【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ ソニー・東芝株高、収益評価に見直し機運!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「ソニー・東芝株高、収益評価に見直し機運!」
●上昇トレンドに「黄色信号」点灯だが…
9月21日以降、緩やかな上昇トレンドを描きつつあった日経平均株価に、微妙な異変が生じている。ここにきて25日移動平均線の傾きが横ばいからわずかながら下降に転じているのだ。
トレンドは、上向いた場合でも休みなくそれが継続するとは限らず、中には横ばい、さらには一旦、下降に転じることもよくある。そして、しばらくするとまた上昇トレンドに戻る。
今回もそうなる可能性は高いと見ているが、目下のところは上昇トレンドに黄色信号が灯った。こんな認識でいたい。
ただ、現在の東京市場を支えている2大サポート材料、これには特筆すべき変化はない。FRBによる追加利上げの年内実施観測、原油価格の再上昇期待。これらはなお生き続けており、今後も引き続き頼りになりそうだ。
そして、一時徹底的に売り込まれたソニー <6758> や東芝 <6502> に買いが入り、次第に水準を高めつつあることも今後の株高を予見させる。
ソニーは業績の悪化、東芝は不正会計とどちらも超有名企業にふさわしくない陥穽に陥ってしまったのだが、両社を比較すると東芝経営陣の責任の方が圧倒的に重大だった。そんな両社株がいまは揃って堅調そのものの動きになっているのだ。特に堅調さが光るのは東芝株で、この原稿を書いている時点でも戻り新値に進んだほどだ。
両社株とはやや性格が異なるが、官製ファンド(産業革新機構)の傘下のもとで再生を目指しているジャパンディスプレイ <6740> も8月18日に138円の安値をつけて以降は次第に水準を高め、10月14日には182円の高値まで戻った。
●7-9月決算発表への注目高まる!
このような動きの背景にあるのはやはり、思惑や理想買いよりも企業収益に対する正当な評価であり、市場が改めてその重要性に着目するようになっているということになろう。
年末に向かうと、人も企業も「お金」を強く意識するようになる。それは実需、実益によってもたらされるものなので、株の評価もそれらに裏打ちされたものが求められるのは自然。そのため、ここからは7-9月決算と通期予想が重視されるのはまず間違いないため、今後相次ぐその発表を楽しみにしたい。
さて、注目銘柄だが、前述したようにまずは東芝だ。戻り新値に進んだばかりながら、フラッシュメモリ需要の好調があるため、株価は目先反落してもすぐまた再起すると見る。
飲料用ボトル充填装置に強く、国内最大手である澁谷工業 <6340> も高値圏ながら魅力的だ。ボトルは飲料用だけでなく、薬品、化粧品用などもあり、いずれも需要を伸ばし続けている点に着目だ。
特殊な分野に強い企業にも目を向けると、手術用縫合針や眼科ナイフに強いマニー <7730> がある。歯科用治療器にも展開していて、地味な経営ながら収益を伸ばし続けていることはもっと高く評価されてよい。
ジャスダック銘柄はどうか。近畿地方中心に介護付き老人ホームを運営しているチャーム・ケアコーポレーション <6062> [JQ]がある。
2016年10月14日 記
株探ニュース