【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 反騰相場は始まったばかりじゃないか!
株式評論家 杉村富生
「反騰相場は始まったばかりじゃないか!」
●テクニカル的には底値を示唆する異常値が続出!
全般相場はいまひとつはっきりしない。いや、日経平均株価が瞬間1万7000円の大台に乗せたことにより(10月11日には1万7074円の高値)、目標達成感が台頭しているようだ。実際、株式投信には解約が増えているという。
しかし、このまま終わる相場ではないと思う。反騰相場は始まったばかりである。円高はピークアウト、原油価格はジリ高に転じている。そう、世界の投資資金はリスク・オンの姿勢に転じつつある。
長期金利は下げ止まった。これは1961年以来の長期低下傾向が終焉したことを意味する。グレート・ローテーション(大変革)との声もある。恐らく、中・長期的には債券から株式への潮流の変化が起こるのではないか。
テクニカル的には8~9月に異常値が続出した。これは相場の底打ちを意味する。すなわち、個人の売買代金に占める現物取引の比率が28.5%と1990年以来の低水準に、裁定買い残高の東証1部の時価総額比が0.07%と過去最低を記録……など。
●外国人が売ったあとが絶好の買い場!
さらに、裁定買い残高と裁定売り残高が逆転した。これは先安感の現れ、といわれる。実に、1998年以来の“珍事”である。しかし、冷静に考えてほしい。現状は大手証券、メガバンクが次々に経営破綻に追い込まれた1997~1998年(金融危機)並みにひどいのだろうか。
いや、それは断じてあり得ない。確かに、外国人は1~9月に6.2兆円売り越した。だが、買い場・売り場の判断材料としてみると、外国人が大量に売り越したあとが絶好の買いチャンスになっている。
今回もそうなるだろう。なお、裁定買い残高の東証1部の時価総額比はこれまで0.1~1.0%のゾーンで動いていた。0.07%という数値は異常値だが、今後は1.0%(約5兆円強)に向け増加していくことになろう。
一方、物色面ではマグネシウム電池関連セクターが大フィーバーを演じている。ただ、人気先行であり、追いかけるのは怖い。やはり、テーマ性を有し、好業績のアートスパークホールディングス <3663> [東証2]、CRI・ミドルウェア <3698> [東証M]、セレス <3696> [東証M]、チャーム・ケアコーポレーション <6062> [JQ]、ソニー <6758> 、ULSグループ <3798> [JQ]、ソフトバンク・テクノロジー <4726> などをじっくり攻めるのが有効である。
2016年10月13日 記
株探ニュース