター・トレンド(10月17日~21日)

(1)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産株が大幅高
(2)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株が買い戻された
(3)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、信越化 <4063> など化学といった素材株も反発
(4)クボタ <6326> など機械、三菱電 <6503> など電機といった輸出株も堅調
(5)前週まで買われたJX <5020> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業といった資源株は伸び悩んだ
(6)NTT <9432> など通信、小野薬 <4528> など医薬といったディフェンシブ株はさえない

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